見出し画像

【授業レポート】東京から 1500km 離れた沖縄県久高島の小学校で「オンライン出前授業」を実施!

本記事は2020年11月30日にLINE entry公式ブログにて掲載されたものを再掲載した記事です。

南城市立久高小中学校にてオンライン出前授業を実施

本年度よりプログラミング教育が小学校でスタートし、各学校でさまざまな取り組みがなされています。とはいえ、準備の難しさやコロナ禍での学習の遅れもあり、 各校ともどうすればスマートに児童へプログラミング教育を行なえるか試行錯誤している状態です。プログラミング学習プラットフォーム「LINE entry」では、このような学校の取り組みをサポートしています。授業で使うスライド資料やワークシート、指導者用ガイドブックを備えたパッケージ教材、さらにLINE entryオフィシャルインストラクターが講師としてオンラインで実施する「プログラミング出前授業」など、すべてを無償提供しています。今回はそのオンライン出前授業のひとつをレポートします。

LINEみらい財団の公式HP

今回、オンライン出前授業を行なったのは、沖縄県の知念岬東方6kmに浮かぶ久高島にある南城市立久高小中学校です。児童生徒数は、小学校14名、中学校14名の小中併置校となっており、少人数という利点を活かしたきめ細やかな指導をしている学校です。

南城市立久高小中学校の公式HPより

授業を受けたのは小学5年生のクラス。今回は、コンピューター教室ではなく、明るくて開放的な美術室で行なわれることになりました。美術室にはWi-Fiが設置されており、安定したネット環境とPCがあれば場所を問わず受講が可能です。初めてのオンライン授業で、画面越しの講師を目の前に、少し緊張気味の児童。教員も担当の先生のほか、数名の先生方が立ち合い、日常とは違う環境で新しい授業に取り組む児童たちを見守って下さいました。

南城市立久高小中学校の出前授業の様子

「プログラミング教育」と聞くと意外と勘違いされやすいポイントですが、文部科学省の学習指導要領では、「算数」や「国語」といった教科のひとつとして「プログラミング」があるのではなく、プログラミング的思考で各教科での学習内容をより確実にすることが狙いとされています。 今回の授業では「算数」と組み合わせて学んでいきます。
●今回使用した教材はこちら

久高島と東京の1500km離れたオンライン授業がスタート

プロジェクターを見ながら1人1台、2in1のタブレットPCという環境

ウェブ会議システムで講師と教室をつなぎ、プロジェクターに投影された講師の画面を見ながら授業を行ないました。タブレットP Cは1人1台。講師は東京からつないでいるため、約1500km以上もの距離が離れた場所から授業を進めます。距離に関わらずどこでも同じクオリティの授業を受けられることが、オンライン授業の大きな利点になります。

明るい対応で児童の緊張をほぐし、現地の先生と連携しながら授業を進める

今回の課題は「プログラミングで正多角形をかこう!」です。LINE FRIENDSキャラクターのコニーから「Tシャツに正多角形をデザインしたい」というメッセージを受けて、プログラミングを使って正多角形を描くことに挑戦していきます。

児童にもなじみのあるキャラクターといっしょに学べる教材

プログラミングを行なうことでより深い理解へ

すでに児童たちは、通常の「算数」の授業で正多角形の「すべての辺の長さが等しい」、「すべての角の大きさも等しい」という条件について学習済み。講師が、正解のカメの動きを児童たちに見せます。プログラムをスタートさせると、Tシャツの左下にいたカメが上方向に動き出し、その後一定距離を動くと右に90度曲がるという動作を3回繰り返して元の位置に戻り、カメの動いた軌跡が正四角形になりました。 このデモを見て、児童たちから楽しそうな声があがりました。

ワークシートに記入してからタブレットPCでプログラミングと段階的に進めていく

まずは、ワークシート上で正方形のプログラムを予想しながら書き込みます。初めからPCを使うのではなく、PCを操作する前にワークシート上でしっかり考えることを目的にしています。ワークシートの記入が終わったら、実際にPCを使ってプログラミングの実践です!
「LINE entry」はビジュアルプログラミングのため、プログラムをキーボードで入力していくのではなく、マウスを使ってブロックをドラッグ・アンド・ドロップで組み合わせていきます。今回の課題には「〇cm前に進む」と「右回りに○°だけ回転する」 というブロックが用意されているので、そのふたつを順番に並べていくだけ。キーボードを使うのは「○cm」と「〇°」の○のところに数値を入力するところだけなので、キーボード操作に慣れていない児童がいても、スタートとして取り組みやすいようになっています。

ブロックを組み合わせて必要な数値を入力していくだけでプログラミングが可能児童たちは恐る恐る

スタートを押すと、カメは正方形を正しく描いたようで、全員から「できた!」と歓声があがりました。プログラミング的思考を身につけるここから算数というより、プログラミング的思考が大きな要素になります。最初に入力したプログラムでは、「10cm前に進む」と「右回りに90°だけ回転する」を交互に4つずつ並んだ形になっており、8個のブロックを使っています。実際、プログラムを作成する際、こういった同じことを行なう場合は「くり返し」を指定することで、プログラムをシンプルにすることが求められます。これは「反復」と呼ばれ、プログラミングの基本操作になります。

プログラミングで必要な基本操作を学習トライ&エラーで「算数」と「プログラミング」双方を学ぶ

「くり返し」を学んだところで、次の課題へと進んでいきます。今度はTシャツの上にLINEのキャラクター「サリー」が登場し、サリーが考えた正三角形のプログラムが表示されます。「10cm前に進む」と「右回りに60°だけ回転する」を「3回繰り返す」というプログラム。ところがこのプログラムをスタートすると、3回曲がってはいるものの、正三角形はかけず失敗してしまいました。このサリーのプログラムを直して、正三角形のプログラムを完成させることが、次の課題となります。

サリーの間違いプログラムからその原因を考えていく

この課題では、プログラミング的思考と算数の両方のポイントを学ぶことができます。失敗の原因を探し、ほかの方法を試す「トライ&エラー」を実践し、算数で習った外角をおさらいしました。今回は、正三角形なので内角は60°で外角は120°、そのため「右回りに60°だけ回転する」ではなく「右回りに120°だけ回転する」というのが正解です。

「算数」の学習内容をプログラミングで復習児童たちも講師や先生のアドバイスにより、無事に正三角形を描くことができました。

新しい時代の授業風景が見えた 今回のオンライン授業では、児童たちが楽しそうに課題に取り組む姿を見ることができました。講師は授業を進めていくコツを熟知しており、慣れない環境に戸惑う児童を促し、スムーズに授業を進めていきます。現地の教員からは「LINE entryのソフトはわかりやすく、今回の授業で児童が『問をもつ』おもしろさもあったので、また使用して実践していたい」とLINE entryに前向きな感想をいただきました。そして、出前授業に参加した3名の児童からは「次は12角形を作ってみたい!」、 「もっとたくさんの多角形を作ってみたい」、「楽しくて、もう一度やってみたい」 とうれしい声が届きました。コロナ禍でオンライン授業を取り入れている学校もありますが、今回のように1500km以上離れた場所でも距離を感じずに、使い慣れたPCやタブレットでプログラミング授業を受けていただくことができます。全国の小学校を対象に実施しておりますので、ぜひLINE entryオンラインプログラミング出前授業をご体験ください。

プログラミング教育の児童向け・教員向けオンライン出前授業のお申込はこちらをご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?