「どんな時もあたしの思想を見抜いてよ」(2024.5.21)
私はよくスナックに行くのだが、あるお客さんが椎名林檎の「ここでキスして。」を歌っていた。
以前も聴いたことはあるような気はするが、歌詞を見ながらしっかりと聴いたのはその時が初めてで、脳天を撃ち抜かれたような衝撃だった。
特に衝撃を受けたのは2番のサビ前後の歌詞で、
何よりも刺さったのは「どんな時もあたしの思想を見抜いてよ」というフレーズ。
本当に驚いた。
なんてエゴ、なんて切実な叫びなのだろう!!と思った。
この曲がリリースされた25年前にはおそらく”メンヘラ”なんて言葉はおそらくなかったと思うのだが、そんな言葉ではまとめられないくらいのとてつもなく大きな愛情、それと背中合わせのようなドロドロとしたエゴと執着がみっちり詰まっていた。
余談だけれど、この曲は椎名林檎が17歳の時に作った曲らしい。
どんなインプットをしたらフレーズがその年で出てくるんだろう?????
天才は努力で出来ているのだろうな、なんてこともこの曲で感じた。
私は考えていることが分かりにくいらしく、「何考えているか分からない!」と人生で幾度も言われてきた。
見当違いのみずくら像、みたいなものを投げつけられて「う~~~~~んそうじゃないんだよな~~~~~~~~~~」とモヤっとすることもしばしば。
別に誰かに分かってもらう必要なんてないと中高生時代は思っていたが、年を重ねるにつれて好きな人たちとは自分の思想を共有したい、分かってもらいたいと傲慢な願いを持つようになった。
そんな自分勝手な感情を鋭い声と叫ぶようなギターに乗せて表現してくれる椎名林檎と「ここでキスして。」が私は大好きだ。
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