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砂の城

何年もかけて積み上げた
形に残らないもの
後ろを振り返る足跡

この手からこぼれ落ちた
私の砕けた身体が
風さらわれてゆく

また帰ってきた
懐かしい地平まで
温もりの残像は偽りか
その輪郭を撫でれば
目の前で砂と化して崩れ去る

粉塵の舞う部屋
わずかな光を掴み取る
勝利の日は近い


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