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週末、土曜夜9時「あゆみんのらじふる #09」イベントレポート

こんにちは! lightful編集部の中尾です。「あゆみんのらじふる#09」ご参加ありがとうございました!

このラジオは、毎月一度、土曜夜9時から「あゆみん」ことlightful代表田中あゆみが、学校の先生や教育に携わる起業家などの皆さんと「ゆるくたのしく」、そしてちょっとだけ真面目に! お喋りをしていきます。

今夜のゲストの紹介

第9回のゲストはNPO法人Evridgeの田村 京介先生にお越しいただきました!残り4日で教職を離れ、これから新しい挑戦をしていく京介先生、今週はどんなことがあったのでしょう?

Q. どうして教員をやめたの?

大学時代にフィンランドに留学した経験を持つ京介先生。そこで、日本の教育に対して目につく所が見えるようになったそうです!
自分なりに「より良い教育」を作っていくために何が必要なのかを考えた結果、教育先進国として注目を浴びているフィンランドへ行き、日本に何を活かせるかを学びに行き、そのフィンランドの教育を日本版にアレンジして、日本の学校でできるようになったら日本の教育はもっともっと良くなると考えました!
そんな教育を作りたいと考えつつ、日本の教育を知る必要があると考えた京介先生は、学校現場に入ったそうです。

最初から一貫した目的があって、学校現場に入っていたことが分かりましたね~。「より良い教育」の姿をフィンランドに見た京介先生、どんな所に惹かれたのでしょうか?

フィンランドの教育の話

学校視察に何度か行った京介先生が一番お世話になった小学校の副校長先生がいるそうです。フィンランドでは、副校長先生も担任を持ったり、授業をするそうです!

その作文の授業で、京介先生は後ろで見ていて、「フィンランドの教育って興味深いよね~」みたいなことを話していたら、「もっとおもしろいもの見せてあげるから、ちょっと廊下出ろよ」と、廊下に呼ばれたんだとか、、

(あれ、校舎裏に呼び出される感覚と似てる…?笑)

スキンヘッドに近い坊主の髪型で、体つきがめちゃくちゃ良い副校長先生に呼ばれた京介先生、超怖いと思いながらついていったそうです…

その後、「廊下で5分待とう」と言われた京介先生。3分後に、「フィンランド教育のすごいところは、子どもたちが積極的、自発的に学習に取り組むところなんだ。これから先生が教室を出て、5分後に戻った時、子どもたちは先生が教室を出る前と同じように普通にやってるからね。」と言われ、その後戻ると、子どもたちは真剣に取り組み、何よりも京介先生が良いと思ったのは、子どもたちが互いに教え合っていたことです。

子どもたちが自発的に学び合っている姿に衝撃を受けた京介先生、最近日本でも、「主体的、対話的で深い学び」が唱えられ、日本の学校でも授業の手法の転換が求められている中で、フィンランドで見た姿こそが、今日本が目指している教育だと考えました。

実際に、京介先生は教員として働く中で、子どもたちが学び合う姿を見ると、自分が教えた知識だけでなく、内面的な成長をしていると思ったそうです!

Q. 先生は何もしなくてもいい?

A.フィンランドの授業を初めて見た京介先生は、「先生、職務放棄してるじゃん!!」と思ったそうです。日本で出版されている本を読むと、「フィンランドは教育のユートピアだ」みたいなことが書いてあるそうですが、実際に行ってみると、「なんかめっちゃざわざわしてるし、話を聞いてない子もいるけど、先生は普通に進めてて、な、なにこれ。」と思ったのだとか

 日本では、「静かにして。静かになったから始めます。」のような生徒をコントロールすることが見受けられますが、フィンランドには、生徒をコントロールしないことで、子どもたちが自分で動かなきゃいけない「余白」がいっぱいあるそうです。その余白があって、自発的な取り組みが子どもたちだけで成り立っていくと感じたそうです。


余白って生きていく上でも大事ですよね~!


今週生きてきて、嬉しかったこと3選

その1。来年度からNPO法人として動いていく中で、学校を作って、さらにフィンランドの「市民学校」という社会教育の制度を群馬に落とし込みたいと考えている京介先生。
NPOと聞くと、そのイメージはボランティアで、カツカツでやっている実態はどうしてもあるそうで。しかし、フィンランドの教育を見て、京介さんは「やっぱり教育にもお金は大事」だと思ったそうです。
そのNPO法人のリーダーとしてやっていく上で、お金の周りを事業的に考えなければならないと考えた京介先生は、群馬県民向けの起業家を育てるビジネススクールを見つけたそうです。
そのビジネススクール、なんと眼鏡のジーンズの田中社長が財団を立ち上げてやっているところで、応募者が多くて選抜が激しいそうなのですが、なんと。

1次試験に受かったそうです!!!!

すごい!(笑)

その2。卒業生が学校に来てくれて、花束をくれて、「お疲れ様でした!」と言ってくれたことが嬉しかった!!

嬉しい!(笑)

その3。テストの点が悪くて、単位を取れない子どもたちの補習をやっていた時のこと。テストで点を取れない子たちは、なぜ自分が点数を取れないのかがまず分かっていないので、やみくもに勉強しても成績が伸びないという課題があるのだとか。そこで、京介先生は、一緒に課題を確認して、練習方法を考えて、「これでやってみよう!」と声掛けをしながら実際にやってみたら、成績が伸びて、しっかりテストに合格してくれた。それが、嬉しかった。

な、なんと、ゆるいこと話してもらおうとしたら、全部教育の話でした…!

