2022年1月の記録/始業式に生徒から力をもらった話
2022年になってはや1ヶ月。
あっという間に1月が終わろうとしています。
この時期になると、
「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」
と、よくおじいちゃんが言っていたのを思い出します。
せっかくNoteを始めたので、これから毎月の記録としてその月にあった印象的な出来事を備忘録的に綴っていこうと思います。
正月休みが開けて、私の働くオルタナティブスクールは福岡県内のほとんどの学校と同じ1月7日から3学期がスタートしました。
始業式の日、ある生徒の保護者の方から「今日は中学校の始業式に参加するのでお休みします。」との連絡が。
実はその生徒、入学してから一度も学校に行ったことがなく、制服を見るだけでも泣いてしまうほど学校に行くことへ辛さを抱えていました。
2学期の間は、コロナ禍ということもありオンラインで中学校の授業に参加していましたが学校の教室には一度も入ったことがありません。
そんな生徒が、自ら学校の始業式に行くと言ったことが驚きでした。
午前中の始業式が終わって生徒が帰った後、その生徒が通う中学校から連絡が来ました。いつもはメールでやりとりをすることがほとんどですが、その日は珍しく電話で。
電話口の担任の先生はとても喜んだ様子で、
「今日、〇〇さん学校に登校して始業式に参加することができました。
最初は教室に上がるまで泣いていたので、無理しなくていいよと話していたんですが、自分で教室に入ってみると言って教室で朝の会の時間を過ごすことができました。」
と報告してくれました。
彼女にとって、制服に袖を通すこと、学校のカバンを持って通学すること、学校の門をくぐって教室に入ること、その全てが簡単なことではありません。
でも、覚悟を決めて挑戦したその姿を思うと胸がいっぱいになりました。
いつも家庭訪問でしか生徒と会えていない先生にとっても、学校に生徒自ら赴いてくれたことは嬉しかったことと思います。
私がこのエピソードを通して伝えたいのは「ずっといけなかった学校に行ったことが偉い」というわけではなく、「子どもたちは、見えない場所でも自分の気持ちと向き合って自分と戦っている」ということです。
この日学校に行くという決断をするまでに何度も何度も自分の気持ちと向き合ったことと思います。誰かに言われるでもなく、この始業式の日に自分自身で一歩踏み出そうと決めたその生徒の勇気を讃えたいと思いました。
そして、これからあっというまに過ぎて行くであろう3学期、1日1日を大切に子どもたちと向き合いながら過ごしていこうと改めて感じさせてくれました。
そんなこんなで、3学期がスタートしてからはや2週間が経った頃、コロナウイルス第六波の感染拡大が広がりオンラインでの活動が余儀なくされました。
オンライン授業が与える子どもたちへの負荷は想像以上です。
子どもたちの気持ちに寄り添いながら2月も頑張っていこうと思います。
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