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会社の「顔」でありメンバーの「作品」。自社のブランディングムービーがもたらした機会と成長


社内での勉強会を発端に制作がスタートしたLIGHT THE WAYのブランディングムービーは、LIGHT THE WAYが掲げるコーポレートスローガン「クリエイティブで向かうべき道を切り開く」を視覚的に表現する作品となりました。プロジェクトに関わったメンバーはこのプロジェクトにどう向き合い、どのようなチャレンジをして、どんな成長を遂げたのでしょうか。メインディレクターを務めた白木悠輔、ディレクターの森重宏紀、入社直後に本プロジェクトに参加したディレクターの水野有彩が振り返ります。

LIGHT THE WAY Brand Movie - 全篇映像
https://vimeo.com/875825150
LIGHT THE WAY Brand Movie - 制作過程
https://www.behance.net/gallery/201324257/LIGHT-THE-WAY-Brand-Movie

クライアントでもある代表からの「わくわくする無茶振り」

代表の西澤さんが「ブランディングムービーを作ろう」と決めたとき、どう感じましたか?

白木:また無理難題を言い始めたな…と思ったのが正直なところです(笑)でも、面白そうなことがはじまりそうだという予感も同時にありましたね。

森重:1本の映像を自社のメンバーだけで完全に作り上げるというのは、どう考えても大変なプロジェクトになるだろうなと感じました。しかし、これまで社内勉強会で学んだスキルを試せる場でもあり、それを作品として発表できるという点にはわくわくしましたね。ただチュートリアルをこなしてスキルアップを目指すよりも、プロジェクトのゴールに向かって実践的に手を動かす方がスキルの習得として効率的なのは間違いありません。何より、モチベーションが上がったことも確かです。

水野:私は2023年4月に入社したので、プロジェクトがある程度進んでいるタイミングで参加することになりました。不安もありましたが、同時にわくわくした気持ちもありました。ただ、「このデザイン、ちょっとお任せするね」と言われて関わり始めたのですが、実際には全然「ちょっと」ではなかったですね(笑)。

作画の作業風景

どんな役割分担で進めていたんでしょうか?

白木:私はプロジェクトをリードするメインディレクターを担当しました。企画やシナリオからアニメーション、MA編集までの全工程を一人でメインディレクションするのは初めての経験でした。普段はAfter Effectsでの2D作業が多いのですが、今回はCinema 4Dを使った3DCG表現にも挑戦しました。技術的に多くのチャレンジがありましたね。

ディレクターとしてどんなことを意識していたのでしょう。

白木:LIGHT THE WAYに入社して2年が経ち、自社の思想やカルチャーは理解していました。それを咀嚼して言語化し、このプロジェクトのクライアント的立場である代表の西澤にどうプレゼンするかが重要なポイントでした。

「様々なクリエイティブを駆使して、クライアントと共に進むべき道を切り開く」というLIGHT THE WAYの思想をコンセプトに置き、それをいかにエモーショナルに表現できるかが課題でした。一つ一つ丁寧に要素を分解しながら、壁打ちをしつつ進めていきました。

Director / Designer 白木悠輔

森重:私は3DCGの制作を進める一方で、メインディレクターである白木のサポートも担当していました。プロジェクトのコンセプトを社内外に訴求するだけでなく、私たちのスキルセットをアピールするために、リッチな映像表現に積極的にチャレンジすることが初期から決まっていました。そのため、意図的に様々な手法を取り入れました。具体的には、2D、3D、手書きのイラストを一本の動画に統合するというもので、これは普段の制作よりも表現の幅が広がる一方、破綻なくまとめるためにはどうすれば良いのかと頭を悩ませました。

3DCGというと、ボールが転がっていくシーンでしょうか。

ボールが転がる3DCGシーン

森重:そうですね。全く新しい表現の習得に挑戦しながら、全編3DCGの制作を進める経験が少なかったため、どれくらいの工数がかかるか、どんなアウトプットができるかは未知数でした。そのため、スタディにかかる時間も考慮し、スケジュールを見積もりました。

社内で定期的に行っていたスキルアップ勉強会で身につけた知識を基に、8割ほどはスムーズに進められましたが、最終的なアウトプットとしてクオリティを上げる部分で苦労しました。具体的には、カットの切り替えシーンでの編集テンポ感が定まらず、想定以上に時間がかかってしまいました。

また、1つの映像に様々なビジュアルやトーンの表現を詰め込んだため、シンプルに繋げるだけでは動画のまとまりが悪くなってしまいます。そのため、ボールが流れる動きが次のシーンにどう繋がるかを考え、前後のカットのスピード感を合わせ、気持ちのいい挙動を目指しました。

水野:私は作画やアニメーション、デザインを主に担当したのですが、本当にチャレンジの連続でした。手のデザインだけでも10パターン以上を検証し、29.97fpsのフレームレートで作画したのも初めてだったので、とにかく手を動かして描き続けました。

手のデザインパターン

また、アニメーションで特に苦戦したのは、図形がそれぞれ違う動きをしながら、ロゴに収まっていくシーンです。

図形がロゴになっていくアニメーション

複雑なロゴアニメーションやCinema 4Dは初めての経験で、様々な新しいことにチャレンジできました。

また、入社したばかりで、チームでの作業も初めての経験でした。データのやり取りや共有方法について、白木さんや森重さんが先輩としてフォローしてくれたおかげで、スムーズに進めることができました。このプロジェクトは自社のものですが、実際のクライアントワークに近い進め方を体験できたのも良い経験となったと思います。

完成した映像で気に入っている部分はどこですか?

