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就職活動、軸を持つことのすゝめ

自由であることの苦しみ

”かつては終身雇用制度のもと、「会社の中に個人が入って忠誠を誓い、相互に拘束していた関係」が主体でしたが(中略)今は「社員個人の中に会社という要素を取り込み、同時に会社もしっかりと人財を選ぶ相互選択の関係」へと移行したと考えています。”

引用元:PHP人材開発「社会全体で「エッジソン」の発掘・育成を 〜樫原洋平」

就活の在り方は、この2、30年で大きく変わった。
終身雇用の終焉。ジョブ型採用。正解のない不透明な時代。
大企業で朝から晩まで働くことが正しいと考えられていた時代や、性別によって期待される役割が異なる時代と比べると、私たちは実に自由な時代に生きている。人生の目的もそこに向かう道筋も、全て自分次第。大概のことは自分自身が手綱を握り、コントロールすることができる。

素晴らしい「自由」な時代。しかしその自由さが、時に苦しくなる。
その苦しみは、自分で決めなければならないということ。
無限に広がる選択肢の中から自分が正しいと思うキャリアを一つ、決めなければならない苦しみは、私をはじめとした多くの学生が感じているものである。

出典:ポジウィル株式会社「大学生・社会人ともに抱える「やりたいことが分からない」という悩み 企業に求める軸に関する意識調査」

時代は「正解なんてない。自分で意思決定して自分らしいキャリアを歩め」と言い、時代を創っていく立場にある我々は「やりたいことがない」と嘆く。
その非対称な構造が、私たちを苦しめている。

前を進むきっかけをくれた、「軸」の考え方

私自身も、やりたいことを明確に見つけられなかった就活生の一人だった。やりたいことがないから志望の業界や企業が絞れないという思考に陥って就活が進まなくなったり、「やりたいこと」を具体的に語る友人の様子を見て焦ったりしていた私。
就活真っ只中にリリースされた記事に、ヒントをくれた言葉があった。

自分なりの“観”を持っている人間は、なぜ働くのか、なぜ今の仕事をするのか、といった正解のない問いに対して答えを導くことができる。それゆえ、社会情勢や周囲の声に惑わされることなく、自分らしいキャリアをつくっていける可能性も高くなる。

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オリジナルなものの見方・とらえ方を醸成し、ぶれない軸を持つことが、正解のない時代に、真の意味での安定をもたらすと主張する、村山さんの「観」という言葉。
私はこれを自分にとってより身近な「就活軸」という言葉に言い換えた。

ぶれない軸の育て方として、村山氏は下記のような図を用いて説明する。

(村山氏の図を元に自身が作成)

これまで経験してきたことや、活動を通して感じたことなどを抽象化し、概念化することで「観」、つまりここでの就活軸を見つけられると提唱する村山氏のプロセスに従って、私も言語化してみた。項目と、その一例を示したい。

  1. 【事象・経験】:具体の事例を自分の中に複数持つ
    ・ピョートル氏の著書『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』を読み、最大の効果を出すチームは、管理ではなく会話でつくられるというエピソードに衝撃を受けた
    ・後輩からの相談に対して自分がしたアドバイスをきっかけに後輩が少し変わった姿を見て、嬉しくなった
    ・インターンのファシリテーターをしている際に「鈴木さんが〜という声がけをしてくれて頑張れた」という言葉をもらい、やる気になった

  2. 【抽象化】:これらを抽象化し、原理原則を抜き出す
    ・チーム作りが好き
    ・人を輝かせるのが好き

  3. 【概念化】とらえた原理原則を自分の言葉で定義する
    ・一人一人の長所を活かした組織を作れる、リーダーになりたい

  4. 【具体化】その軸を基準に行動してみる
    ・ゼミのイベントでリーダーになってみる
    ・インターンで積極的にファシリテーターに手を挙げ、フィードバックをもらう機会を作る

1〜4までのプロセスを繰り返すことによって、正解のない時代を生きるための判断軸として機能する、ぶれない良い就活軸が生まれる。

この気づきは、私の就職活動に大きな変化を生んだ。
「やりたいことがない=ダメ」という思考停止状態から抜け出し、
尊敬する人の本を読んで事象の事象の蓄積量を増やしてみたり、自分と向き合う機会を増やし抽象化・概念化の機会を作ったりするなど、
【事象・経験の蓄積→抽象化→概念化→実践→新たな経験をもとに概念をブラッシュアップ】
というサイクルを回したことで、自分の軸に出会うことができた。

