3年の病院実習(8)

あと二つで実習が終わる。そこまで来た。次に行く場所は病院併設のデイサービス。
前に言った子が言うには「入浴かレク(レクリエーション担当)だよ」と言われた。記録を書くのが大変らしい。

挨拶に行くと、田辺さんと言うプリセプター。介護福祉士の方だという。物腰柔らかい男性だ。管理者をしているそうで、開口一番

「学生さん。一つだけお願いがあります。元気よくいってください。疲れたら休んでもいいから、利用者さんの前では元気でいてください。」

それさえ守ってくれたらいいよとの事だった。ここでは、患者様ではなく利用者さんに呼び方も変わる。

最初は自己紹介。大きな声で挨拶する。利用者さんからも笑顔が見られる。その後、西川さんはレク。私は入浴介助だった。午前中に男性利用者の入浴を担当。体を洗う、浴槽に入る介助。出たら拭いて。水分摂ってもらいを繰り返す。午前中が、実習史上初の速さで終わった。あれ?こんなに早いのか?と錯覚するほどだった。職員さんも声が出ていて、活気がある。病棟の閉鎖的な環境とは違い、明るい。とても良い。

昼からも入浴。夕方帰るギリギリまで入浴。終わったら浴室の掃除…。記録。

今日はお風呂の事しかしなかったな…。女性でも私がやるんだな…と思いつつ。翌日、グランス入浴介助。西川さんレクそれが続く。嘘じゃないずっと入浴介助。楽しいんだけどさすがに堪える。

ついに、仮眠をしていたら永遠に入浴介助をする夢を見る。本当に参った。こうなるとモチベーションの持ち方がね…。

記録をかけずに自宅で悩んでいると、兄がスラムダンクのDVDをみだした。弟は悩んでいるのに、なんて人だ!と思っていたが、その映像に心惹かれた。花道がフリースロー1万本を打つというもの。打ち切った花道さんもすごいが、周りも応援し続ける。そして、最後にシュートを決めてしまうのだけど、同じことでも、見方や取り組み方を変えるだけで、大きく変わるという事。

翌日から、体の変化や皮膚の状態を見ながら記録することにした。田辺さんからも「お、がんばってるね」とお声を頂いた。こんなにうれしい事は無い。だからこそ、継続するのは大変だが、マンネリは絶対来る。だから見方や取り組む姿勢の変更を必要性があるなと感じた。そんなデイサービス実習だった。


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