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4th Door 『支援』でできること。

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 あなたは見聞きしたことがあるでしょうか?

 『アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)』『臨床行動分析』『第3世代認知行動療法』などの言葉を。

 これらは1980年代から体系化され、発展してきた心理療法の呼称や総称で、最近はマインドフルネスなどのワードとともに目にすることも増えてきました。

 私たちは支援者ですから、当然『治療』という行為を行う権限も技術も持ち合わせてはいません。

 しかしこれら心理療法の理論のなかには、『支援』から見てもとても大切で有用なエッセンスが数多く含まれています。

 例えば言語を、そして言語がなくては成り立たない思考や想像や記憶を『行動』のひとつとして扱う考え方や、自らの感情、思考、注意、身体感覚、自我などの『動かし方』や『扱い方』などは、今後このコラムでご紹介するノウハウやメソッドでも多く活用されています。

 それではここからは上記の理論群と、そして私自身が教示されてきたことを組み合わせて、あなたの明日の実務に活かせる内容を展開していきたいと思います。

 まずはコンセプトから。

 ACTなどではその理論のなかで6つのコア・コンセプトを提案(ご関心ある方は成書にあたられてみてください。)していて、それ自体はとても素晴らしいものだとは思うのですが、それらを表す文言に馴染みがなかったり、そのせいか概念が把握しづらかったりもしますので、私は下に記載したような8つのコンセプトを念頭に置くようにしています。

1.『思考』と『現実』を分けて捉えられること。


2.『記憶』『感情』『思考』『身体感覚』『資質』を容認・肯定できること。


3.『記憶』『感情』『思考』『身体感覚』『資質』に接近・接触できること。


4.『現在(実環境)』に対して注意を向け、観察できること。


5.観察する『自己』と、客体化できる『自己』があること。


6.『注意』を向ける対象を移動、拡大させられること。


7.『実感』『意義』『長期的価値』を伴った目標を設定できること。


8.目標に照らして連続性と一貫性のある『実践』が継続できること。

 …まだ意味が掴みにくいですね。

 さらに厄介なことに、上に記載した8つのコンセプトは“絶対的に望ましい状態”として提示しているわけではないのです。

 これらと対になる状態があって、しかしだからといっていずれかが害悪なのではなく、一方に偏っていたりどちらかが過剰であったりすることが様々な弊害を生みやすくするという考え方です。

 しかしあくまでも傾向としてですがヒトは、特に現代のヒトは上に述べたような状態となることが困難であったり、結果的に軽視していたりします。

 次回以降は8つのコンセプト + 対のコンセプト = 16コンセプトについて、1セットづつ話を進めていきます。

 ※なお大変恐縮ですが、本コラムでのあなたとの歩みをより良いものにするため、10th Doorより少々の路銀を頂戴いたします。
 ご理解のほどよろしくお願いいたします。

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