「どのようなキャリアを歩みたいかの基準となる、オリジナルなものの考え方」である軸を持つことができれば、「〇〇の領域で起業したい」「途上国の支援がしたい」といった具体的な「やりたいこと」がなくても心配無用。
本選考で問われる「なぜうちなのか?」という問いに対しては、原体験を交えながら自身の判断軸を明確に伝えられるようになるし、さらには内定後に自分のキャリアを決める際にも、その軸は自身の意思決定を助けるコンパスの役割を果たす。(実際、配属面談でも就活の時に言語化した「就活軸」を用いて、自身の希望を伝えた)

そう。「軸」があると、他者には真似できない、自分らしいキャリアを語れるようになり、それが結果的に、自らの歩みたい道を切り拓くことに繋がるのだ。

原体験に基づいたイベントを作ってみました

そしてこの度、自分のこの経験を一人でも多くの就活生にシェアしたいと、あるイベントを作った。
その名も、『次世代Career Forum』

特徴は、まさに上記で挙げた
事象・経験の蓄積→抽象化→概念化 までの流れを、4時間のイベント内で体験できること。そしてイベント事後のコンテンツまで含めれば、
事象・経験の蓄積→抽象化→概念化→実践→新たな経験をもとに概念をブラッシュアップ というサイクルを一周させられることだ。

具体的には、
【事象・経験の蓄積】:パネルディスカッション
→今日のリーダーの「観」、キャリア観や人生観などを「事象」として蓄積。
「もし今、新卒だったら」をテーマに、楽天グループCWOや株式会社cotree代表をはじめとした豪華ゲストによるパネルディスカッションを聞き、このエピソードに感動した、この意思決定の仕方は痺れた、といった「事象」を自分の中に蓄積する。

②【抽象化・概念化】:ディスカッション
→パネルディスカッションにて蓄積した事象を、参加学生によるディスカッションで抽象化、概念化。
登壇ゲストの「観」を聞き蓄積した事象を、「抽象化・概念化」するプロセス。その中に、登壇ゲストの方々も混ざって頂き、ディスカッションを行うことで、通常の就活イベントでは実現し得ない、豪華ゲスト陣との対話を通して直接フィードバックをもらう機会とする。

③【実践・概念をブラッシュアップ】:事後、希望者向けのコーチング/キャリアコンサルティング
→蓄積・抽象化・概念化を経てイベント中に出会った自分の「就活軸」を、具体化させ、実践する。その実践を通して、軸をブラッシュアップさせる。
イベント後、希望者に対して、Spring就活エージェントのキャリアコンサルタント、もしくはmiusigの学生コーチと1対1で自分のキャリアを見つめ設計する場を用意。本イベントで見つけた就活軸に基づいたアクションプランを策定したり、そのアクションの振り返りを行う機会とする。

という三つの構成になっている。

イベント概要

日時 |10月16日(日)  13:30-17:30(13時開場)
場所 |スクランブルホール (東京都渋谷区渋谷二丁目24番12号 渋谷ス
    クランブルスクエア15階 渋谷キューズ内)
対象者|全学生
費用 |無料
服装 |自由
申込み|10月15日(土)正午〆切 
ゲスト|川崎健一郎氏(Adecco Group Japan代表)
    小林正忠氏(楽天グループCWO)
    西岡恵子氏(株式会社cotree 代表取締役)
    勝見仁泰氏(Allesgood 代表取締役)
    小杉山浩太朗氏(Adecco Group Japan Head of SDGs)
人数 |先着100名

上記に書いた私の原体験だけでなく、
就活を終えた4年生、そして今まさに就活中の3年生のmiusigメンバーが額を突き合わせて議論し、「去年こんなのがあったらよかった」「こういうのが今なくて困ってる」というものを拾い集め凝縮し、今回のイベントが生まれた。

一人でも多くの学生に、軸を持って就活することの意義を届けたい。
キャリアに悩む全ての学生の参加をお待ちしています。途中参加/退出も可能です。
限定100名、残り30枠🔥

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