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【R5年度2次試験 事例Ⅳ・再現答案】化粧品メーカD社のCVP分析/意思決定会計
令和5年度中小企業診断士 2次試験を受験したみなさま、
改めて大変お疲れさまでした。
これまで、事例Ⅰ~Ⅲの再現答案をアップさせて頂いて、
今回が最後の「事例Ⅳ」となります!
事例Ⅰ~Ⅳの再現答案をnoteにアップしてきましたが、
事例Ⅳのボリュームは明らかにエグイ。
これは80分で食べきれるボリュームではないですね。
みなさんはご飯を食べるとき、
美味しいもの「メインディッシュ」は先に食べる方でしょうか?
それとも後の方まで取っておき、最後はメインディッシュの口で終わりたい方でしょうか?
美味しくはないのですが、
難解で時間のかかる計算問題を「メインディッシュ」と仮定した場合、
それは最後に食べたほうがいいでしょう。
事例Ⅳのメインディッシュは、食べ方からまず悩み、噛み応えもある。
そう、食べるのに時間がかかってしまうのです。
だから、食べられるものから食べていく、これが事例Ⅳの食し方ですね。
ちなみに本当に美味しいものを食べるときの私は、
仮にハンバーグとしましょう
3等分くらいにして、
まずは最初に一口
中間でも一口
最後の最後まで一口は取って置き、
フィニッシュはハンバーグの口で閉めます。
これを「幸せの分散作戦」と呼びます。
1.事例Ⅳ 化粧品メーカーD社の状況 (与件文)
事例Ⅳで問われること
事例Ⅳは「財務・会計」に関する問題と言われています。
これまでの事例Ⅰ~Ⅲとは趣きが異なり、
D社の財務諸表が与えられ、電卓を使用して計算を大量に行います。
財務諸表の経営分析、損益分岐点分析(CVP)、意思決定会計あたりが過去問を見るによく出る印象で、今年度も出題されました。
特に第1問の経営分析は、ほぼ固定と言って良いと思います。
その他、キャッシュフロー分析やセグメント別会計やROI、プロダクトミックス 等々
8割くらいの問題が計算を必要とするため、
対策はとにかく問題を何度も解き、
・量(ナレッジ)を蓄積すること (結果的に応用力もつく)
・計算に慣れること (正確かつ処理速度を高める)
が大事なポイントだと感じました。
当年度の1次試験合格者が2次試験まで2か月半しかないのに比べ、
前年度の1次試験合格者の方はしっかりと準備し量の蓄積ができるため、
差がつきやすい事例とも言われているようです。
実際、私が試験を受けていて感じたことはなんといっても時間が足らない。
時間に追われている感覚でした。
分かっちゃいるので試験前にあせるなと思い臨んでも、やはり人間、
ちょっとした躓きであせりも生まれてきます。
なので、正確かつ1秒でも処理速度を速めるよう修練を積み重ねること。
これに尽きるなと。
当日、私はスタープラチナになりたかった。
でもなれなかった・・・。
与件概要
創業20年の化粧品メーカーD社は、独自の原料を配合した基礎化粧品やサプリメントで知られる。近年は競争激化や原材料価格上昇の影響を受け、売上低迷に悩まされている。
そこでD社は、新たな挑戦として男性向けアンチエイジング製品の開発・販売を検討している。バイオテクノロジーを活用した画期的な製品だが、市場規模や競合状況は不透明だ。
D社社長は、慎重な検討と資金調達を進め、早期の意思決定を目指している。自社が直面しているさまざまな経営課題について、特に財務的な観点から中小企業診断士に診断・助言を依頼してきたのだった・・・。
![](https://assets.st-note.com/img/1703983918312-DXo8SMRTlm.jpg?width=1200)
赤枠は第2問の設問1でキーとなるやっちまったポイント
与件全文
