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きみといる為に。「あしたのジョー」



閲覧ありがとうございます。
今日は、昭和の名作「あしたのジョー」の映画版を見たあと、家にあった漫画文庫、配信を閲覧したりしたコレアレを書いておこうかと思います。


「あしたのジョー」と、言えば、前に山ピーが矢吹丈役にて実写化されましたが、「ヤマト」のときの木村くんと同じく、「漫画とは別物としてご覧ください」という感じです。やはり、本物のジョーは、漫画の中にしか、存在しないのでしょう。


ジョーは、最終回の「真っ白になるまで」、何人もの相手と、戦ってますが、やはり、わたしは、力石さんにフォーカスしたいと思います。


あらすじは、天才的な運動神経、野性的な感を持つ
矢吹丈という少年を、丹下段平という黒ひげ危機一髪みたいな顔をしたおじさんが見初め、プロボクサーにしたいと熱望します。しかし、段平の熱意に応えたわけではない、ジョーが、自分の意志により、ボクサーの道を歩む、人間ドラマです。わたしは、この漫画は「スポ根」ものとは、思いません。ボクシングという舞台で交差する濃い人間たちの人生漫画だと思います。



押しかけトレーナーの段平

しかし、根が座っていないチャラ男だったジョー少年は、段平の純粋な好意を利用して詐欺を働き、少年院に送られてしまいます。

その少年院で知り合ったのが、ジョーにとっての運命の人。力石徹さんでした。
力石さんは、もうプロボクサーでしたが、なんと、観客をぶん殴った罪で、少年院にいました。
少年院でも、チャラチャラしていたジョーは、ある日、豚さまに乗って、逃走しようと企てます。
木の柵くらいなら、ぶち割るくらいの、大きな豚さまでした。
「あと少し!」という時に、豚さまの群れをすいすいと、くぐり抜けてきた人物に邪魔されます。


「うわっ!なにをするか!」は、豚様のセリフじゃ!

この場面も、今ならば、炎上するのではないかなと思いました。豚さまを殴るなんて!
周りの豚さまも、びっくりしてるし。。
この豚さまの明日はどうなったのか、非常に気になりました。ジョーの前髪を引っ張って、引きずり下ろすとか、ジョーの前髪に水をぶっかけて、前を見えなくするとか、方法はあったのではないかと思いました。


しかし、ジョーの前髪は水にも強かった!


ジョーは、この一件で、運命の人、力石徹に出会います。ジョーは、カーっときて、力石に殴りかかりますが、力石の方が上手でした。
悔しがるジョー。初めて、「この人に勝ちたい。ちゃんとボクシングをしたい。」と、目覚めた一瞬でした。だから、段平にも、「力石に勝ちたいから、教えてくれ!」と、自分から、熱く懇願します。

「あしたのジョー」には、様々な対戦相手が出てきますが、悟空みたいに、「おら、ワクワクすっぞ!」みたいな感じではなく、どんな相手の先にも矢吹丈は、力石徹を見ていました。

多分、ジョーにとっての人生初めての「初恋」みたいなものだったのかなと思います。
お金に執着もせず、異性にも関心は薄く、また、ハッキリとした目的もなく、漂うように生きてきたジョーにとっては強烈な出会いだったのだろうと思います。だから、ジョーは少年院でも、力石を常に意識し、姿を探し、「あいつがいるから」、俺は存在する。ボクシングをやるんだ。と、心の拠り所にしていました。



力石が退院の日

力石が先に退院する日、ジョーは、力石ロスで、暴れてしまい、手錠をかけられてしまいます。
手錠ってのが、凄いなと思いますし、今なら、問題になりそうだなと思いました。


力石がいなくなって、エネルギーが減ってしまったジョーですが、退院してプロボクサーになるべく、
トレーニングを積みますが、プロテストに落ちてみたりと、決して順調には行きませんでした。
こういう点が彼の魅力だなと思います。ジョーは、強いけど、脆いところもあり、勝ち気なんだけど、やせ我慢する時もあり、女性のファンが多いのは、
わかるなぁと思いました。


ジョーは、白木ジムに誘われますが、力石と対戦したい為に断ります。ジョーのリングの対角線上にいるのは、常に力石徹なんだな。他は、視野には無いのだなと、ジョーの一途さに感激しました。


力石の方は、あまり、ジョーを意識してはいなくて、たまたま会った「あぶなそうな奴」だし、
こちらは、相手にしてないのに、ライバル扱いされるし、じゃあ、本気出したら凄いのかと思ったら、プロテストに落ちたりするし、「なに、この人」扱いだったのが、ジョーのひたむきな自分への思いを感じる時が増えるにつれ、力石の方もジョーとの対戦を望むようになります。まさに、両思いがかなった瞬間で。「矢吹くん、良かったね!仲良くね!」と、友達ならば、言いたくなります。


「ジョー!立つんだ!ジョーーー!」


という、あまりに、有名過ぎる、「あしたのジョー」でのセリフですが、
これって、丹下段平の独自のかと思ったら、
力石が、ウルフ金串戦で倒れたジョーに、放つ言葉なんですよね。
愛にどこまでも近い励ましだなと、思います。


ジョーが力石との対戦の実現のため、努力したのと同じ熱意を力石はジョーに示そうとします。
それは、ジョーの階級で闘うための、きつい減量です。元の力石は、骨太ぽい、がっちりした体型でしたが、水分も経った、過酷な減量を実行しました。
ジムのスタッフが、危険を感じて、止めようとするほどに、徹底して絞り、力石の執念の強さを感じます。



ひっ!

力石サイドのほうが、凄い、負担があったであろう、ジョーとの対戦が実現しますが、
この結果は、有名過ぎですが、力石が他界してしまうという、悲壮な結果を招いてしまいます。


「あしたのジョー」は、ここまでが、本編で、
後の物語は、ジョーの足跡をたどった、番外編みたいなものではないかなと思います。


この力石戦にて、ライバルを、目標を、友人を
死に至らしめてしまったジョーは、後遺症か、ボディしか、攻撃できなくなります。

力石戦のあとのジョーは、心から笑ったことは無いのではないかなと思うほど、いつも、瞳の奥には影があるように思いました。



まだジョーには燃えてもらいたい!


「あしたのジョー」を読んでいると、ジョーがパンチを受けると、「いででで!」と、こちらも思うほど、ジョーに感情移入してしまいます。
ジョーが非常にストイックだからかもしれません。


ライトを浴びて、チャンピオンベルトを締めて
テレビに出て、多額のファイトマネーをもらい、
後世に名を残すことに、全然興味を持たなかった、
一人の矢吹丈というボクサー。


彼と、彼を取り巻いた人間のドラマに、とても感動したし、涙も出ました。


だれからも、タオルを投げられることをヨシとしない孤高のボクサーは、ずっと、存在するのだろうなと思います。


「あしたのジョー」。
ずっと読み継がれる、殿堂入りの名作だと思います。



女子からビンタはショックのジョー。

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