センスは知識からはじまる(読書記録)#119

くまモンやユニクロのロゴをデザインしたアートディレクター水野学さんの「センスは知識から始まる」を読んだ。

私はセンスがある人にずっと憧れていた。
そして、自分のセンスに自信がなさすぎて、いつも周りの様子を盗み見るように伺っていた。

出産前に勤務していたのは、デザイン関連の会社だった。
面接に行った時に、センスあるお洒落な空間に魅了され、見るからにセンスが良さそうな社員さんの説明を受けて、この会社に入れば、私もセンスある人になれるのではないかと錯覚し、そういう期待を持てたことが入社した一番の理由だった。
私自身は飲食部門にいたのでいわゆるデザインとは無縁だったし、在職中の数年では残念ながらその域には到達できなかった。
環境が変わったとしても、自分が変わると決めて行動しなければ何も変わらない。

なんとなく憧れてはいたけれど、センスを磨くために○○しようという行動もたいしてしていなかったので、本気じゃなかったのだな、と今なら思える。

センスは知識の集積
知識を蓄え過去に学ぶ。そして、知識に基づき1歩先の未来を読む。

知識の集積に懸命になりすぎると、人は時として自由な発想を失っていく。
知識を吸収し、自分のものとしていくには、感受性と好奇心が必要。

知識ばかり増やしてきた私は、知識をセンスに変えるという発想がなかった。
知識をあれこれ詰め込み、頭の中がとっちらかって、宝の持ち腐れ状態だった。
「知識ばっかりもっていても仕方がないでしょ。大事なのは知識よりも、知恵。自分の頭で考える力をつけることが大事」
知識なんて必要最小限でいいと思っていたけれど、そうじゃなかったんだ。

センスには精度の高い知識が欠かせない。
センスがよい人は、豊富かつ良質な知識を材料に発想している。

「感覚的に」は禁句。センスが知識の集積である以上、言葉で説明できないアウトプットはありえない。

「なんとなく」とか「うまく説明できないのだけれど」なんて言い訳はできるだけせずに、誰にでも通じるような「言語化」を意識しようと思う。

本を読むことを続けていると「知識を身につけよう」という気持ちでなく、「知りたい」という知的好奇心の扉が開かれていく。

「知りたい」という知的好奇心が沸いて、この本を手にした。
本の中に書かれていることと、まさに自分がとった行動がリンクしていて、ちょっと嬉しかった。
そして、こうやって本から学び、アウトプットするということが、私のセンス磨き実践の第1歩なのかなと思った。
この本が出版された9年前には、読書の習慣もなかったし、本に学ぶことの楽しさも知らなかった。
今更なようだけど、私にとって最良のタイミングでこの1冊に出会えてよかった。

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