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ファイナルファンタジー(16作品目) FF16(ファイナルファンタジーXVI)を遊び終えて トロコンプレイレビュー【画像あり】


はじめに

こんにちは、ご無沙汰しております。
今回は2023年6月22日にプレイステーション5(以下PS5)専用タイトルとして発売されたファイナルファンタジー16(FINAL FANTASY XVI、以下FF16)をトロフィーコンプリートまで遊んだ上でのプレイレビューとなります。

はじめにお断りとしてこちらの記事はゲーム紹介や普及を目的とした記事でございません。あくまで個人で楽しみ、遊び終わった際にその時抱いていた思いを形として残すことを目的としています。
「こんなところが楽しいからおススメ!」「こういった流れのゲームです」といった記事はお金をもらっているライターさんが様々なところで書かれていると思うのでそちらをご覧下さい。

また、本編のネタバレ前提での記事となりますのでご覧いただく際はゲームを遊び終えるか、あらかじめご了承いただいた上での閲覧をお願いいたします。

プレイ概要

総プレイ時間は約90時間

執筆時点で遊んでいた当時からしばらく経ってしまっていて記憶が曖昧で申し訳ないのですが、本編ストーリー進行(1周目)に約70時間、トロフィー対象となるファイナルファンタジーモードで本編をクリア(2周目)するのに約20時間といった配分です。
この時間にはストーリーだけではなく、探索やクエスト、装備作成の時間なども含まれています。

遊んだハードはプレイステーション5(PS5)

執筆時点でPS5専用販売タイトルとなっているので必然的に遊んだハードはPS5になりますが、今後別のハードで発売される可能性もあるのとテンプレート化しているので記載しておきます。
基本的にトロフィーや実績といった開発が遊んでほしいという思いを込めたであろうシステムがあるハードを選択しています。

達成内容は本編クリアにトロフィーコンプリート+α

ストーリーの完遂と全クエストのクリア、トロフィーのコンプリート内容の他、アルテマウエポンの作成を行っています。
トロフィーの内容で達成が大変だった項目はミュトス(すべてのフィートとアビリティをMASTERした)ですね。ストーリーを2周終えてもアビリティを埋めきれず、その為だけにAP(アビリティポイント)稼ぎをしました。

このゲームタイトル自体は発売日に購入したものの、夏風邪などで長期間ダウンしていたので7月の半ばから始めて8月一杯遊びました。

遊んでみて印象に残ったポイント

PS5の性能を活かした圧倒的なグラフィッククオリティ

このゲームタイトルについて述べるなら文句なしでこの項目でしょう。
PS5自体は2020年の11月12日に発売されたハードですが、PS5に最適化された専用タイトルというのはこのゲームが登場するまでなかったといっても過言ではないと思っています。
それほどにハードが先行していて、発売されるタイトルはPS4も対応であったり、XboxやSteam、はたまたNintendo Switchにも対応していることが多かったですからね。
そうなればPS5の強みを引き出すことはできないでしょうから、このタイミング*でPS5専売タイトルとして発売できたことは英断だったと思います。
*本体の品薄が解消されてきた中とはいえ、PS5本体が日本国内のユーザーに行き渡った状態とは言えず、売り上げが爆死する可能性が高かったと思います。

その結果遊ぶことができたのがこのファイナルファンタジー16です。
海外製でグラフィックの優れたタイトルは既にありますが、それらに決して劣らない美麗さ。画面解像度を4Kベースとしても粗がなく綺麗に描写できる点に感心します。長らく家庭用ハードで綺麗でぬるぬる動くゲームを遊べていなかったのでこれだけでも体験した価値はあったかなと思います。

また、グラフィッククオリティが優れていると題しましたが、Dualsense(コントローラー)の機能*を活かした操作性も没入感が感じられて良かったです。
ただ震えるだけにあらず、強弱が場面に対して自然で視覚や聴覚だけでなく触覚でもゲームを楽しめるというのは体験が斬新で濃密だと感じました。
*公式の言葉で言うとハプティックフィードバックやアダプティブトリガーといった機能ですね。シチュエーションに合わせたリアルな振動を表現できたり、状況に応じてトリガーボタンから感じる抵抗力が変化します。

