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【作曲家K8】音楽を学んで1

作曲のレッスンの始まりは、和声と対位法です。2つの言葉はかなり難しい意味があって簡単には説明しにくいのですが、和声はコード進行法、対位法は旋律操作法などと簡単に言ってしまうとそうなります。あまり良い説明では無いのですが実際に勉強していてもなぜやっているかと言うことがわかりにくいのです。和声の教科書はヘ音記号の課題が最後まで並んでいます。対位法の教科書は全音符の旋律が5小節から8小節とか無数に並んでいます。しかし、だんだんやっていく時にその重要さがわかるようになります。作曲には絶対必要な技術です。でもその習得には何年もかかります。ただ、このことは音大受験とか大きな曲をつくとかに必要なもので、それが無くとも作曲は出来ます。ロックとかポップスなどそんな技術は入りません。そんなものなくてもお金になる曲は出来るのです。むしろそちらの方が実用的で人気の出る曲が多いのです。もちろん作る方の資質はより重要になるとおもいますが‥……。なぜ、そういう曲を作らないのか、一言、そういう資質を持っていないからです。いわばひらめきで曲を作る事は、思いつきで曲を作る事は、売れる曲を作ることがやはり才能はどうしても必要だと思います。話をされましたが、その理論に関してですが楽曲分析と言うものがあります。1つの曲を理論的に分析していくことです。いろいろな方向から分析する事は可能です。どんな分析でも間違ったとか言うことができないと思います。私がそれに接したのは作曲の先生がバッハのフーガとベートーベンのソナタの分析をするから勉強をしてこいとの課題を与えられたからです。ほとんど何も知識もない状態で出された課題でした。他の人の分析を聞いていると全くちんぷんかんぷんでした。でも順番が回ってきます。仕方なくあちらこちらを調べてみました。日本語の資料は私には見つけられませんでした。ただ、パデゥスコダと言うピアニストがベートーベンのソナタのレコードの全集を出し行った時に付録でついてきた一札の本がありました。それは1曲1曲細くはありませんがその曲の特徴が書かれてありました。その本を参考にいろいろ調べて怒られながらもその分析をある程度通過することができました。こなしたのではないので無事に時間を潰せたと言うことです。それから何十年もその楽曲分析について本をそうしていました。古本の中から見つけたベートーベンのピアノソナタの作曲学的分析と言う本がありました。日本の作曲家の大家が書いた本です。正直、つまらなかったです。(あくまでも私見です)なんなのでしょうかその方は理論書多く出されています。ブラームスの曲の分析もあるのですが上から目線で読んでいて腹がたってきます。そのブラームスの本はどうしてもベートーベンと結びつけたがっていて内容が貧困です。(読む人が読むと立派な方なのでしょう。私のようなマイナーなものには理解できません)本来曲の分析は自分自身がわかる内容を見れば良いことです。どうしても文章と言うものに表すと音がなくなってわかりにくくなるかもしれません。でも、池辺晋一郎さんが出している作曲家の曲の解説するものがあります。細くは無いのですが非常に良い文章でその曲に対する愛情を図り知れることができ、曲の内容がよく理解できます。問題はそこなのです。音楽を愛しているかですね。ここに書いた、音楽を文章で表すとつまんなくなってしまう。ごく当たり前のことで何を書いているんだと思われると思います。1つ私の経験があります。大学の研究室を修了するときに修士論文をこなくてはなりませんでした。当時全く文章力がない私にとってそれは大変な仕事でした。その当時の先生が本当に無能な私の面倒を見てくれて何とか修士論文を仕上げることができました。もちろん音楽に関する論文なのですが、書いてくると虚しいのです。そこで思ったのが本がないのです。

川手誠(作曲家)


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