見出し画像

【エッセイ】散歩

不満を漏らす体を引きずり、代わりにイヤホンから音楽を流し込む。そして、ネタとなる写真を撮りながらだらだらと歩いていく。

目的は、古本屋。立ち並ぶ本にワクワクする心は止められない。昔は漫画にまっしぐらだったが、今は見向きもしない。
目的は哲学。小さいブースだが、目を引くタイトルは多い。気になった本をパラ見して、カゴにテンポよく入れる。それでも、いい加減滞在していた。ついでに他のジャンルにも目を向け、カゴに入れる。帰りの荷物が重そうだ。

帰りがけに喫茶店に寄る。おすすめのコーヒーを選択。外は暖かいが、ホットにした。これで心も温まるだろうか。

近くの公園で一休みしながらコーヒーを啜る。
外空気を吸い、陽光を浴びる。休まるひと時である。

続きの帰り道、道端に咲く花。ハナニラだろうか。この子達の花言葉は、後ろ向きな言葉が多い。つけられた方はたまらない。
でも一つ、「耐える愛」という言葉がある。この子を見て耐えられるなら、悪くない。まあ、言葉など関係なく、美しいと感じるこの気持ちは否定できまい。

家に着く頃には、スマホの中にいくつもの写真が溜まっていた。途中でメモした気持ちやフレーズを使うのが楽しみだ。

中々に、素敵な趣味だと自画自賛できる。
ただし、体が疲れ切ったのは言うまでもない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?