そんな教育が大好きな京介先生。どんなことがきっかけで、教育についてこんなに考えるようになったのでしょう?

Q.どんなことがきっかけで、教育についてこんなに考えるようになったの?

 大学2年の時に良い英語の先生になろうと思った京介先生。当時は、京介先生の授業を受けた子どもたちが、学校教育の中で英語をある程度話すことができるようになるような形の授業をしたいと思ったそうです。そこで、授業の方法を京介先生なりに研究し、「これができたら、絶対いける!」という自信作ができたんだとか。
しかし、それを実践するための教材や材料などが、まさかの「日本に無い!」という問題が発生。授業準備には、時間がかかる。

 そんな中、内田良先生の著作である、『ブラック部活動』に出会って、日本の教員の労働環境がブラックな結果、私生活にも良くない影響が出たり、労働時間が長いため、教材研究や能力開発の時間が労働時間と比べて少ないことを知ります

 そして、「自分が思いついた方法を自分が実践して、他の人に教えられるようになったとしても、それを学ぶ時間がないじゃん!」と気づいたそう。

 京介先生は、良い英語教育を作るには、子どもにとっても、先生にとっても良い教育環境・労働環境を見つめ直して、さらに教育制度のことも考えなければいけないと考えました。
 その時から、日本の教育制度をより良くしたい、と考えるようになって、フィンランドへ行き、「この取り組みを入れて、自分たちで制度を作ったらいいんじゃないか。NPOで制度っぽいものをちょっと作ってみよう」と思い立ったのだとか。

おたより

Q. 教育に対して学生ができることは何でしょうか?

A. 「1つは、大学にちゃんといって、学問としての教育を学ぶことがすごく大事だと思います。教育ってみんなが関わっているから、誰しも「教育理念」を掲げれば、教育って言えるんですよ。
 例えば、戸塚ヨットスクールが、昔に子どもを殴ったりして子どもを育てていて、「でも実際に、子どもは良くなってたじゃん」とその会長が言っているんですけど。体罰に教育的効果があるのか、と聞いても、「そういう教育理念です」と言ってしまえば、「教育」になってしまうんです。誰もが個人の価値観で教育をしてしまうけど、学問として教育を大学で学ぶことが大事だと思います。
 フィンランドでは、教育は科学の一分野として定められていて、専門性が高い学問だと認識されていると思うんですよね。だから、教育を科学として学んで、専門的な知識を付けることが大事だと思います。
2つ目は、学生なので、授業を受ける側、なので、その視点から学びたいことを発信したりすることが大事だと思います。
教育をよりよくするためには、生徒側の視点も大事だと思いますね。」


Q. 私立高校での仕事には満足していた?

A. 「自分の能力不足や自分がやって上手く行かなかったことに対しては満足いかないことはもちろんありました。

 さらに、私立は公立と違って異動がないので、そこの文化を大事にする考え方なのかな、と思うんですけど、それが学校のブランディングでもあるから。ブランディングという観点だと、それが悪いことではなくても、そこの文化に自分が合わなかった、動ききれなかったことが満足いかなかったです。」

Q. 不満や価値観の不一致はあった?

A. 「価値観の不一致は当然のようにあって、キャリアの長い先生はそこの文化を知り尽くしているし、私立高校だと年齢が上の先生が多くいらっしゃったので、自分は新しいことをしたいタイプだったので、価値観が合わない部分はありました。

設立中のNPO法人について

日本の公立学校然り、今の日本の教育はある程度完成されているものだと思います。完成されているからこそ、これから変えていくことが難しいと思うので、なのでちょっと新しいオルタナティブな感じにしても良いし、良い実践などを真似したり、学校の先生で学び合える形になればいいと思っています

 そこで、NPO法人で大きくやろうとしているのは、群馬の教育のモデルを作ることです。教育って地域の視点も大事だから、自分たちなりの良い学校を作って、地域と学校が連携できる地域の仕組みを作りたいと思っています


最後の一言

「本日はありがとうございました。教員は辞めますが、これからも教育者として在り続けますし、なので学校の先生だけでなくて、理想は教育に関わる全ての人たちが「子どもにとって何がいいか」を考えることだと考えています。学校、オルタナティブスクール、塾など、いろんな派閥があると思います。みんなが手を取り合って、「子どものために何ができると良いかな」ということを考えていける環境を作っていきたいと思うので、これから私を見かける機会があったら、応援していただきたいと思います。」


答えられなかったおたよりがあるらしい(あゆみん談)

お時間がある方、作業中に耳がお暇な方、ぜひとも「あゆみんのらじふる」を聞いてみてください!

今回の「あゆみんのらじふる #09 」は、こちらのYouTubeからアーカイブをお聴きいただけます!

次回のらじふるは?

次回、5月15日(土)21:00~の「あゆみんのらじふる #10 」のゲストは!

デジタルハリウッド大学 英語 准教授の 江幡真貴子 先生 です。

Zoomの限定公開リンクで、ビデオなし・マイクなしの匿名ラジオネームで参加ができちゃいます。週末、土曜夜はあゆみんと「ゆるくたのしく」お喋りしましょう〜!ぜひ申し込んでください(抽選なしで入れます)!

それでは、またお会いしましょう。ありがとうございました!

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