Lilli1ou

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最近の記事

共同体の終わりなんて、ありふれてる。そして、世界の終わりと言うほどのものでもない。

マスクのXが抱える問題はシンプル「アプリに革新性がない」 | Forbes 2023-12-13 私は正直「革新性」や「イノベーション」は、SNS、というかウェブ上の共同体に必須の条件でないと思っている。 2ch(現5ch)のような終焉、つまり多様性を失い「若さ」を失った共同体というのはそのうち、運営が採算度外視で維持することだけに精一杯になり、倫理観を失い、動きが鈍くなり、放置するしかなくなり、コスト的ににっちもさっちも立ち行かなくなれば、消滅する。 世界は荒れ地に戻り、

    • 伊藤ヒョー『坂道』

      そういえば、ニュースやドキュメンタリー以外のテレビ番組をいっさい見なくなった。 音楽以外の動画、たとえばYouTuberの動画なんかも、さらにTikTokすらも、自分からは見ない。途中で耐えられなくなって視聴をやめてしまう。数秒で済むならいいんだけど。 以前は、仕事で仕方なくドラマを延々と見ないといけなくなることがあって、それが苦痛で、その種の仕事はとらなくなってしまった。アニメならまだ大丈夫なのに。生身の人間の、大仰で寒々しいテレビ向けな演技と表情が、私にはすっかり合わな

      • イタロ・カルヴィーノ、米川良夫・訳『見えない都市』

        ずいぶんむかしに読んだ本を再読。 高校生のときかな。モグが図書室から借りて読んでいたのを、彼女が読み終えると同時に私が借りて読んだんだ。柳瀬尚紀さんが巻末の解説で「確かブルーを基調としたデザインで、地球か気球のような球体と、確か刳り抜かれた円形の穴…」と書かれていた、その本だ。 私が手にとったときはすでに相当古びていた。モグによると、書架の下のほうにあって、本の天にはうっすら埃が積もっていたらしい。高校図書室の配架でのイタリア文学の扱いなんて、たぶんどこでもそんなものだっ

        • アントゥリオ・エチェヴァリア、前田祐司・訳『軍事戦略入門』

          創元社「シリーズ 戦争学入門」の一書。 たしかに入門書らしく「軍事戦略」の要諦をきわめて簡潔に(訳者曰く「荒技」というほどの圧縮率で)語り切っている。戦争学上の諸概念、実際の実践、その具体例など、学ぶべきポイントを的確におさえてくれるので、この本から独習を深めていくことも容易なはず。 ただ、これも訳者が指摘していることだけれども、ここまで圧縮した結果として、論理の組み上げ方を通して逆に筆者の戦争観や戦略観がはっきりと浮かび上がってくるわけで、たとえば(「サイバー戦闘」は現

        共同体の終わりなんて、ありふれてる。そして、世界の終わりと言うほどのものでもない。

          Riuichi Sakamoto & Robin Scott - The Arrangement

          Riuichi Sakamoto & Robin Scott - The Arrangement Alfa, 12", 1982 モグが好きだった曲。 よく飽きないなってくらいセットに使ってた曲。 Riuichi Sakamoto & Robin Scott - The Left Bank

          Riuichi Sakamoto & Robin Scott - The Arrangement

          福永武彦・編『室生犀星詩集』

          室生犀星の詩をしっかりまとめて読んだのははじめてかもしれない。 健全潔癖な、生まれたての無垢な自然主義的ヒューマニズムが苦手な私には、室生犀星はきっととっつきにくい文学者だなんて、そんな先入観があったから。それは半分は当たっていて半分は間違っていた。 解説で編者の福永武彦が書いているように、犀星は武者小路実篤みたいな「楽天的自然主義」とはあきらかに距離を置いている。ひねた自虐表現のような、まっすぐ実直ながらやはりペーソスと言わざるを得ないような、そんな苦みが彼の詩にはあって

          福永武彦・編『室生犀星詩集』