契約中顧客の第一想起を狙うためのカスタマーマーケティング
こんにちは。エンジニア・デザイナー向け採用プラットフォーム「Offers(オファーズ)」カスタマーサクセスチームの池田です。
こちらは、cmkt Advent Calendar2020の23日目の記事です。
この記事はなにか
Offersでカスタマーサクセスを実践するなかで、採用サービス独自の課題に直面したところからはじめた、カスタマーマーケティングへの取り組みについて、2020年の振り返りを兼ねてご紹介します。
ここでは。「カスタマーマーケティングは、カスタマーサクセスをスケールさせる考え方」という前提でお話しています!
一般的なSaaSと比較した、採用サービスの特徴
私はoverflowへジョインするまでは、勤怠SaaSや動画配信SaaSなど、「アナログ作業を効率化する」系のtoB SaaSに長く携わっていました。
HR領域の中で「ダイレクトリクルーティング」系に該当するOffersでお客様のご支援に携わりはじめてから、採用サービスには一般的なSaaSと違う以下の特徴があることに気づきました。
※この場合のお客様は、「企業(クライアント)」を指しています。
① 契約中顧客は複数の採用サービスを併用している
お客様は複数の採用サービス(ダイレクトリクルーティングサービス、媒体系、エージェント等)を並行契約し、そのときの採用ニーズにもっとも合致したサービスをアクティブに運用している
(一般的なSaaSは、スイッチング目的以外で同一目的のサービスを継続的に並行利用するケースは少ない)
→ 「契約中」「採用ニーズがある」という利用の前提条件が揃っていても、アクティブ状態になるとは限らない
② 採用成功の有無に関わらずチャーンしやすい
お客様はOffersを使ってサクセス(採用成功)している場合でも、採用ニーズが充足するとOffersの利用を停止する
(業務効率化SaaSは、採用のように断続的にニーズが発生したり停止しない)
→ 契約満了のタイミングで採用充足していると、たとえOffersで採用成功実績があってもチャーンする
※ 逆に言うと、一度チャーンしても採用再開すればすぐに復活できる可能性もある
では何をすべきなのか
Offersを利用していない/利用停止中のお客様をアクティベーションするには、以下の段階を踏んでいただくことが必要になります。
1. お客様に採用ニーズが発生する(している)
2. 採用リソースを捻出する
3. 採用媒体を探す
→ ここでOffersが第一想起を取る!!!
4. 契約中ならOffersにログインし、スカウトを打つ
(契約終了済なら、問い合わせ等)
このために、以下の行動を行なうことにしました。
・Offersを第一に想起してもらうための情報提供を行なう
(エンジニア・デザイナー採用といえば「Offers」という状態をつくる)
・お客様の採用ニーズを把握する
(今Offersで採用ご支援できるのか or できないのか)
・採用ニーズのあるお客様に、利用プランに合わせたご支援を行なう
最初は自社メディアのOffers Magazine( https://offers.jp/media )の導入・成功事例を個社ごとのサポート用のSlackで共有しつつ、採用ニーズの確認を行なっていました。
しかし、導入社数が100社を突破した頃から、CSリソースや施策の優先順位を考慮すると、このままスケールさせることが難しくなり、カスタマーマーケティング視点でのアプローチが必要になりました。
(Offers Magazineのインタビューカテゴリに掲載している記事の一部)
そこで、まずは第一想起を取ることから始めるため、以下に着手しました。
作戦①メルマガを使った成功事例記事の定期シェア
詳細な説明は不要ですね。今までオウンドメディアの記事を定期配信していなかったこともあり、まずはこちらから着手しました。
親しみやすく、目をひく文章・構成を作成することに長けたメンバーがいたたため、記事が公開される都度配信をお願いしていました。
【結果】
一定の開封率をキープしており、「Offers」というサービス自体の認知には寄与している
【今後の課題】
・開封率に対するクリック率が低い
・メルマガから直でアクティベーションに寄与できたかの計測が難しい
(再オンボーディング予約用のリンクを設置したが、そこからの予約は発生しなかった。個社Slackでの問い合わせにつながった可能性はあり)
・記事制作ペースが下がったことにより現在は不定期配信になってしまっている……(反省)
作戦②ユーザーコミュニティを開設し、そちらでイベント・記事等の発信を行なう
当初オフラインでの開設も計画しましたが、社会情勢を鑑み2020年8月にオンライン(Slackベース)でOffers Communityを開設しました。
開設目的のひとつに「認知確保」を掲げ、そのために以下の施策を行ないました。
・エンジニア・デザイナー採用に役立つオンラインイベントの開催
(10月・12月実施)
・採用成功事例の定期シェア(メルマガ同様)
・エンジニア・デザイナー採用、採用広報、組織にまつわる記事をピックアップし業界情報として定期シェア(1日1〜2記事)
【結果】
・コミュニティ経由でのCS宛の採用相談が複数発生し、アクティベートに直接寄与した
・従来の個社採用事例インタビューとは違う切り口の、複数企業をパネラーとしたイベントを開催した
・イベントレポートをコンテンツ化しストックできた
・(間接的ですが)コミュニティを通してOffers CSそのものの活動に対しての質問を受けることも増えた
【今後の課題】
・Slackのアクティブ率、イベント参加率の向上(オンライン開設の一番の課題ですね)
・全体最適なイベントテーマから、参加者属性に合わせたテーマへの移行
・採用・組織テーマだけでなくOffersのファン化を目的としたコミュニティ設計の必要性(ファンであれば認知は下がりにくいため)
これからやるべきこと
サービス自体もリリース1年半という段階で、まだまだハイタッチ支援がほとんどのOffers CSチームで、まだまだやりきれていない部分が多く、今後はこういったアプローチを行なっていきたいと思っています。
① 個社の採用成功事例以外のコンテンツの提供
エンジニア・デザイナー採用では「Offersを使おう!」という意思決定につながる、以下の切り口のコンテンツの作成を計画しています。
例)
・Offersの候補者DBの最新情報(質・量)を伝えるコンテンツ
・エンジニア/デザイナー採用、組織づくりに役立てるOffersの実績値や傾向を伝えるコンテンツ
・複業(副業・フリーランス)人材活用の実践につながる事例コンテンツ
② 顧客の規模・課題感にマッチしたコンテンツの出し分け
お客様に「これは今すぐ読んでみよう!」と思ってもらえるコンテンツがまだまだ少ないのが現状で、その辺がメルマガのクリック率にも現れていると思っています。
それぞれのお客様の規模・課題感に合わせて深く掘り下げるコンテンツを作成し、マッチする方に確実に届けていくことが必要になります。
ちょうど私も「カスタマーマーケの罠」にはまってしまっていたことに気づき、猛省中です。
① 汎用化の罠:スケールさせたいので、多くの人に伝わるよう、言葉やユースケースを丸めてしまう。
② 自社で頑張る罠:スケールさせたいので、多くの人に届くよう、自社でコントロールできるマーケティング手法ばかり使ってしまう。
2021年は脱汎用化&事例デリバリー方法についてゼロベースで検討しなおします_φ(・_・(年末考えよっかな……)
来年はさらにスケールしていけるようにがんばります💪
最後に宣伝ですが……カスタマーサクセスのスケールには採用も欠かせないので、お力を貸していただける方も全力で探しています!!!
🙆 overflowは絶賛積極採用中です 🙆
\まずは副業からでもOK/
(CSチームの取り組みについて紹介してます)
Wantedly経由でも、私のTwitter経由でも結構ですので、ぜひご連絡お待ちしてます🙌