その男

電動自転車に乗って、
快適にペダルを漕ぐアリ坂は、
ルンルン気分な上にランラン気分な訳だけど、そんな上機嫌は急に目の前に現れたキツネ目の男にぶち壊されてしまい、
急ブレーキをかけることになった。

そこでアリ坂は、
即座に自転車から降り、
深いお辞儀、
丁寧な挨拶をしていった。

相変わらずアリ坂は、ビビり散らかしている。
一体、彼がなんだと言うのだろうか。
そんなに恐ろしい男なのか？
子供達が滑り台で楽しく遊んでいる時、
いきなりその滑り台の下に現れて、
待ち構えたりするような男なのか？

だとしたら恐ろしいが、
全く素性が分からない。
なんなんだ本当に、なんなんだ。

まぁ、恐い事になる前に撮るのをやめるけど、なんなんだ本当に、なんなんだ……。