情景描写の練習

 で何年か前に書いたヤツが出てきたので、勿体ないので載せておきます。

 続きは現状無いです。気が向いたら書くかも。

* * *

 彼女は潮騒が時折聞こえてくる小さな浜に来ていた。そこはいつも静かで、誰も彼女を咎めることが無いからだ。それに、彼女だけの秘密の場所でもある。小さな女の子は、寄せては退いていく波に引き寄せられるように、深みのある青へ足を踏み入れた。

 ___たまに聞こえてくる水音が気持ちいい。足元の細かな砂がさらさらと鳴っている。見上げると太陽の光が水面越しにキラキラと輝いていた。なだらかな坂をゆっくりと下っていくと、碧い森が見えてくる。ゆらゆらと揺れる海藻の森だ。彼女が小さな手でそれを掻き分けると、まるで彼女にお辞儀をするかのように碧い木々たちが揺らめいた。

 森を抜けると小さな広場に出る。そこが、彼女のお気に入りの場所だった。森の中にぽっかりと空いたそこには大きな大きな錨が沈んでいて、その根元に座って目を閉じると、心の中のもやもやがすっと溶けて、海の中へ流れ出してゆく。それは彼女の閉じたまぶたの前を少し漂って、海の中へ霧散してゆく。

 ところが、彼女が目を開けても、その日はそれは無くならず、ふわふわと目の前を漂っていた。彼女はびっくりして、もんどりうって錨から落ちて尻もちをついた。小さな女の子の周りをくるくると回っているそれは、なんだか彼女を心配しているかのようだった。丸くて捉えどころのないそれは、しばらくそうした後、いつもは行かない森の奥へ向かって行き、その手前で止まった。
 行きたいところがあるのかも。
 そう思った彼女は、その丸い玉についていくことにした。

...つづく?

* * *

後書き

 自分で批評するなら、情景描写に集中しすぎて少女の動きの説明が疎かになってしまってる、とかですかね。特に根元に座ったのに転げ落ちるとか不可解です。たぶん、錨が砂地に一部埋まっていて、表出している部分に腰かけていたんだろうとは思いますが。

 基本シングルタスクなのでそうなりがちです。集中してるところ以外は疎か。大体、出来上がった後に気付きますが…まぁ、空想の余地があると思えば…。にしても、違和感が先に立つところは直すべきでしょうね。一々止まってたんじゃ、楽しめませんし。

 ちなみにこれ、音楽聴きながら書いてたみたいです。nifflasさんのInfinite Depth→KnyttStoriesのUnderwater Lab→D-fastさんのUnderwater Lab、みたいなメモ書きがありました。これ分かる人いるのか…?でも参考までに。たぶん探せばyoutubeとかにあるんじゃないでしょうか。

 では、また機会があれば。

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