水野:私が担当したこともあり、冒頭の手の作画アニメーションシーンが特に気に入っています。After Effectsでは実現できないような手の動きや見せ方に注意を払った作画ならではの表現がポイントでした。

森重:図形の描写が変化していくシーンでは、手や中央のオブジェクトの周りに光や影を加えました。途中まで私が作業を担当し、その後白木さんにバトンタッチしました。コンポジットなど最後の仕上げでクオリティが一段と上がったのには驚きました。

図形が変化するシーン

白木:当初のグラフィックを繋げてみたところ、予想外に地味な見た目になってしまいました。制作の中盤で悩んでいたとき、皆さんから「自分のやりたい方向に持って行っていいよ」とアドバイスをいただいたので、最後は自分なりの解釈をデザインに落とし込み、提案しました。結果的に良い仕上がりになり、褒めていただいたことで、思い切ってアップデートして良かったと感じています。


「客観的視点」「スケジュール管理」「作業の見積」、プロジェクトを通して見つけたそれぞれの課題

ムービーの制作を進めるなかで、特に大変だったことはありますか?

森重:集中して作業を進めていると「進む方向はこれであっているのか」と、当初決めたプロジェクトのコンセプトが客観的に見えなくなることがありました。また、メンバーがそれぞれ分担して作業を進めていたので、カット単体で見ると良いと思っても、全体を見た時にズレが生じてしまうこともありました。最終的な調整と判断は、メインディレクターの白木がまとめてくれたことでクリアになりました。

白木:私自身は、大変さよりも楽しさが優っていたかもしれません。ただ、自社プロジェクトであり、その特性上明確な納品の期日がなかったため、想定以上に作業に時間を費やしてしまったことは反省点です。また、メインディレクターとして、メンバーのタスク状況管理やスケジュール管理の大変さを実感しました。

森重:普段の業務と並行して進めていたので、忙しい時期には中断せざるを得ないタイミングもあり、結果的に2年ほどかかってしまいましたね。スケジュールに関してはもっと厳しくてもよかったかもしれません。白木は代表の西澤と制作メンバーとの板挟みになっていたので、大変だったと思います。

白木:ほんと、その通りです(笑)それは反省点として改善していきます。

Director / Designer 森重宏紀

水野:2人のディレクターの先輩のもとでプロジェクトが進行していったので、私はイラストや作画などの制作に集中することができました。自分の好きな作業だったので、夢中になって描いていました。

森重:水野は、作業時間の見積もりが課題として見えたと言っていましたね。

水野:そうですね、作業の見積もりは本当に難しかったです。学生時代は一人で作業していたので、どれくらいで作業が終わるかをあまり意識したことがありませんでした。今回は限られた日程の中で何百枚も描かなければならなかったので、手を動かしながら進め方やリソースを考えるしかありませんでした。次はもっと早く、精度を上げて正確に頭でイメージしたものを描けるようになりたいと思っています。

Director / Designer 水野有彩


ブランディングムービーはLIGHT THE WAYの「顔」であり、自分たちの「作品」

公開後、ムービーには多くの反響が寄せられたそうですね。そういった声を受けて、どんなことを考えましたか。

森重:実際にお会いした方にも「ムービーすごいですね」とお声をいただいたりしています。「あのブランドムービーの会社だ」と認識してもらえているので、目的はしっかり達成できたのかなと安心しています。自分が作ったものが見られていること、そして反応があるというのは、制作者冥利に尽きるというか、シンプルに嬉しい気持ちです。

水野:同じく反響に驚いていますし、自分が作画を担当したものが世に出るということが嬉しいです。「自分が担当した作品」と胸を張れるものが作れて良かったです。

森重:確かに、自分達がやりたいことを詰め込んだムービーだったので、自分が担当したという実感は強いかもしれません。私たちがどんな表現を、どんなクオリティで作れるのかを示せるだけのものになったと思います。

白木:公開直後は、プロジェクトに追われて「終わらせなきゃ」と夢でうなされることが無くなった安心感でいっぱいでした(笑)。振り返ると、楽しかった反面、責任の大きさを感じていましたし、正直、もんもんと苦しい時期もありました。なので当時は、「ああ終わった~」という解放感を強く感じていました。

ただ、Xや周囲の反応を振り返ってみると、普段の仕事よりも多くの人に見てもらえたことがわかりますし、このブランディングムービーを作ることができて本当に良かったと思います。この作品をきっかけに、LIGHT THE WAYという会社や、その中の人たちにも興味を持ってもらえたら嬉しいです。ぜひファンになってください(笑)。

Director / Designer 白木悠輔(左) 水野有彩(中) 森重宏紀(右)

記事を書いた人:
高橋直貴 https://twitter.com/nao4200
インタビューに答えた人:
白木悠輔:https://x.com/kiroton_ton
水野有彩:https://x.com/yua_mizuno
森重宏紀:https://x.com/morishige_ltw

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