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アニメや漫画が日本語じゃなかったら

こんにちは、日本のサブカルチャーを愛する日系カナダ人です。

この度私の好きな刀剣乱舞というオンライン・アプリゲームの英語版が出ると聞き、日本の歴史や偉人に深く関わる刀剣たちの物語をどうやって英語にするのだろうか、名前が覚えにくそう、とか考えていました。

余談ですが、刀剣乱舞はUfotableが作成した刀剣乱舞活劇(暗くて重い)と動画工房が作成した刀剣乱舞花丸(明るい日常編)の2種類のアニメ、そして舞台(10作目が公開中)、ミュージカル(毎年開催される劇中の楽曲を歌う音楽祭と再演を入れたらもうわからない、15作品くらい?)、舞台と同じキャストで撮影された劇場版があり、世界中で人気があります。私はどれも好きで何回も観ているのですが、それぞれ違う魅力があり、自分のゲーム内の本丸とは違う他の本丸で起こった物語として楽しんでいます。

しかし、刀剣乱舞英語版!と聞いても、プレイしたいな、とは思わなかったのです。日本語版の配信直後からもう6年もやっていてストーリーがわかっているからとはいえ、大好きな刀剣男士たちが自分の母国語の英語で話したらどういう喋り方になるのか、全く気にならなかった自分にハッとしました。

私はオタクであることを地元の友達には話していません。今でこそジャパニメーションは人気ですが私が小学校高学年になって初めてセーラームーンアメリカ版がテレビで放送された時は、ああいうのは子供が観るもの、という風潮があり、大人になって初めてできたアニメや漫画を語れる相手が日本人だったためか、英語でオタクを語るのはどうにも難しいというか、言葉に詰まってしまうのです。

もちろん英語圏の人にもアニメ好きのファンベースはたくさんいますし、コスプレや同人をやっている知り合いもいます。だけど、向こうは英語で読んでいるしなあ、と思うと、どこから話したらいいのかわからず・・・オタクを隠しているわけではなく、どうにも話が盛り上がらないのです。ベースとしてどのくらい日本に対する知識(文化や教育の違いなど)を知っているのかわからないし。

翻訳なんて仕事を始めてからは原文が気になってしまい、日本語であれ英語であれ、吹き替えや字幕のある映画は集中できず観れなくなってしまいました。わからない言葉だったらいいんですけどね・・・なんかわざとらしく感じてしまって。

そう思うと不思議なもので、じゃあ親が日本からの移民じゃなかったら私はもしかしたらオタクにならなかったのではないか?とふと考えました。

オタクになったから日本語をもっと勉強したのはあるけど、日本語がわかるから手を出しやすいと感じ、結果オタクになったのか?

もしこのオタク文化がそのまま言語だけ変えて他の国のものだったらオタクになっていただろうか?

日本のオタク文化の根本には鎖国で独自の文化が根づいたという背景や長い歴史の中で培ってきた日本独特の風潮や国民性の影響も多々あり、他の国だったらこのような文化は誕生しなかった、と言えばそうなんでしょうけど・・・あと手塚治虫先生が日本で生まれた事も大きかったですよね。私は火の鳥が特に大好きです。

三つ子の魂百までという言葉の通り私はおばあちゃんになってもコミケに行きアニメイトで漫画を買い漁り深夜アニメを夜な夜な観て、「最新刊読んだ?最高〜」と言っていたいなあ、と思うので、完璧な「日本人」にはなれなくても、やっぱり日本語が理解できてよかったなあ、日本人の感性が(少し)理解できてよかったなあ、アニメと漫画が日本語でよかったなあ、と思うのです。



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