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【映画#25】「ハンニバル」『パレード』より

こんにちは、三太です。
少し暑さが穏やかになってきました。
夏休みももう終わりを迎えそうです。
しっかりとこの時期に2学期に向けて準備を進めておきたいです。

では、今日は『パレード』に出てきた映画、「ハンニバル」を見ていきます。
『パレード』内に出てくる映画26作中の19作目です。

基本情報

監督: リドリー・スコット
出演者:ハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)
    クラリス・スターリング(ジュリアン・ムーア)
    メイスン・ヴァージャー(ゲイリー・オールドマン)
上映時間:2時間11分
公開:2001年

リドリー・スコット監督は以前紹介した「テルマ&ルイーズ」の監督でもあります。

あらすじ

FBIの女性捜査官、クラリス・スターリング。
彼女はある事件の責任を取らされ、レクター博士を追う任務を任されます。
レクター博士はこれまで少なくとも14人を殺害してきた凶悪犯です。
そのためFBIの十大凶悪犯にも指定されています。

ただ、この任務はFBIの正式なものではなく、ヴァージャーという大富豪からの依頼で行われているものでした。
ヴァージャーはレクターの4番目の犠牲者であり、皮がはがれ、顔が大きく崩れています。

レクターはイタリアに潜伏し、カッポーニ図書館というとても荘厳な図書館で司書となります。
そこでも、レクターは事件を起こします。
ヴァージャーの手下もレクターに殺され、今度はクラリスの手を借りず、力づくでレクターを捕らえます。
自らの邸宅にレクターを拉致し、復讐を果たそうとするのですが・・・。

                                レクター博士とクラリス

設定

カニバリズム

感想

「すごいものを見たな・・・」というのが率直な感想です。
かなり有名な作品なので、その名前は知っていました。
今回、初めて見て、大体は想像していたような作品でした。
けれども、少し想像と違ったのは、レクター博士が何でもできる、かつ教養が深いという点です。
イタリアの歴史について詳しかったり、(これはある殺人と結びつきます)ダンテの詩についてもそれを引用して話したりします。
だからといって凶悪であることは変わりませんが、野蛮さは少し薄らぐのかなと思いました。

ヴァージャーの最後はけっこう衝撃的でした。
大富豪ではありますが、とことんついていない人でした。
それだけ悪いことをしてきたんでしょうか。
レクターは色んな人を殺してきたわけですが、クラリスには決して危害を加えることはしません。
この2人は10年前からの因縁らしいですが、そこについては謎が残りました。
(「羊たちの沈黙」の続編なんですね。見終わった後に色々調べている中で知りました)

その女だけは守るとそぞろ寒

その他

『羊たちの沈黙』の続編。
アメリカ・イギリス・イタリアの合作映画。

『パレード』内の「ハンニバル」登場シーン

結局、高品さんが選んだ映画は「ハンニバル」だった。チケットを買う彼の後ろに並び、彼のあとについて劇場に入った。(中略)高品さんの二列後ろの席で映画を観た。途中、サウナの仮眠室であまり眠れなかったこともあり、少しだけ居眠りをしてしまったが、映画は評判通りグロテスクで面白く、最後にレクター博士が男の頭を割って脳みそをスプーンで掬って食べるシーンなど、思わず「ウオッ」と声を上げてしまいそうになった。ふと、二列前の高品さんへ目を向けると、同じように身を乗り出してスクリーンに齧りついていた。

『パレード』(pp.216-217)

小窪サトルが、ロッテリアで見かけた初老の男性、高品さんを尾行しているシーンです。
サトルが高品さんを尾行した理由は特になく、本文にも「なんとなく」と書かれています。
高品さんはロッテリアを出て、歌舞伎町映画街に行き、そこで「ハンニバル」を見ます。
サトルの性癖(見ず知らずの人についていく、見ず知らずの人の家に入る)を表すエピソードの中で、映画が使われているという感じです。
ちなみに脳みそのシーンは確かにあって、私はウオッっというよりも、どうやってこれを撮れるんだろうということに頭が行ってしまいました・・・。

吉田修一作品とのつながり

罪を扱っている
今回も前回の「ロンドン・ドッグス」に続き、罪を扱っていましたが、さらにスケールが大きいのかなとも思います。

以上で、「ハンニバル」については終わります。

それでは、読んでいただき、ありがとうございました。

画像の出典:映画ドットコム「ハンニバル」

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