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賢い闘病生活 #5 抗がん剤の副作用Part2

今回は、抗がん剤治療(A+AVD療法)の副作用 Part2 です。

私は、2022年6月〜12月までの半年間6クール(2週間に1回の治療×12)の抗がん剤治療を行いました。

以下は、抗がん剤治療後半戦(4クール目から6クール目まで)の副作用の経過をまとめています。 ※前半戦(1クール目から3クール目まで)の副作用についてはこちらから。



副作用は回数を追うごとに変わりますし、個人差があります。
副作用への対応法も書いているので、もし身近に抗がん剤治療をしている方がいれば参考にしてもらえたらと思います。

4クール目

4クール目 副作用カレンダー

予期的悪心・嘔吐

抗がん剤の主な副作用として、吐き気があります。
A+AVD療法の吐き気は、抗がん剤治療の中でもトップクラスとのことで吐き気止めの点滴や飲み薬を併用しながら治療を行いました。

2クール目までは吐き気止めのおかげで症状は抑えられていましたが、3クール目に入る頃には薬の名前を思い出したり病院に行ったりするだけでも気分が悪くなってしまうようになりました。(予期性悪心・嘔吐)

その後、4クール目から6クール目までも悪心は収まることなくケモ室に行くたびに吐いていました。

少しでも私の吐き気が軽くなるよう一番端のベットを確保してくれたり、薬剤が見えないように配慮してくれた看護師さんには感謝です。

5クール目

5クール目 副作用カレンダー

骨髄抑制との戦い

骨髄抑制とは;
がん治療の副作用やがんそのものによって骨髄の働きが低下している状態をいいます。薬物療法で使われる一部の薬や放射線治療により、骨髄が影響を受けると、血液細胞をつくる機能が低下します。血液細胞のうち、白血球が減少すると感染症赤血球が減少すると貧血、血小板が減少すると出血などが起こりやすくなります。
国立がん研究センター

白血球の減少

抗がん剤治療を行うと、骨髄抑制により白血球の量が少なくなってしまいます。
白血球の量が減ると免疫力が低下してしまうため、約1週間後を目処に注射を打って白血球量の増加を図ります。

この注射には2つ種類があり、1つ目は通常レベルに白血球の量を戻す注射(グラン)、2つ目はとてつもない量に白血球が増える注射(ジーラスタ)です。

もともと白血球の基準値は、4000~9000個程度ですが、抗がん剤治療を行うと1000個以下にまで下がってしまいます。
注射を打つことで、白血球の数を増やせますが量の調整をするのが難しいのです。
2クール目はジーラスタを打ちましたが、あまりに強力で副作用が強いため
4クール目まではミニタイプの注射を1週間に2回打っていました。
しかし、4クール目にはあまり白血球の量が上がらず1000個程度にとどまりました。

そのため、5クール目は再び強めの白血球の注射を打ちましたが、骨髄が働きすぎた結果、激しい全身痛と40℃を超える高熱に見舞われました。

その後はジーラスタを使うことなく、グランの注射を2回打つ形に戻しどうにか6クール終えることができました。

ジーラスタの副作用もなかなかきついため、もし合わないという方がいればグランを複数回うつ形をおすすめします。

外来治療の場合、抗がん剤を打ってから副作用が落ち着いたタイミング(ひどい時はフラフラの状態で)注射のために通院していましたが、なんと最近通院しなくても抗がん剤治療後自動で注射してくれるアイテムが出たそうです!

医療って知らないところでどんどん進化してるんだな〜と感動しました!

貧血

5クール目に入ってからは貧血の症状が目立つようになってきました。
抗がん剤を使うと、血液を作る機能が壊れてしまうためヘモグロビン量も治療を重ねるごとに減少していきます。
ヘモグロビン量は、4クール目は7.9Lあったものが、5クール目には5.6Lまで下がってしまいました

ヘモグロビン量とは;
血液中のヘモグロビンの量を示しています。へモグロビンは赤血球に含まれ、酸素を全身に運ぶ重要な役目を果たしており、減少すると「貧血」を起こします。
ヘモグロビンの値が、男性は13g/dl以下、女性は11g/dl以下になると、「貧血」と診断されます。
男女とも10g/dl以下になると、めまいや息切れなどの症状が現れ、「中等症から重症の貧血」と診断されます。
仙台産業医科診療所Webサイト

病院内でも少し歩いただけで息が上がるようになり、この頃から散歩にもあまり行けなくなりました。
主治医の先生からも「僕なら立ってられないよ〜」と言われるレベル。

ヘモグロビンの数値が6Lを切ると輸血が必要とのことで、治療前に輸血をすることになりました。

輸血デビュー

主治医の先生からは、若い人にはできるだけ輸血を勧めたくないものの、このままでは臓器に血液が行き渡らなくなるとのことでギリギリまで粘って輸血の判断が出されました

昔はB型肝炎などの影響もあり、輸血は危険とされていましたが、今は献血の段階で検査があるので感染症にかかる心配はほとんどないとのことでした。

輸血の際は、血液検査をして1時間半ほど処置室のベットで点滴をして終わりです。
、、、が、化学療法のおかげでどうやら「点滴」という行為がトラウマになってしまったようで、輸血の際も終わった後に嘔吐をしてしまいました。

5クール目と6クール目に2回輸血をしましたが、そのおかげでその後は立ちくらみも改善され調子良く過ごすことができました

6クール目

6クール目 副作用カレンダー

口内炎との戦い

6クールの治療を終えて、一番最後にやってきた副作用が口内炎です。
治療が終わって「やっと美味しいものを心置きなく食べられる!」と喜んでいた矢先、口の中に大きな口内炎が3つもできてしまいました。

治療中も度々口内炎ができたり、横向きに生えた親知らずが痛むことがありそのせいで食事を十分に摂れないこともありました。

体力回復のために食事は本当に大切です。
しばらく食事ができず苦労しましたが、口内炎をカバーしてくれる薬を貼付したおかげで、しっかり食事をとることができるようになりました。

12回の治療を終えて

がんを確実に治療するには決まったスケジュール通りに治療を行うことが何よりも大切です。
一時は悪心が酷すぎて、投与をやめたくなったり、ケモ室に入ることさえ拒否したくなったこともありました。

しかし、どんなにきつい時も付き添ってくれる家族や対処法を考えてくれるお医者さん、沢山励ましてくれる看護師さん達のおかげでなんとかスケジュール通りに6クール(12回の抗がん剤治療)を終えることができました。

ラストケモから3週間後の検査では、まだ貧血気味ではあるものの白血球の値や赤血球の値も回復してきていました。

免疫は落ちているのでコロナなどの感染症にはまだまだ気をつけなければいけませんが、ようやく副作用も落ち着いて普通の日常生活を送ることができています。

ラストケモから、約2ヶ月後にPET-CTの検査で治療の効果を確認します。
もう2度と抗がん剤治療はしたくないので、このまま再発なく社会復帰できるよう祈るばかりです。

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