全文読んでみてみたい方はこちらを。
https://www.j-smeca.jp/attach/test/shikenmondai/2ji2023/D2JI2023.pdf
2.設問および再現答案
第2問と第3問の設問文は非常に長いので割愛します。
気になる方は与件全文をご覧ください。
第1問 (配点20点) (自己採点16点)
(設問1) D社の2期間の財務諸表を用いて経営分析を行い、令和3年度と比較して悪化したと考えられる財務指標を2つ(①②)、改善したと考えられる財務指標を1つ(③)取り上げ、それぞれについて、名称を⒜欄に、令和4年度の財務指標の値を⒝欄に記入せよ。解答に当たっては、⒝欄の値は小数点第3位を四捨五入して、小数点第2位まで表示すること。また、⒝欄のカッコ内に単位を明記すること。
悪化① 売上高営業利益率 11.59 (%)
悪化② 有形固定資産回転率 71.90 (回)
改善③ 自己資本比率 77.56 (%)
(設問2) 設問1で解答した悪化したと考えられる2つの財務指標のうちの1つを取り上げ、悪化した原因を80字以内で述べよ。
売上高が減少している中、輸送コストの高騰や将来の成長を見込んだ人件費の維持により販管費が重しとなり営業利益ベースでの収益性が悪化している。経営の安全性は高い。
[自己採点時メモ]
売上の減少と販管費の重しにふれている点は大枠間違いない。
新製品の研究開発費にもふれられていると良かった。
(それ拾えていれば、無理くり自己資本比率が起点の経営の安全性は高いを書く必要なかった。)
第2問 (配点30点) (自己採点19点)
(設問1) D社の2期間の財務データからCVP分析
(1) 変動費率 63.29 (%)
(2) 固定費 1,142,500 (千円)
固定費をYと置く
売上高 - 変動費 - 固定費(Y) = 営業利益
4547908-4547908×0.6329-Y = 527037
Y=1142500.0268 ※千円未満(小数点第一位を四捨五入)"
(3) 令和4年の損益分岐点売上高 3,112,231 (千円)
損益分岐点売上高
1142500 ÷ (1-0.6329) = 3112230.99972 ≒ 3112231
※千円未満(小数点第一位を四捨五入)"
(4) 令和3年と令和4年の損益分岐点比率の変動 14.73 (%)
[自己採点時メモ]
あれ?おかしいな。KECさんの答えと微妙に下の桁が合わないぞ。
私は何度も問題文に書き残した計算をやり直した。
いくどやっても合っている。KECさん、まちごうとるのちゃいますの?
と他人の間違いへ思考が移りそうになった、その時だった。
令和3年の営業利益の数字が誤っているー
計算用に問題文に転記した営業利益の数字が一桁あやまっているー
あやまっているー
ごめんなさい
与件文に記載された令和3年の営業利益 985,027
問題文に転記した令和3年の営業利益 985,207
いやぁ、崩れ落ちそうになりましたね。
実際、窓から遠くの空を数十秒眺めた記憶があります。
今日もいい天気だなぁ、小鳥のさえずりも聞こえるよ。
(1)の変動費率の算出。
変動費率が一定とあるのでx、固定費をyと置き以下のような連立方程式で計算した。
令和3年度売上高-変動費(売上高×変動費率x)-固定費Y = 令和3年度 営業利益
令和4年度売上高-変動費(売上高×変動費率x)-固定費Y = 令和4年度 営業利益
ここで、令和3年度の営業利益を与件文に
「985,027」とあるところ「985,207」と転記ミス・・・。ちーん。
設問2) 【セグメント別会計の問題】X製品の販売を中止すべきか否か?またX製品の販売を中止した場合のY製品の売上高は現状の営業利益合計2,500万円を下回らないためには最低いくら必要か?
