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スリランカ、空港の思い出

スリランカの空の玄関口、コロンボ国際空港。

別名「バンダラナイケ国際空港」は、ソロモン・バンダラナイケ第4代大統領のお名前に由来。

更に別名「カタナヤケ空港」。これは地名を冠した呼び名。成田にあるから「成田空港」と同じ。

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我々外国人がスリランカに渡航する際、どのルートを使ってもまず間違いなくコロンボ国際空港に到着します。私も何度この空港に降り立ったか。トイレの場所はもちろん、どこのベンチなら空席率が高いかなど、ある程度のことは分かります。

国際空港は、いろいろな国から様々な人たちが訪れ、多様な人間模様を見ることができます。人見知りで見知らぬ誰かに声をかけるなんてとんでもない私でも、何度か印象深い出会いを経験しています。

今回はそんなお話をひとつ。

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6年くらい前でしょうか、いつも通り出張でコロンボ国際空港に降り立ちました。飛行機から降り立ち、空港の独特な香りに触れスリランカに着いた実感を感じながら、入国審査を待つばかり。

当時は長蛇の列が出来るほどではなく、すんなりと審査管のいるカウンターに進めたと記憶しています…が、審査官が今にもパスポートにスタンプを押そうとしているその時、背後から英語で「日本人か?」と声を掛けてくる男性がいます。身なりや、首から下げるIDカード、その手にはトランシーバー。間違いなく空港職員。

日本人だと返事をすると、彼は私のパスポートを審査官から受け取り「ちょっと来てくれ」と手招き。私をイミグレーションオフィスに連れて行きました。

入国審査カウンターからの急展開に多少の不安を抱えながらオフィスに入ると、そこには日本人の中年女性が4人。

空港職員曰く、彼女たちはアライバルビザを申請する必要があるのだが、英語が通じず申請用紙の記入方法が伝わらないため、通訳して欲しいとのこと。

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そう、日本人がスリランカに入国するには、ビザ取得が必要なのです。

一般的には渡航前に在日本スリランカ大使館・領事館へ直接訪問して申請。またはオンライン申請。そして、到着時のアライバルビザ。

アライバルビザは、万が一取得できなかった場合は入国不可となるので、あまりおすすめできません(日本国籍は大丈夫とされていますが、念には念を)。おそらく現在ではビザ未取得状態だとスリランカ行きの飛行機チェックインの段階で止められる可能性が高いですが、当時はアライバルビザ取得要件が緩かったのかもしれません。

そんなわけでアライバルビザ取得が必要な日本人女性4人。

空港職員に言われた通り申請用紙記入が必要な旨を伝えたところ、「英語で書けないのよね」と一言。

代筆するしかないか。

そう悟った私は、これって代筆でも良いのか?と至極当然の疑問を抱きながら、空港職員が凝視する中、4人分の申請用紙の代筆スタート。各人の住所を記入する項目もあり「なんで住所教えなきゃいけないの?」「いや、おれだって知りたくないよ」という不毛なキャッチボールをしながら、なんとか4人分の申請用紙記入をコンプリート。最後に本人の直筆サインだけ入れてもらって、ようやく4人をアライバルビザ・カウンターに案内することに成功。

結局、各人がビザ料金を支払い、無事にビザ取得するまでを見届けることになりました。

おそらく初めてであろうスリランカ旅行に胸踊らせる仲良し4人組をよそに、4人分の代筆を完遂した私は疲労困憊。

空港職員の「サンキュー」の一言も虚しく、またひとり入国審査の列に並び直す羽目になったのです。



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