ゲームの流れとしても、プレイする映画といった感じでアンチャーテッドを彷彿とさせる感じでした。
逆に言えば、映画として組み立てられているので全体的に自由がなかったり、操作しないムービー時間が長いというのも気になった点ではあります。
RPG(ロールプレイング)というカテゴリーだからこそ、そんなものだと言えばそこまでなんでしょうけど、このあたりの自由度はもう少しほしかったのが率直な感想です。

現代の流行りを取り入れた戦闘システム(アクション)

次に印象に残ったのは今までのシリーズではなかった高いアクション性ですね。
筆者のファイナルファンタジーシリーズプレイ歴はナンバリングで言うと7、10、12、13となりますが、その中でも全く毛色の異なるアクションとなったのがこのFF16でした。
(厳密に言えば15もアクションなので15を遊んでいればそこまでの驚きはなかったかもしれません。)
今までのタイトルでは純粋なターン制かアクション付きターン制であることがほとんどでしたが今作では完全なアクションとなっています。

このアクションが軽快で快適に遊べたのが印象的です。
ゲームのカテゴリーをアクション寄りにするとストーリーが薄味になったり、アクションで評価が変わってしまいがちなところをうまく落とし込んだなと感じたポイントになります。

ただし、アクションとしては快適であるものの、ストーリーが進行するごとに魅力のない召喚獣のパワーが得られるのは進めたい意欲に繋がらずマイナスポイントでした。
それほどに最初のフェニックスと初めて得られるガルーダのアビリティの完成度が高いんですよね。
次点で得られるといえばラムウ、タイタン、バハムート、シヴァ、オーディンとなるのですがラムウ、バハムートのフィート(特有の基本アビリティ)はテンポが悪すぎて使用する機会がありませんし、シヴァは歴代シリーズから見ても取得タイミングが遅すぎる割には性能が序盤並みで空気になってしまうのがいただけない。
タイタンも便利かと言えば別に必要ではなく、既存の回避に加えてガードが得られるので人によっては嬉しいよねといった感じでしょうか。

ここまで微妙な内容の強化が続いてげんなりしていたところに現れるのが最終兵器オーディンです。このオーディン、基本的にはダメージが出ずに弱く見えますが玄人向けになっていて斬鉄剣がめっぽう強い。
威力もさることながら、範囲がとにかく広いので雑魚処理に便利。
(斬鉄剣はレベル毎に威力や範囲、モーションが違い、今回は5を想定。)
終盤はオーディン使用を前提としたかのように山ほど雑魚敵の出る戦いがあるので必須と言っても過言ではありません。
ここまでの召喚獣の流れを見てげんなりしたところに最後だからと急に極端な能力の召喚獣を持ってくるのもどうなんだろうなと思いました。
ストーリーの流れからそのような順番なんでしょうけど、オーディンまでの間はアクションが楽しくない、作業感が強いと感じるのは避けられないかもしれません。
オーディンが出てからは斬鉄剣をひたすら放つゲームになるのでそれはそれで作業ですけどね。

また、装備品の種類やプレイアブルキャラクターに選択肢がなかったこともコンテンツのバランスとはいえ残念なポイントですね。
装備品はこれを作れといわんばかりの子が出てきますし、プレイアブルキャラクターはほぼ*主人公一人のみ。モーションやアビリティ自体は用意されているので自由度がないと思わせる要因の一つになったと思います。
*厳密に言えばフェニックス関連で一時的にジョシュアを操作する場面がありますが一時的です。

