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就活にモヤモヤする

自分は変なところで気合を入れすぎてしまう節があるので、就活は大学2年の夏ごろから始めていた。

選コミュに合格して、自分の上位互換みたいな人たちを飽きるほど目の当たりにして、OB訪問も毎週こなして、総合商社やコンサルの複数daysインターンにもそれなりの数参加して、

だんだんと
「こう言えばこういう系統の企業の面接には受かるんだろうな」
「自分のこういうところを押し出せば人事にウケるんだろうな」
というのがわかるようになってしまった。
(謙虚さの欠如ゆえに本選考で落とされる就活生の典型例)

就活の成果が出始めているのとは裏腹に、自分の気持ちは徐々に就活からは離れていった。

「自分が一番いいと思う企業に入ることが一番の成功だ」とかみんな言うけど、就活の成功には天井がある。
理系の技術職とかでもない限り、自分も含め就活生は、業界や業種の違いを漠然としか理解していないように思う。

例えば総合商社を志望する人は、グローバルに働くこととか、規模の大きい事業に関わることに興味がある層が多いのだと思うのだけど、総合商社にもコーポレート部門はあって、コーポレート部門に配属されてずっと経理とかをやるくらいなら、エネルギー業界の会社を志望した方がやりたかったことに近いことができたよね、みたいな感じで。
まあ、私も含め就活生のほとんどは会社で働いたことがないから、業界とか会社とか職種の違いがわからないのは当然のことなのかもしれないが。

そんな漠然とした理解で、「自分が一番いいと思う企業」を見つけることってどうやったら可能なんだ?と懐疑的になってしまうのだ。
結局みんな、年収とか知名度とか福利厚生とか、そういうファクターで企業選びをするしかないじゃないか、と。

そういう目に見えるファクターで会社選びをしたら、「みんなが選ぶいい企業」は大抵似通ってくる。
だから「みんなが選ぶいい企業」に入れたら御の字で、成功者で、「みんなが選ぶいい企業」が「自分にとってのいい企業」と等号で結ばれてしまう。

でも、マッキンゼーや三菱商事が、就活生全員にとって「自分にとってのいい企業」になり得るのかは疑うべきだろう。
マッキンゼーや三菱商事の社風が死ぬほど合います、運命的な職場ですって人ももちろん中にはいるだろうし、世間的に名前が知られているわけではないベンチャー企業が死ぬほど合いますって人もいるだろう。
どの企業が「自分にとってのいい企業」なのかは人それぞれ違っていて当たり前なはずなのに、というか選択肢は人の数だけあっていいはずなのに、就活生がみんなこぞって同じような企業にエントリーするのが就活の気持ち悪いところだと思う。

あとこれは人によると思うんだけど、入った企業名で人の価値を測ろうとする人が一定数いるのがだるい。
偏差値が付きまとう大学受験ならまだわかるんだけど、就活には数値化された指標なんてないわけだし。
BCGに入る実力があるけど、社風が合いそうだからEYを選んで入社するって人がいても別にいいじゃんか。
住友商事内定出たけど、アフリカ事業がやりたくて豊田通商を選ぶ人がいても別にいいじゃんか。
誰もが企業名と年収と業界内順位で会社選びをしてると思うな。

↑そしてこんなことを言うと
「負け犬の遠吠え乙」
「結局年収や社格で選んだ方がいいっていう主張がいつか理解できるよ」って反論してくる人もいるだろうけど、人それぞれ選ぶ道は多様でいいっていうことを理解できない人の方が乙、と思ってしまう。

そんなこんなで就活に違和感を抱き続け、就活ガチ勢から降りた私。
大きな企業の歯車になるより手に職つけたいなあ、でもある程度安定した生活も送りたいなあなんて思いながらのんびり過ごしている。
進路は未定。
でもこれが私にとっての選ぶべき道だったのだと思う。


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