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時空の歪み〜タイムパラドックス


ある晩、澄み切った秋の夜空に満天の星が輝く中、小さな街のカフェで不思議な出来事が起きた。
あるひとりの若い男性が客として来店し、窓際の席に座りコーヒーを注文した。
カフェは活気に満ち溢れ笑い声や笑顔が耐えない。
男性は店内を見回しながら、人を観察することが好きだった。とくに、見知らぬ街へ訪れては見知らぬ人たちの人間模様を想像したりすることが日課になっている。
彼には悲しい過去があり、それをいつも引きずって生活をしていた。
なかなか立ち直れずにいる自分に歯痒さを感じつつも幸せな顔をしている人たちを見ることによって、自分の気を紛らわしていた。そういう人たちを見ることによって、自分も幸せになるような気がしたからだ。
そうこうしているうちに、オーダーしたコーヒーをウエトレスの女性が運んできた。
「お待たせしました。当店特製のカプチーノです。」
ウエトレスの女性がコーヒーをテーブルにおいた瞬間だった。店内の全員が吐き気をもよおし苦しみだして、その場に倒れた。コーヒーやディナーのせいではない。
時空の澱みが生じているようだった。
周囲の景色が歪み、立っていられないほどだった。
三半規管を刺激されて、気持ち悪くなったのだった。
どれくらいの時間が過ぎたのだろう…いや、ひょっとすると時間軸が止まってしまったのかもしれないと男性はおもった。
その瞬間に時が逆転し、夜が昼へと変わった。
周囲の人たちは驚きと興奮の中、街の全体は時空の歪みに包まれた。
人々は皆んなそれぞれの過去や未来への旅を楽しみだした。
「時間旅行」か?タイムトラベル?
こんなことって…ありえるはずがない!
しかし、目の前には現実に起きていた。何かの前触れか?
はたまた、我々の未来人の仕業か宇宙人か?
しかし、男性は思った。タイムパラドックスが起きてもおかしくない。これじゃあ未来が変わってしまう。
そのとき、男性はがふと立ち止まり、自らの過去の選択を振り返った。彼は誤った道を選んだことに気づき、未来を変える決断を下した。すると、突如、時が元に戻り、街は元の時間軸に戻った。彼の決断が未来を変えたのだ。その瞬間、街は喜びに包まれ、人々は感謝の意を示した。そして、星が瞬く夜が明け、新たな日が始まった。
そんな不思議な非日常的なことが今でも世界のどこかて繰り広げられていて、我々のこれからの未来を形成しているのだということをこの全世界の1パーセントにも満たない人でさえ気づかない。

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