見出し画像

女性活躍推進 = マイノリティの「違和感」が変化をつくる

ダイバーシティ推進で目指すのは
女性・男性といったジェンダーのみに限らず
一人一人の個の多様性を受け入れあい、違いを活かせていること。

女性活躍はその入り口にしかすぎません。

ジェンダー関係なく、
『組織と個の未来の働き方』を作っていくために
まずは女性側の意識もアップデートしていくことが大事。

この何十年、少しずつ変化しながらも
未だ男性中心ルールの会社組織。
女性の就業者は、全体の44.5% (2019年)とほぼ半数に近い状態。
ただし、まだまだ意思決定層(役員)は僅か5% (2019)。
これではゲームルールがなかなか変わらない。

そんな環境での処世術を身につける「女性活躍」ではなくて
女性「も」活躍できる未来の働き方をつくる。
今の形に違和感を感じ、変化の必要性を感じている側から
変化を起こしていく。
これが今求められている真の女性活躍と言えるのだと思います。

そんな話を少々。


そもそも「管理職=男性のもの」と思っていないか。
 

女性活躍に関するプログラムや研修では
導入に際し、まず肝となるのがゴール設定。

1. 「女性が活躍している状態」とはどういうことか、
2. 女性問わず組織がどんな状態になったらいいか。


この目的無しでは、闇雲に
「いいから女性社員、とにかく頑張ってよ」と言うようなもの。
そんな研修、受けさせられる方だって迷惑。
  
    「この会社で管理職になるイメージない。」
    「でも結局部長が可愛がっているのは○○君。」
    「暇なあの人が行けばいいじゃないですか。。」
 
そんな声が聞こえてきそう。

では、2.のように女性問わずこんな組織になったらいい
というゴールが決まればいいのかというと
実はここが要注意。

と言うのも、そのゴールは[男性] 社会目線で
語られているケースがある
からです。

女性活躍やジェンダー平等の文脈では、しばしば
「今の仕組み」の中で
活躍すること、生き抜くこと、勝ち抜くための
howやマインドセットが語られることがあります。

でも、すでに終身雇用や年功序列という
これまで当たり前だった働き方が崩れ、
従来の働き方やマネジメントといったゲームルールが
通用しなくなってきている今。
今の仕組みの中で、求められる役割の変化に一番苦しんでいるのは
多くの男性管理職ではないでしょうか。

・自分たちがされてきたマネジメントじゃ後輩が動かない
・業績、チームマネジメント、部下育成、コミュニケーション...
   求められることが多すぎ
・役員は全然動いてくれないし、若手は辞める
・机上のマネジメント論やコーチング、どんどん詰め込まれるけど使えない 


こんな苦しむ管理職をみて、果たして
女性管理職、目指したい女性社員は増えるのでしょうか?

 
もはや古くなってしまったこれまでのスタイル、
言わば「働きに外にでる男性」達で
ゲームルールがつくられてきた組織・社会形態。
 
だから、旧形態をベースにしたゴールに「女性活躍」をのせても
女性達は一向に活躍したいと思えないのです。
 

今取り組むべきこと


社会環境も目まぐるしく変わり
パラダイムシフトが起き始めている今
働くやるべきは、この3つ。

1.  [組織の変化]     新しい組織・チームのあり方を取り入れる 
 組織の形、ルールをこれまでから脱却し変革していく。いわば枠組みづくり。

2. [個人の変化]        自律し主体的に動く個へのアップデート
 
自律的な個への意識変換。
    会社の中の個ではなく、何ができ何をしていくか主体的に取り組み、
 組織やチームと横の関係で協働していく個人へ。

3. [女性の変化]        旧形態へのアジャストからオリジナリティの解放へ 
 男性社会に適合させていくことに使っていた
   エネルギーの矛先を変え、女性だからこその強みを生かし
 価値を創造・発揮させる基盤をつくる。
   

なにせ1.〜3.全てが同時並行で変革期にあるのです。
だからこそ新しい組織形態が形作られていく中で、
女性の意識変化そのものが組織と個の変容にも
いいシナジーを起こしていくことが大事

 
脳は元々、変化を好まないもの。
男性中心ゲームの中で長年プレイしているプレイヤー達は
ルールへの違和感に気付いたり、実際に変化へ動くのには
大きなパワーとエネルギーがいります。
 
だから、元々マイノリティである女性側の
「これって変だよね」という違和感と
変化へのモチベーションが
ダイバーシティが本当に実現される社会への
変化の推進力として有効なのです。

 
男性だって実は?


女性活躍推進において、どうしても脇役(敵役?)に
なってしまいがちな男性。

男性はいいよね、と思われる部分もありますが
実は男性にもつらいところがある、というところも
知っておいた方がいいこと。

こうするもの・こうあるべきという
思考優位で、ルールや慣習から抜け出せない、
あるいは違和感に気づかないでいる(フリをしてしまっている)
そんな男性も増えているとか。

違和感に気付いたとしても
ゲームからなかなか降りられずにいるというのも事実。

本来のダイバーシティは
女性・男性といったジェンダーのみではなく
一人一人の個の多様性を受け入れあい、違いを活かせていること。

だからこそ、本当は『女性活躍』を超えて手を携え
それぞれの個を活かす新しい『組織と個の未来の働き方』づくりに
向かいたいものだなと思うのです。 

そしてもう1つの推進力

何より大切なこと。
ダイバーシティもHowでしかないということ。

究極は、すべての個人が、自らの強みと可能性を生かしながら
幸せに働く。

この社会の実現に向け、
『働く』『幸せ』『チーム』の距離を近づける
こと。
これもまた私達が目指す社会へ近づくヒントだと考えています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?