ジャニヲタが韓国アイドルヲタになった話

ガラパゴス時代

私はうら若き中高生時代をジャニヲタとして過ごしました。嵐のコンサートへ行き相葉君に熱視線を送り、雑誌の切り抜きを集め、学校では「相葉君はアイドルとして好き、横山君はリア恋枠」というわけわからん話で盛り上がる。ごく普通のジャニヲタです。

この時代、男性アイドルに関してはジャニーズにしか興味がありませんでした。ジャニーズこそ至高、ジャニーズを超えるアイドルなんて存在しない、ジャニーズがエンターテイメントの頂点、ジャニーズが世界の中心。そう信じていました。年代で言うと2005年〜2010年あたりになります。関ジャニ∞やKAT-TUNがデビューしヲタクを量産、そして嵐が凄まじい勢いで勢力を拡大させていった5年間。ミュージックステーションで関ジャニ∞が3週連続出演し同じ曲を歌ったりしてたすごい時代。

単純にテレビをつけたらジャニーズしか出ていないしジャニーズしか選択肢が無かったわけです。

一応この頃、韓国にもアイドルがいることは知ってはいました。しかしまず興味が湧かずメディアにもそこまで出ていなかったので知る機会がない。ド偏見だらけでした。どうせ全員整形してるんだろ！みんな同じ顔！髪形きのこ！しかも変な色だし！みたいなイメージがあり、韓国アイドルを好きになるわけがないと思っていました。（この頃から東方神起はバリバリ日本で活動していましたが、不思議な事に東方神起の曲は普通に好きで聴いてました。彼らが韓国のアイドルであるということをすっかり忘れていました）

 

大学入学、訪れる転機

 高校も卒業し、晴れて華の女子大生になった私。大学生になったらやりたいことの一つ、それはアルバイト。今まではお小遣いも無く、お年玉で一年間過ごすという極貧ヲタ生活を送っていたため、自分で働いて稼いでジャニーズに使うという夢の生活を迎えることがとてもとても楽しみでした。私はヲタ活する為に大学生になったんだ！（クズ）

 

 しかし、「その時」はある日突然やってきました

 

 

 大学の図書館には雑誌もたくさん置いてあります。私は友達と休み時間に雑誌を広げていました。そこには「日本デビュー」の文字と共に5人の男の子の写真が。ふーん韓国かー、そういえば最近韓国アイドルめっちゃテレビ出てるなー、少女時代とKARAは大好きだけど男は、なー、うーん、などグルグル考えながらそのページから目が離せない。一旦別の記事を開いて読むのですが、数分後にはまたさっきの韓国男子のページに戻ってる。は？なんで？どうした？自分でも意味が分からない。待ってこの韓国男子ちょっとかっこいい気がするよ？いやまぁジャニーズの方がかっこいいけど。記事を読むところ、どうやらこの5人組はシャイニーっていうらしい。なんでeが2個もついてるの。よくわかんないけどなんか気になる。いやまぁジャニーズの方がかっこいいけど。帰ったら調べてみよ。

 

家へ帰ると私はすぐYouTubeを開き「SHINee」で検索。そしたら出てくる出てくる数々の動画。公式でMV観れるじゃん・・・しかもフルで？！供給力やばいね？！超絶閉鎖的企業ジャニーズ事務所しか知らない私はここでまず驚く。とりあえずLuciなんとかっていうタイトルのMVがあるからそれを観よう。ポチッ

このワンクリックで私の人生が変わる事になるとは

一糸乱れぬダンス、振り付けは独特でクセになる。こんなの今まで見たことない。そして声が5人とも違う。ここまで全員が踊れて全員が歌えるグループが存在するなんて・・・・。大ショックでした。私はこれを知らずに今まで過ごしてきたのか。ありえない。何回再生ボタンを押したかわかりません。何回見ても全く飽きない。衝撃以外の何物でもありませんでした。

そして気がつけば金髪の髪の長い男の子をずっと目で追っている自分。ああなんだろうこの感覚。久しぶりに感じるこの感覚。この時私の中で、「この子のプロフィールを調べたい」vs「調べたらハマる気がする。だめだ韓国アイドルにハマるわけにはいかん」の戦いが始まっていました。結果、前者win

 

どうやら名前はテミンっていうらしい。「嘘や・・・テミンくんって93年生まれなの・・・・」ここで一旦怯む私。だってこれまでの人生で年下のアイドルに熱を上げることなんてなかったんです。相葉君なんて10個も年上です。何度誕生日を繰り返しても全く縮まらない歳の差に泣きたくなる時もありました。なのにテミンくんは1個下・・・同世代・・・私が赤ちゃんだった頃テミンくんも赤ちゃんで、私が小学生だった頃テミンくんも小学生で・・・そんな子がこんなにキラキラしてるなんて・・・・

もう後戻りはできませんでした。

ただの興味からヲタクになる過程

この動画が決め手でした。私はついに自覚したのです。私はテミンくんが好きだ。テミンくんの顔が好きだ。テミンくんの眼差しが好きだ。テミンくんの佇まいが好きだ。テミンくんのしなやかなダンスが好きだ。

