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まき散らすポップコーン

怖い映画を見たのは、それが初めて。
ミキちゃんとスギくんと一緒に。

大きな目とショートカット、控えめな雰囲気でそっと話す言葉のセンスが絶妙におもしろいミキちゃん。
モテることを隠さないかっこつけが得意なジャニーズ顔のスギくん。
どうしてこの3人だったのかは覚えていないけれど、この3人で観にいったその映画は

ジュラシックパーク。

友達と評判の映画を観にいくんだ!恐竜好きだし!とわくわくして、ポップコーンとコカコーラ。
スギくんが奢ってくれたんだったかな?

始まった!
グラント博士同様に、目を見開いて大きな恐竜に大興奮。けれどすぐに恐怖もやってくるじゃないの。
雨の地面を揺らし響く足音に、こちらもびくびく。
わくわくの興奮も身動き出来なくなるような恐怖も存分に味わって、放心状態でのエンドロール。

ふーっ!と息を吐き、緊張でこちこちの肩の力を抜く。くっくっ!と我慢しきれない笑い声が聞こえて横を見ると、スギくんが震えながら床に散らばったポップコーンを拾い集めているではないですか。おまえー!ビビりすぎやねん!とかなんとか言いながら。

迫ってくる足音や、大きく開いた口いっぱいの鋭い歯。そんな全部にびっくりするたびに小さく跳ねて、その振動でこぼれて床に散らばったらしいポップコーン。
終わっても少しの間動かないわたしの代わりに床をきれいにしてくれていたスギくん。
ええとこあるやんけ。あ違う。ありがとうございます。

楽しかったなぁ、あの夜。
初めて見た怖い映画の記憶はとても鮮明で、あの後また3人で遊んだということはないのだけれど、ミキちゃんのこともスギくんのこともあの夜の顔をとてもよく覚えてる。
元気かな。


時がたって、パークがワールドになった。
ワールドの1作目は、レイトショーを夫と見た。
行きも帰りも暗くてバイクで遠回りして木々のしげる道を走ったことなどで、まるで追いかけられてるいるようなドキドキ感がなんだかたまらなかった。
ブルーにどはまり。あのシーンは実はこういう意味だったのだ、とかのトリビアを知って、はぁーー!そうなのぉー!と好きが増した。

そんな気持ちを鮮明になぞりながら、見てきました。
『ジュラシックワールド 新たなる支配者』
公開後 最初のお休みの日にDolby cinema3D。
大興奮。
こんなのIMAXでもいっかい見るでしょうが!
大興奮。

熱い思いを持て余して、スタバで一息。
公式サイトにたくさんあったブルーの写真を眺めながら、必要以上に大きな口でドーナツを食べてみたり。

見てから3週間以上経った今も、ショップでブルーとベータのボールペンを買わなかったことをちょっと後悔してるくらいに、大満足なのでした。



ポップコーンって、映画館やテーマパークなどでテンション高めに食べるものっていう楽しいイメージ。
昔、平たいアルミ箔のフライパンみたいなやつで自分で弾けさせるポップコーンがありました。それを振りながらコンロで炙るとアルミがまるく大きく膨らんでその中でコーンが弾けて…ってやつ。あれもイベント感があってやっぱりはしゃいで食べていた思い出。
あのポップコーンって今もあるのかしら。


映画館でポップコーンを食べたのはミキちゃんとスギくんとのあの夜だけかもしれない。
あんなに怖がってたなんて、かわいいとこあったやんけ、などとあの頃の自分を愛でながら帰り道。
スーパーで見つけたキャラメルポップコーン。
ポップコーンは家で大人しく食べてもおいしいのでした。

こちらはみなとみらいで
みなさんに愛嬌をふりまくティラノさん


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映画館の思い出

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