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日常(h)

初めて訪れた街。仕事は済んだ。
昭和の雰囲気のこの見知らぬ街が珍しく、あてもなく歩く。

なんとなく道を曲がった所に、
「居酒屋たかやなぎ」があった。
私が趣味で書いている小説というか、読みもの、に登場させた店名と同じであったから、「えっ」と、声が出た。
不思議な気持ちになった。
古めかしい感じも似ているというか、私のイメージと同じ「居酒屋たかやなぎ」であった。
感動してしばらくぼ〜っと立っていた。きっと、このお店には、60代と思われる優しい笑顔の女将さんがいるだろう。夜の開店前の仕込み中だろう。

住宅街を通って駅に向かう。
夕げの香りがしている家がある。自分のため、家族のために料理をしているんだろう。
私も帰ったら何か作ろう。 

変わりばえしない私の日常の中のできごと。

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