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シニアライフインタビュー:第二弾:シニアライフの現状調査・研究:その5


シニアライフインタビュー:第二弾:シニアライフの現状調査・研究:その5

以前、VLCというマッチングアプリでお知り合いになった女性(以後、Bさん)にインタビューさせて頂きました。

Bさんは50代なかばで、ずっと仕事しながら二人のお子さんを育て、さらには親の介護もしてきた経験をおもちでした。

冒頭、Bさんから現状のお仕事、そしてこれからやりたい事、キャリアについてお聞きしました。

じっとお聞きしていて思い出したのが、キャリアコンサルタントで学んだ、今のカウンセリングの源流を作ったカール・ロジャーズでした。

彼のカウンセリング理論の中核となる概念が、自己概念です。

テキストから一部抜粋すると、

「ロジャーズは自己概念の変化をもたらすものとして「経験」を挙げました。心理的不適応とは、個人にとっての重要な意味を持つ「自己概念」が、行動や身体的な反応も含めて「経験」と矛盾している時やその「経験」を取り入れることができなかった時に生じ、その際、自己概念が反応し、防御や歪曲、拒絶などが働き、問題化され、その人に認識されていきます。つまり、自己不一致から一致へと移行する過程がカウンセリングです。
ロジャーズは、人格の変化とは「自己概念」が、いかにこうした「経験」を柔軟に取り入れ、その構造を変化・再体制化していくこととしました。
その上で、自己概念を「物事の見方・捉え方であり、発達成長するもの」と考えています。自己概念に取り入れた結果、自己概念が変わって、肯定的な物事の見え方・捉え方に発達成長することによって問題として捉えていたものが問題でなくなるという考え方です。
面談では、クライアントがあたかも「経験」を再現するようにありありと出来事や感情・思考を語る中で、コンサルタントは問いかけ、クライアントの自問自答を促すことで、クライアントに何かしらの気づきが生まれ、それを自己概念へ取り入れながら適応・順応を図ろうとしています。物事の見方・捉え方が、ある出来事によって「揺らいでいる」状態がクライアントの問題であり、だから、物事の見方・捉え方の特徴を把握するために、どのように揺れているかをクライアント自身に探索してもらう関わりが不可欠になってきます。』
以上。


Bさんのお話はまさに、自身の「経験」を振り返りながら、自己一致できる、自分にとってしっくりくる感じを探っていき、現時点での目指すべき方向性をご自身で分析して掴まれていると感じました。

本来ならカウンセラーという伴走者に支援されながらそのプロセスを経ていくのが一般的な相談者なのですが、それを様々な経験と出会った人達によって自己分析出来ていることに驚きました。

キャリアコンサルタントについて勉強したり、いままで傾聴について学んで実践してきた経験から、全ての人にとって現実の自分と本来の自己概念の一致が幸せな人生を築いていくのに不可欠であると考えるようになりました。

しかし、その根本的な問題にフォーカスするよりも、目先の問題や損得、世間体、世間の常識、親や先生からの教えに従ってしまうことが多いのが実情です。

毎年新入社員が入社すると研修で職場に回ってきます。
自分の娘もまさに現在就職活動中で関心も高かったので、どのような経緯でこの会社へ入って来たのか聞いてみました。
そこで、分かったのは情報化時代の昨今、同級生や先輩やネット情報などから昔とは比べられないくらい多くの情報を得ているのが分かりました。しかし、それらはいずれも如何にして良い会社に就職するかが目的になっている印象を受けました。

ある企業に応募する場合は、その企業に応じて有利に作用する志望動機、希望、将来展望などについて上手に作文し、上手に面接対応にていくことに長けていると感じました。その為のノウハウや情報は沢山あるのです。
しかし、その就職応募の前段階にあるべき、そもそも自分はどんな人間でどんな特性があって、どんな人生を歩みたいのかという根本的なところが抜け落ちているように感じました。

このような事に気づくためにはやはり良き他者が必要です。この他者は必ずしもカウンセリングの高いスキルを持っている必要はありません。ただただ、相手に好意的関心をもってじっくりと傾聴すればいいのです。
しかしながら、残念なことに、こういう意味での傾聴をしてもらった経験をもっている人は非常に少ないのが現実です。

これについては、しばらく前に日本でもベストセラーになった「LIStEN」という本にも同様のことが書かれていました。

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就職活動やキャリアチェンジ、そして人生の岐路に立った時、その解決方法を模索するのは当然なことです。
しかし、その前に

そもそも、自分って何?

どうしたいの?

これまではどうで、これからどうしたいのか?

と自己対峙して、根本的な問いに向き合うことが
大切なのではないでしょうか。

でもこれは、大変なことなので、ついつい避けてしまいがちです。

しかしながら、実りある転機を得るためには

急がば回れではないですが
結局はこういった内省するプロセスが必要なのだと思います。


さて、Bさんは50代なかばで、ずっと仕事しながら二人のお子さんを育て、さらには親の介護もしてきた経験をおもちでした。

しんちゃんはずっと工場で働いてきたので、周りの同僚はほとんど男性です。女性もいますが少数派です。彼女達の仕事は補助的な仕事が多く、殆どが事務仕事です。
一方現場の作業はパートタイマーや派遣社員、業務委託の女性たちがたくさんいらっしゃいます。実作業の殆どは彼女たちがになっているといっても過言ではありません。