(1) X製品の販売を中止すべきで「ない」
貢献利益が黒字であり共通費の回収に寄与
(2) Y製品の売上高の増加額 15,000 (万円)
7500 - 10000(共通費) = -2500
X製品を販売しない場合に2500万の営業利益を出すのに
必要な営業利益は+5,000万円必要
Y製品に必要な売上高をXと置く。
X - 0.6x - 1500 - 1000 = 7500
X = 25000
25000-10000 = 15000
[自己採点時メモ]
X製品の回避不能な個別固定費3000万が組み込めてない。
だってX製品製造しないから。これは普通に量の蓄積不足が要因と見る。
限られた時間内だとしても、量の蓄積があればスッと思い浮かんでいたはず。
設問3) 売上高を基準に共通費を製品別に配賦。この会計処理の妥当性についてあなたの考えを80字以内で述べよ。
売上高を基準とした場合、実態を正しく反映できているといえない。共通費を各コスト項目に分け使用した分に応じて振り分けを行った方が正確な共通費配賦が行えると考える。
第3問 (配点30点) (自己採点7点)
(設問1) 【意思決定会計の問題】研究開発を行ってきた男性向けアンチエイジング製品の生産に関わる設備投資を行うか否かの判断
(1) 年間販売量 10,000個の場合の正味現在価値 3,326 (万円)
正味現在価値NPV = -11000 + 3320×3.312 + 4890×0.681 = 3325.93
(2) 年間販売量 5,000個の場合の正味現在価値 △10,922(万円)
(3) 正味現在価値の期待値 △948(万円)
投資は実行しない
[自己採点時メモ]
KECさんは運転資本の増(-800万)を期初にいれている・・。確かに必要か・・・
変動費を10,000個のままで計算してしまった・・・。
変動費を5,000個で計算してたら期待値は+になるので、投資は実行の方ですね・・・。
これも量の蓄積不足を感じますな。
(設問2) 【期待値(デシジョンツリー)の問題】当該設備投資を初年度期首に行うべきか、2年度期首に行うべきか。
タイムオーバーに伴い白紙提出・・・
[自己採点時メモ]
時間さえあればある程度は解けてはいたか・・。
販売量が5000になる場合はNPVがマイナスになり投資しないので30%×0円となる。
10000個の場合の4年分の現在価値×70%で出せる。
第4問 (配点20点) (自己採点12点)
(設問1) OEMの財務的利点について50字以内で述べよ。
利点は、①自社で生産設備を持つ必要がなく固定資産にかかる費用を圧縮②経営資源をコア業務に集中できる。
(設問2) 男性向けアンチエイジング製品の開発・販売することの財務的利点について50字以内で述べよ。
自社で製造するため外注費や輸送コストが削減され、収益性が改善する可能性がある。コア技術の流出を防ぐ。
自己採点について
自己採点は以下のように行っています。4ポチ目が色濃いです、ハイ。
すごく早く速報頂けるKECさんの模範解答を参考
過去合格生が配信している令和5年度試験の感想や問題解いてみた系のYoutube
上記ふまえキーワードとなりそうな文言が含まれているか、回答趣旨にぶれがないかと分析
これらを総合しつつ最後は「エイヤッ!とノリ」で採点
3.おわりに
なんとか予定とおり、年内に全ての再現答案をアップすることができ、
スッキリとした気持ちで新年を迎えることができそうです。
合格発表は、2024年1月11日(木)
後は座して待つのみ
ちなみにこれまでの自己採点をまとめると、
事例Ⅰ 64点
事例Ⅱ 75点
事例Ⅲ 50点
事例Ⅳ 54点
合計 243点
となり、ギリギリ合格基準の平均60点を超えているのではないか、
という見立てです。
これがどうなるかは、改めて結果が出たら共有いたします!
というわけでことし最後になります。
皆様よいお年をお迎えください。
来年も良いこと悪いこと、
どちらもあると思いますが、
頑張って参りましょう🦖
なお、本再現答案はお世話になった参考書でもある「ふぞろいな合格答案」にも投稿させて頂きました。
4.お世話になったサイト&参考書
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