大量の動画を片っ端から観ていきました。そしてハロベビという名の蟻地獄を発見。踊ってないSHINeeもこんなに面白いのか。ユグンは前世でどんな徳を積んだのか。バイトから帰ってくるのが夜12時、そこから4時頃までハロベビを見続ける生活がスタート。廃人

 

 年が明け、今年SHINeeが初めての全国ツアーをするということを知った私。いやいやいやいや待て！！！さすがにコンサートに行ったらダメ！！！終わる！！！本当に終わる！！！SHINeeの事が好きになったとはいえ、まだ自分の中では「私はお客さん」という感覚がありました。コンサートとは神聖な場所である。私みたいなぺーぺーな人間がコンサートに行ってはならぬ。コンサートに行くべきなのはずっと何年も前からSHINeeの事が好きな濃いヲタクだけだ。そもそも、もうチケットの応募期間過ぎてるじゃん。なーーーんだ。 でももしこれに行ったらSHINeeを生で、存在するのかどうかも定かじゃないSHINeeを生で、観れるのかぁ・・・・ああああああ

しかしツイッターとは便利なツールです。大葛藤の末「SHINee チケット」で検索し、1枚お譲りしますという方に巡り会えました。私はこの大きな一歩をついに踏み出したのです。超えてはいけないラインを超えたのです。

忘れもしない2012年4月25日水曜日天気は雨、マリンメッセ福岡で私は初めてこの目でSHINeeを観ました。存在してる！！！SHINeeが！！！存在してる！！！この世に！！！こんな高揚感今まで感じたことない！！！このコンサート、一曲目が大きなきっかけとなったあのLuciferでした。始まった瞬間、SHINeeから「こっちの世界へようこそ！」と言われた気がしました。

チケットを譲ってくださったのはオニュペンの方で、とてもとても優しくて、こんな方がファンであるSHINeeは信頼できると確信。

 それから発売されるSHINeeの曲はどれも期待を裏切らない、それどころか遥かに上回ってくるので「私はこれにお金を使うために生まれてきたんだ」と悟りを開きました。It's SHINee world

 

ざっとこんな感じで私は韓国アイドルのヲタクになりました。今は当たり前のように自分でチケットをとってコンサートへ行きますし普通に遠征しますし、なんなら韓国まで観に行きます。人って変わるもんですね。SHINee以降、テミンくんの親友繋がりでEXOにも手を出すことになりますが、そのへんは割愛させていただきます。私の全てが終わり、私の全てが始まったのがSHINeeです。

「ごくせん」を観てKAT-TUNヲタになった層は「ごく出」と呼ばれ永遠の新規扱いをされることで有名ですが、私はSHINeeの「イルデ出」な永遠の新規としてこれからも精進していく次第です。

 

最後に大きなポイントだけ押さえておこうと思います。

こんなことがあると沼に落ちるよ

①環境が変わる

自分を取り巻く環境がガラッと変わると新しい沼に出会いやすくなります。特に高校から大学へ進学する人は要注意です。自分でお金が稼げる上に自由な時間もドッと増えます。とことんハマれる環境が整ってしまってます。

②ハマるわけないと思ってる

この沼には絶対ハマらない！と思ってちょっと覗いてみると知らなかった一面を見てしまい、一気に天地がひっくり返ります。好きと嫌いは隣り合わせです。

③今の沼にちょっと不満がある

会いたいのに会えない、買いたいのに買えない、そんな沼への不満が溜まってくると危険です。2009年以降の嵐はコンサートの倍率が鬼のように高くなり、むしろ当たった方が奇跡ぐらいになってしまいました。やっぱり・・・現場には行きたいじゃん・・・。そしてこれはあくまで私の場合ですが、私はパフォーマンス厨な所がありまして、歌が上手いアイドルダンスが上手いアイドルが好きです。ジャニーズという沼では正直そういう面で満足できずにいました。 自分が求めてるものがきちんと手に入る沼に出会ってしまうともう完全に心はそちらへ向かいます。

Youtubeの存在は本当に大きいですね。これが無ければ私がSHINeeの良さを知ることはなかったでしょう。なんやかんやジャニーズの事もまだ全然好きなので最近のYoutube参入はとても良い傾向だと思ってます。もうテレビで人気を計る時代はとっくに終わってる。

今の10代は新しい沼とどのように出会うのでしょうか？ぜひ教えて欲しい。きっと私よりももっと出会うスピードは早いんだろうな。 

てか「沼」と表現してますが、考えてみれば全然沼なんかじゃありません！泉、そう、これは泉です！美しく清らかな泉！さぁみんなもこの泉へ！(爽)

 

【参考文献】

一度見始めると止まらないハローベイビー

練習室の動画を出せるのは本当にダンスが上手い証拠だよ

※以前別の場所で書いた記事に加筆したものです