なので、女性でバリバリ仕事して上を目指そうとしているキャリアウーマン(すでに死語かも???)と一緒に仕事したことがないのです。

なので、年代の近いBさんにここらへんのことをお聞きしたかったのです。

やはりお話を聞いてみると、時代的に女性が男性と同じように仕事に打ち込もうとしても、様々なハンディーがあることが再認識されました。今では、総合職で働く女性は沢山いらっしゃいますが、しんちゃんの時代では状況が全然違いました。

誤解を恐れずに言えば、女性は結婚して子供を産んで育てるのがあたりまえで、介護についても家で嫁が両親の面倒を看るのがあたりまえという風潮でした。今でこそ、セキハラ禁止、育メンの推奨、男女雇用均等法で男女を同等の条件にする配慮がされるようにはなってきましたが、旧来の意識は色濃く残っています。

Bさんの場合も、実質的には家事、育児、介護などは女性が一手に担うケースだった様です。
そういう自分も、子育て中は仕事も忙しく夜9〜10時まで会社に毎日いる仕事人間でした。その当時はこんな言葉はありませんでしたが、まさにワンオペで家事、育児をしてくれていました。なので、妻から今でも時々その当時の愚痴をチクチク言われるのですが、当時はそんな問題意識も正直もっていませんでした。

時代がそうだったといえばそうなのですが、それにしてもその負担の不均衡は大きなものがあります。この認識のギャップは男女でかなり大きな開きがあると思います。

それを実感したのは、妻が病気になって、出来ないなりに家事をするようになった時でした。仕事が終わって帰宅してから家事をすると、正直イライラしてきて、メンタル的にも強いストレスを感じました。

Bさんのお話をお聞きしていると、愚痴とか不安、不満とかが殆ど出てこないのです。それよりも、今やっていること、様々な体験からヒントを得て将来やりたい事などが、次から次へとでてくるのでした。

Bさんは社内で起業家を育てるプログラムに携わっていらっしゃいます。いわゆるイントラプレナー育成の支援です。
そもそも社内でイントラプレナーへの公募があった時に、自らそれに手を挙げて応募された経験もお持ちでした。そこで社外の物事に触れる機会を得たようです。
その他、ファシリテータースキル、アート教育、語学コミュニティーに参加したり、楽器演奏をするボランティア活動等々、その興味と行動力、そして様々なコミュニティーへ参加するなどの経験をお持ちでした。

一つ上げるとすると、語学コミュニティの仲間と参加したモンゴルでのパオによる共同生活に強いインパクトを受けられたことから、様々な人々が共同生活するシェアハウスの着想を得て、その方向性でこれからの人生をイメーされている様でした。
そんなBさんが社内の人達に啓蒙活動される中で感じることが印象に残りました。

さまざまなワークショップやセミナー等をやると受講者は何かしらの気付きを得るのだけれど、それを直ぐに仕事に役立つかどうかという思考に繋げてしまうため、広がっていかないのです。
そして、外の世界をしって視野を広げた人の多くが会社を卒業して巣立っていくようなのです。

そんなBさんの今後の予定は、60歳で定年延長を選ばずに退職して、さまざまな経験から得たモノを活かして新しい何かを始めることです。

素敵ですね!


さて、キャリアコンサルタントの勉強をしていて、その活躍の場が企業内が圧倒的に多いと知りました。しかし、自分自身も40年以上同じ会社という組織に所属していてこのキャリアコンサルタントの理念がはたして企業内で活かすことが出来るだろうかという疑問を強く抱きました。
自分なりの理解では、キャリアコンサルタントは企業の利益を第一とせずに、クライアント=社員の幸福を第一に考えて支援する職業だということです。そうすると、企業内のキャリアコンサルタントは会社から給料をもらいながら、クライアントがこのまま社内に留まらないほうがその人の人生にとってベターだという選択をした場合にもそれを支援することになります。これは、旧来の価値観では利益相反してしまいます。

しかしながら、国が新たにキャリアコンサルタントという国家資格を作った背景には、このような一企業の利益に固執した狭い価値観を打破して、広く社会全体の利益に資する目的があるのではないかと思うのです。

これは、時代の要請であり、もはや不可逆的な労働力の流動化をスムーズにして、より個人も社会も働きやすいシステムを作っていくかの実験なのでしょう。

人生100年時代と言われますが、そのライフスタイルは千差万別です。

退職後の長いようで短い年月をどう生きていくのか?
これは多くのシニア世代にとって大きな課題です。

しかし、この長寿、少子高齢化の社会は前例がなく、多様であるが故に正解もありません。

しんちゃんが、2021.10.18 に設立した「じぶんデザイン研究所」は、
自分自身がシニアの当事者として、このような課題に取り組みたいと考えてつくりました。

キャリアコンサルタント資格取得もその道筋の中の一つです。

女性のキャリアについて、男性である自分にはどうしても理解不十分なところが多々あります。分からないと言ってしまえばそれまでですが、分からないなりに理解しようと努めるという姿勢が多様化が叫ばれる今、さらに大切なことなのではないでしょうか。

そういう意味でインタビューの第二弾は女性のBさんにお願いしました。

Bさん、お忙しい中時間をつくってインタビューに協力してくださりありがとうございました。

これからもこのインタビュー活動をつづけていくつもりです。
出来ることなら、半分は女性にインタビューさせてもらえると更に実り豊かなものになるでしょう。

では、では。

次回をお楽しみに!



定年前後の悩めるサラリーマンの悩みに
いっしょになって、じたばたする
変なオジサンの しんちゃん です。

毎日、stand.fmというラジオで発信しています。
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