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「紙に書き出すこと」とその道具

紙に書き出して考えるということ

日々の仕事の中で、やり方や手順、想定されるリスクや戦略立てなど、「考える」ことってたくさんありますよね。
僕は現在の職場は3社目なのですが、これまで見てきた同僚や上司、後輩の中で、「考える」プロセスにおいて紙に書き殴ってアウトプットしようとする人をあまり見かけたことがないなと思いました。
自分の見てきた3社のみで世の中を判断するには解像度が低すぎるかもしれませんが、今の時代はパソコンのメモアプリやOfficeアプリで処理する人が多いのかもしれません。或いは頭の中で全て処理し切っているのか・・・。
そんな中で、僕はA4の紙を横にして、その日のタスクや会議で発言しようとすることのアイデア出し、その他仕事に関することを書き出すようにしています。
今の職場に転職して半年が経過しましたが、未経験業界且つ新興市場なのでルール外の事象が発生した時の対応を考えるときに、パソコンの画面とにらめっこしていてもコトが前に進むことが少ないと感じているからです。
今日は仕事の中で、「考える」プロセスにおいて強い味方となる「書き出すこと」と相棒となる道具「万年筆」について書き留めようと思います。

世の書籍を見ると「書き出すこと」の内容で共通している

メモ術・ノート術や言語化に関する書籍は個人的にも好きでこれまで数多く目を通してきました。それ以外にもメンタルヘルスや頭が良くなる方法のHowto本なんかでも、「書き出すこと」を紹介しているものが数多くあります。

ゼロ秒思考/赤羽雄二
メモ書きによって思考と感情の言語化をトレーニングすることで、どんな人でも確実に頭がよくなり、心も鍛えられるというもの。
瞬時に「言語化できる人」がうまくいく。/荒木俊哉
「言いたいことが、うまく言葉にできない・・・」と悩む人が多い。
そのメソッドとは、「頭に思いついたこと」をA4一枚の「メモ」に次々と書いていくだけの非常にシンプルなトレーニング。

いずれも書くフォーマットやプロセスには違いはあるものの「考えることは書き出すことである」というのは共通している部分です。
僕のやり方として今はポスタルコのスナップパッドというものを使って、A4コピー用紙を横にしてタイトル・日付を入れてひたすら書き出すというやり方をとっています。形式やフォーマットを守ることも必要ですが、まずは実行することが一番大事だと思います。

考える道具としての万年筆

紙に書き出す時に使うペン。大事なのは「実行すること」だと思うことに加えて、「楽しく続けられる仕組みを作ること」も同じくらい大事なことだと思います。それが僕の中では「万年筆を使うこと」になります。
なぜ万年筆か?というと、きっかけは学生時代に東南アジアで一人旅をしていた時に、モレスキンのノートにLAMY サファリの万年筆で旅行記を書き留めていたことをきっかけに万年筆の魅力に漬かることとなりました。
そんなバックグラウンドあってのことかもしれませんが、万年筆が紙に書き出すこと、考えることに向き合う道具として非常に強力な相棒になるということを強く実感しています。
僕が思う、万年筆を考える道具として使うメリットは以下の3つです。

1.そもそも高いので、所有欲と使わなきゃ!というモチベーションが生まれる
2.好きなインク・色を自由に変えられる。
3..ヌラヌラと書き出せるので思考と手が一体化する感覚が生まれる

1.そもそも高いので、所有欲と使わなきゃ!というモチベーションが生まれる
LAMYサファリは3、4千円程で買えるものですが、ペン先が鉄製となっており文房具屋さんでショーケースに並ぶような万年筆は金製となるので1万円を超えるものがザラとなっています。
僕は当時、札幌から東京本社の会社に入ることになり、入社式の前日にペリカンのスーべレーンM400という万年筆を買いました。慣れないことも多くしんどいな・・・と思う日々の中でも、地元から出てきて頑張ろうと思って買った万年筆がどこか心の支えになってくれていたように思います。
それ以来、歳を重ねるごとに手にする万年筆それぞれにストーリーはありますが何かを思考する時の強力な味方になってくれているのは今も変わりません。

2.好きなインク・色を自由に変えられる。
万年筆はインクカートリッジまたはコンバーターというアイテムを使うことで自分の好きな色を差し入れることができます。最近ではフリクションなんかでもブルーブラック等の色が発売されていたりしますが、万年筆に自分がこれいいなと思って買ったインクを差し入れるその所作が、これから紙に書き出すということにワクワク感を与えてくれるものです。
また万年筆はインクのムラが濃淡として出るのでその人の持つ文字に「味」が出るのも面白い特徴だと思います。

3.ヌラヌラと書き出せるので思考と手が一体化する感覚が生まれる
万年筆のペン先には、ボールペンに0.38、0.5、0.7があるように、EF、F、Mといった文字の太さがあります。用途によってその人にとって適正な太さは変わってくるのですが、カリカリ・ヌルヌルといった書き味は万年筆のメーカーやラインナップによって違いはあれど、筆圧をかけずとも「紙にインクが乗る」感覚は自分の考えていることが手にそのまま伝わっていく感覚を味わうことができる、面白い体験になります。
ボールペンのように紙にペン先を押し当てるのではなく、滑らせる。手への負担が少ないので、慣れてくると頭の考えや言葉が手に直接流れる感覚が生まれてきます。少し大袈裟ですが、集中するとそうした体験ができるのが万年筆の大きな魅力だと思います。

日々の仕事や生活の中で、自分の思うことや考えることを書き留める「道具」として、寄り添ってくれる万年筆の魅力を、今後も書き留められたらなと思っています。


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