【作品#27】『空の冒険』
こんにちは、三太です。
最近は詩の授業をしていました。
教科書に3編の詩があって、生徒一人ひとりが語り合いたい詩を選び、グループで語り合うという授業をしました。
普段あまり詩を読まない生徒が多いですが(私も含め)、そんな生徒が詩について熱く語り合う姿は良いなと思った今日この頃です。
では、今回は『空の冒険』を読んでいきます。
初出年は2010年(9月)です。
集英社文庫の『空の冒険』で読みました。
あらすじ
ANAグループ機内誌『翼の王国』の連載の文庫化。
旅や上京をテーマにした12本の短編と11本のエッセイからなる作品です。
短編は現在と過去を行き来しつつ、展開するものが多いです。
エッセイはフランス、アメリカ、ブータンなど外国に訪れて感じたことや、『悪人』という作品を巡る旅で出会ったものなどについて述べられます。
公式HPの紹介文も載せておきます。
出てくる映画(ページ数)
①「女が階段を上る時」
②「緑の光線」
③「居酒屋」
④「火まつり」
⑤「オール・アバウト・マイ・マザー」
⑥「山の音」
⑦「恋人たちの食卓」
⑧「ドライ・クリーニング」
⑨「青の稲妻」
⑩「赤い橋の下のぬるい水」
⑪「ほえる犬は噛まない」
⑫「桜桃の味」
全て短篇のタイトルです。
⑬「恋人までの距離」(p.161)
⑭「海角七号」
⑮「タイタニック」(p.202)
⑯「世界」(p.221)
⑰「悪人」(p.235)
今回は以上の17作です。
「悪人」はすでに見ているので、これから16作見ていきます。
感想
まず、短編のタイトルが全て映画のタイトルでもあったことに驚きました。
『あの空の下で』も映画のタイトルが使われていたので、まさかと思って調べてみると見事に全て映画でした。
公式HPのあらすじには載っていたので、隠しているわけではないと思いますが、こちらはそれを知らなかったので気づいたときには「お~マジか・・・すごい・・・」となりました。
映画と短編のつながりは今後映画を見ながら探していきたいです。
短編については一言感想をまとめていきます。
「女が階段を上る時」→しんどい時に心の支えとなった元アイドル
「緑の光線」→素直に生きる人達に背中を押される
「居酒屋」→人生の酸いも甘いも感じる居酒屋でのひととき
「火まつり」→口下手で、でも良い奴な白井にまつりで会おう
「オール・アバウト・マイ・マザー」→母と娘の関係は世代を超えて続く
「山の音」→山でゆっくり過ごし現実を考える
「恋人たちの食卓」→新入生に優しく対応
「ドライ・クリーニング」→弟と似ている俳優志望の米谷くん
「青の稲妻」→順風満帆からの不採用、そして挑戦
「赤い橋の下のぬるい水」→良い雰囲気からの急展開
「ほえる犬は噛まない」→意味深な犬の登場
「桜桃の味」→さくらんぼの味とともにメールも来た
また、エッセイも良かったです。
エッセイにもいくつか映画ネタが出てきました。
行定勲監督との出会いや海外の旅先で映画館に入るエピソードなどです。
言語がわからずとも雰囲気で映画を味わうという方法もあるんだと気づきました。
あと、『悪人』を巡る旅も良かったです。
どちらもやってみたいです。
緑青赤君色で染める夏
以上で、『空の冒険』の紹介は終わります。
では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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