もうすぐ育休が終わる。毎年待ち望んでいた春さえもゆっくりと訪れることを願ったこの冬。

保育園も無事に決まり、来月には入園。
おととしの夏から取得していた長い長い産休・育休の終わりがついに見えてきた。

突然だが、私の一番好きな季節は春だ。
寒くて暗い冬が明けて、花が咲き誇る春。
新しい年度のはじまり。希望。過ごしやすい気候。最高。

次点は夏。
(本当は夏が一番好きだったのだが、最近の夏は暑すぎて生命の危機すら感じるので次点に。)
冬のようにかさばるコートは着る必要もなく、軽装で出掛けることができる。
日が長くて、1日を長く使えるようなお得感。
みんなが少し開放的になって、羽目を外したくなるようなそんな季節。

対して一番嫌いな季節は冬。
寒い。風邪を引く。朝も暗いから起きられないし、すぐに夜になる。
ちょっとコンビニに行きたいだけなのにコートと手袋は必須だし、
日照時間が少ないからか気分が憂鬱になる。

毎年、大好きな春がやってくるまでの「つなぎ」として
過ぎることをただじっと待っていた冬。

好きな季節は春と夏で、嫌いな季節は冬。
秋は私にとって可でも不可でもなく、それでも嫌いな冬を連れてくるちょっと距離を取りたい存在。


去年の秋、娘がようやく歩けるようになって毎日公園で落ち葉拾いをしていた。

娘は秋生まれだ。
夏が終わって水通しした長袖の秋物の洋服を娘に着せた時、
「ああ、秋生まれだからやっぱり秋が似合うんだなぁ」と思った。

公園でしゃがんでひたすら落ち葉を拾う娘。
落ち葉の上を歩くザクザクという音。
落ち葉を無心にちぎっている時のもちもちのほっぺ。
見上げた空から落ち葉がとめどなく降ってくる。

ああ、秋って素敵だなぁ。

どうでもよかった季節の「秋」が、大好きな季節に変わる。
子どもの存在って偉大だ。

その後やってきた冬。
子供は風の子元気の子。寒いからと言って、家に籠らせてはくれない。
私は裏起毛のトレーナーと裏起毛のレギンスパンツを買って、
上からダウンを羽織って毎日娘と公園へ出かけた。

好きじゃないと思っていた冬も、
高度が低くてまぶしく差し込む太陽の光、
雲一つない青空、
寒さやら乾燥やらで漫画のように赤くなる娘のほっぺた。

なんだ、冬も捨てたもんじゃないじゃないか。

今日はどの公園に行こうか。
あの公園に行った後、家の前の公園にも寄ろうか。
マンションの駐車場に行ったらねこちゃんがいるかもね。
帰りにりんごジュースを買おうか。

そうやって過ごしているうちに冬は過ぎていく。
そうやって大好きな春がやってくる。
その時には育休が終わり、365日24時間一緒にいた私と娘はそれぞれの道を歩みだす。

平日の朝にいつまでも起きずにベットで2人でごろごろできるのも、
静かな午前中の公園で遊べるのも、
ワイドショーを見ながらふたりでランチを取るのも、
昼寝しすぎて起きたら夕方になっちゃったりするのも、
あと少しかぁ。

2週間後、娘を保育園に預けた帰りに私は何を思うのだろう。
寂しくて涙するのだろうか。
娘は何を思うのだろう。

育休が終わるカウントダウン。
毎年待ち望んでいた春さえもゆっくりと訪れることを願って、
大嫌いな冬でさえもじっくりと堪能していた今年。

それでも春は大好きだ。

春は新たな門出の季節。
私は社会人に、娘は保育園児に。

母と娘の物語第一章「育休編」はもうすぐ終了だ。
第二章に乞う、ご期待。


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