構成はこんな感じ。
テイクダウン時のダメージ目安。

どこか淡々としていて熱を感じないキャラクター達

いつもは感じないけれどFF16では特に何か引っかかっていた要素がこちらになります。
登場キャラクター達はたしかに日本語で話しているけれどリップが合わず、語り方も日本風ではなく説明口調が多い。
何か違う、何かいまいちキャラクターを好きになれないなと思っていましたがこのゲームタイトル、日本語吹替版なんですね。
今まで日本国内の会社が発売したゲームに吹替版はなかったので心底驚きました。

そう、FF16は英語圏をベースとして制作されています。
言語選択でも英語が一番上の選択肢で2番目に日本語となっています。
エンドロールは当然英語ですし、キャラクターのリップ(唇の同期)も英語で作られているので日本語では口を開いたまま語ったりするわけです。
さらには日本語の声優陣はほとんどが吹き替えキャスティングで選ばれているのが重要なポイントです。
内田夕夜、潘めぐみ、日野由利加、山根舞など主要人物は吹き替えが得意な声優となっています。
それがわかればこの不自然な空気感や妙に愛着がわかないキャラクターという印象になるのも納得だなと。
中村悠一や山路和弘あたりは吹き替えも日本の作品もベテランなので違和感は少ないですが先述した吹替声優では大きな違和感が発生します。
日本を軸に販売するならこの選択はないでしょう。
それほどにヒロインであるジルやミドの魅力が感じられないんですよね。
日本でブランディングされた作品が明確に日本を切り捨てたと感じたのがこのポイントになります。

ここが良かったと感じた素敵ポイント

ここが良かったなぁと感じたポイントを箇条書きにしてみました。

  • 映画さながらの演出力

  • 美しく表現された世界観

  • 比較的高いフレームレートを維持できたことによる快適な操作性

  • ストーリー本編を補完するクエスト内容 (本編では語られない裏事情を垣間見せてくれる)

シリーズおなじみの敵も登場

ここは残念だったと感じた改善ポイント

逆にここは残念だったと感じたポイントを箇条書きにしました。

  • 装備品の種類の少なさ

  • ストーリー進行で得られる追加召喚獣のアビリティの魅力の少なさ

  • 中盤から終盤へかけての空の色がピンク固定になること (最もストレス要素) このタイミングでクエストが多数発生することでムービーも全てその空の色になる為にきつい…

  • 植物園が遠い、そしてファストトラベルできない

  • 最終ストーリーの前になって大量のクエスト発生→ストーリー進行の阻害→テンポの悪さ

  • 主要女性キャラクターの声が見た目に反して老けてる

  • チョコボの使い勝手が悪い (乗り降りのテンポ)

圧倒的ピンク。
名シーンも台無し。

まとめ

と、ここまで薄れた記憶をもとにまとめてまいりましたが、FF16は低迷していたファイナルファンタジーブランドを復活させるべく、FF14で成功した名物プロデューサーを引っ張ってきて制作された社運のかかったタイトルだと認識しています。
その結果として制作されたこの作品には、たしかなクオリティを感じることができました。
ただし、それは手放しに楽しいと思えるものではなく、ファイナルファンタジーという枠にとらわれた限定的なものであるということを忘れてはなりません。

ストーリーはただひたすらに暗く悲観的。奴隷やら人種差別やら令和となった現代でも擦られ続けた気が滅入るような内容です。
それに対して抱く感情として、やはり古い作品だと思わざるを得ません。
そう思わせる要素がファイナルファンタジーという設定であるならば、そのようなナンバリングシリーズは一度終わらせてしまっても良いのではないかなと思います。
このファイナルファンタジーというブランドはもはや時代遅れです。
復活させるのではなく、新たなタイトルと共に完全新規作品として打ち出した方が正当な評価が得られるのではないかと思いながらレビューとさせていただきます。

なお、個人的にはファイナルファンタジーという作品は今作で卒業したいなと考えています。私のわくわくはこのゲームシリーズが最新作となったところで感じることができませんでした。それが全てなのかなと思っています。

最後まで長く拙い文章を読んでいただき、ありがとうございました。


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