ピザ窯週記第3話。石窯クラブとピロシキとあんぱんと。
「石窯クラブ」のみなさんに会って、ピザ焼きを習ってきました。
先週末、私は風邪によるひどい咳のせいで胸筋の筋肉痛がひどかったために、サラシを巻いてキャンプ場へ向かったという話をしました。
風邪による咳はようやく落ち着いて、やっとのことで体力も回復してきたところで、「石窯クラブ」という毎月ピザ窯を使った活動をされている団体のみなさんにお会いすることになり、一週間とてもわくわくしていました。
土曜日朝5時30分の事件
いよいよ明日は「石窯クラブ」のみなさんに会って、ピザ窯の構造や作り方、ピザ窯でのピザの焼き方を学べるぞ!と期待でいっぱいの土曜日の朝5時30分、事件が起こりました。
いつも一緒にいてくれたナイロン製の三つ折りの黒のさいふくんがいなくなったのです。
石窯クラブのみなさんに会うためには、家から現地へ行くために車を運転する必要があります。しかし!「黒のさいふくん」の不在によってその運転のために必須であった「白い免許証さん」も一緒にいなくなってしまったのです。
私は半日、必死で「黒のさいふくん」を探しました。
黒のさいふくんが行きそうなところはもちろん、最後に一緒に過ごしたスーパーや、近くの駐在所へも足を運び、もし「黒のさいふくん」がさみしく一人ぼっちで居たら教えて欲しいと伝えました。
それでも、「黒のさいふくん」とは再開できず、私は途方に暮れていました。私は「黒のさいふくん」のことを傷つけた覚えは全くありません。どちらかと言えば、大切にしてきた方だと思います。それなのに、なぜ、突然私の側から居なくなってしまったのか。
「黒のさいふくん」が居なくなって困ることがこんなにたくさんあるとは思いませんでした。
一週間前から楽しみしていた「石窯クラブ」のみなさんに会うことを、「黒のさいふくん」の不在によって車の運転ができなくなったという理由で諦めるわけにはいきません。
この一週間私が仕事を頑張って来れたのは、石窯クラブのみなさんに会って、ピザ窯作りについて聞いて来れるのをわくわくして待っていたからなんだぞーと。
そのとき、現状を客観的に把握しているもう一人の自分が冷静にこんなことをささやいてきました。
車がなくたって、自分の足があるじゃないか!
この一言によって、私は、自分の足を使って現地へ行くという意思を固め、最寄り駅から山道を歩いて登ることにしました。
石窯クラブに聞くピザ窯のあれこれ
いよいよ待ちに待った日曜日、自分の健康な身体によって予定通りに現地へたどり着けることに感謝をしながら山道を登り、石窯クラブのみなさんにお会いすることができました。
石窯クラブのメンバーは、男女あわせて6人ほど。ピザ窯を作ったモノづくり名人もいれば、若い時にパン屋で働いていた生地づくり名人もいて、ピザ窯作りやピザ焼きについて聞きたかったあれこれを聞いてくることができました。
せっかくなので、ピザ窯作りについて具体的なことを話すと、、、
まず、石窯クラブは2つのピザ窯を作っていました。(2.5話より)
その2つのピザ窯は大きいかまぼこ型と小さいドーム型ですが、大きさと素材の違いによるメリット・デメリットがありました。
小さい方は、耐火モルタルで作っていて、家族や少ない集まり向けの釜です。大量のレンガを使わないため費用を抑えて作れるけれど、釜が小さめなので熱し易く冷めやすいのと、釜の中が狭いので、長時間かけて何十枚ものピザを焼くのは難しいとのことでした。
大きいかまぼこ型のピザ窯は耐火レンガで作っていて、団体客やイベントやピザ焼きサークルの方々には適していますが、200-300個ほどの耐火レンガを使っているので、釜を作るための費用も時間もとてもかかるそうです。また、最初の火入れで窯を温めるための時間が結構かかります。しかし、一度窯を温めれば、どんどんと強い火力で1枚を2分ぐらいで何十枚も焼ける良さもあります。
