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小説

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超短編小説。短編小説。漢字一字シリーズなど。
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#超短篇小説

僕たちは

僕たちは

僕たちは幸せになるはずだった。
二人で一緒にいられたら嬉しくて楽しくて幸せで、二人なら何にでもなれるし何でも出来ると思っていた。

僕はユリコを幸せにできなかった。
ユリコは自分の体を傷つけるのをやめられない。
常に暗いオーラを放ち瞳はどんよりとして、まるで屍のようだ。
溌剌としたユリコはどこに消えたのだろう。

僕たちは、もう、目を合わせて会話をすることも手を繋ぐこともない。

一緒にいると自分

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休日

休日

 休日まで、他人の視線 同性、異性の を意識して服やメイクを選んでいる自分だと気が付き、いやだなと思った。
 着たい服を着る。メイクもやりたいように好きにやる。インスピレーションを大事にしたい。変わっていることがいいとは思っていない。自分の心のままに自由に楽しくしたいだけ。

 鏡に映った自分は、圭の好みを意識している服、メイク、髪型。似合っていない。何ていうか、誰だかわからない。私じゃないみたい

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命日

命日

 今までとても幸せだったし運が良かったから、これから先、何か不幸や不運なことが起こるのじゃないかという気がしていました。だから、自分が地獄に落ちたようなつらい目にあった時、やっぱり来たか…と思ったのです。辛くて泣きながらも、冷静な自分もいたのです。

 今は涙も枯れ果て、自分は死んでいるような感じで、痛みや空腹とか何も感じません。眠りから自然に目が覚めてぼんやりと思います、まだ生きているんだな、と

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