さらに、ピザ窯は薪につけた炎とピザ生地を焼くところが一緒になっている一層式と別々になっている二層式があるのですが、家族向けのピザ窯なら一層式で十分だそうで、実際、ピザ窯は薪を燃やして釜の温度を高めれば直接火を燃やしてなくても生地が焼けるので一層式のピザ窯を検討してみてもよさそうとの話でした。(写真の窯はいずれも二層式)
簡単に見た目を良くするならやっぱりレンガで作るとよさそうで、でも大きくしてしまうと窯を作るのもピザを焼く時の準備も、それから維持管理も大変になるので、レンガで小さく作るのが良さそうだなーなんて思いました。
それから、前回はピザ窯の扉や屋根もしっかり作った方がよさそうなのかどうかも気になっていたので、そこらへんについても聞いてみました。
ピザ窯の扉については、鉄製の蓋はなくても窯の温度を一気に高めて扉無しでピザを焼けたので、扉は必要であれば作るくらいでよさそうでした。また、屋根については、レンガ製もモルタル製の釜もどちらも、雨で濡れない方が、焼く前の準備でピザ窯を乾燥させる手間が無くて楽なので、ピザ窯はできれば濡らさない方がよいそうです。石窯クラブは、最初はピザ釜の屋根を作っておらず、大きな二台目を作ったことや薪を置くことも合わせて小屋のような屋根を作ったとのことでした。
ちなみに、レンガでピザ窯を作ったことで見た目がとてもオシャレになり、大きなかまぼこ型のピザ窯なのでピザを何十枚も焼けるからと、「ピザ窯でピザを焼いて食よう!」というイベントを開催して、100人近くの家族連れの子どもたちにピザ体験を楽しんでもらったとのことでした。
聞きたいあれこれについてなんの惜しみもなく全部教えてくださった石窯クラブのみなさんにとても感謝しています。20年近くのピザ窯によるピザ作りの知恵なのでとても貴重な話を伺うことができました。
ちなみに、ピザ焼きについてですが、火入れをして約1.5から2時間くらいで釜が温まり準備が整いました。準備ができたかどうかは、釜の中を見ればわかります。初めは薪を燃やした煙によって窯の天井が真っ黒になっているのですが、ひとしきり燃えきると天井は灰で真っ白になっているのです。この白くなったというのが「ピザ焼きができますよー」という窯からの合図なのです。
石窯クラブには元々パン屋さんでパン焼きを経験されている方もいて、生地の作り方や丸め方についても教わって来ちゃいました。それと同時に私のピザ作りの知識とスキルがアップしていると嬉しいのですが。(笑)
というわけで、こんな感じでピザ窯作りとピザ焼きについて学び、ピザ窯で焼いたピザはこちら!
皮がパリッと、中はモチモチ。
みんなでおいしく食しました。
これで終わり。
石窯クラブの実験
かと思いきや、さらに、石窯クラブはさらなる実験をしていました!
その実験とは、、、
中にひき肉などの具を入れたピロシキなるものや、ピザ生地とほとんど同じ生地のあんぱんを焼いてみるという実験です。
ピザ窯は実は他の料理さんたちから引く手あまたの人気者でして、高温にした窯でピザを焼いた後に、温度が下がるに連れてパンや煮込み料理なども作ることができます。
だから、ピザを焼いた後に、ピロシキやパンを焼いてみるなんてこともできるのです。
ピロシキは小爆発?を起こして中身が出てきちゃうなんてことにもなりましたが、味はとっても美味しくてーこんなふうにどんどん挑戦してみる!というのを面白がれる大人たちがいるというのがなんだか素敵だなと思っていました。やりたいことをやってるってのは大人も子どもも関係なく楽しいですよね〜。
それでは、ピザ窯の試作をするための情報がたくさん集まったところで、次回は作業を進めるための相談をしていきたいと思います。
お楽しみに〜!
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