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【本#1】平熱『発達が気になる子の育て方』

こんにちは、三太です。

このnoteでは「吉田修一さんの作品をもとにした映画ガイド」を作っています。
もちろんこれからもそこが軸になるのですが、中学校教員ということもあり、仕事のベースは当然「教育」にあります。
「教育」についてあれこれ本を読んだり、考えたりすることは普段からたくさんあるのですが、せっかくならそれもアウトプットしてみたいなと考えました。
月に1本ペースぐらいで「教育」に関する記事(主に本のまとめになると思いますが)をあげていこうと思います。

ということで、今回はこちらの作品を読みます。

今、自分が「教育」で興味のある分野が「発達障害」です。
昨今、「発達障害」と診断される児童・生徒は増えてきたと言われています。
もちろん大学での勉強や職場の研修でも「発達障害」について学んでいますが、受け身な部分もあり、今一つ血肉と化していない感じがあります。
「目の前の生徒に対して自分ができることは何か」という問題意識を持ちながら、この一年で改めて学び直していきたいと考えています。

ちなみに今回この本を手にしたのは「書店で見かけたから」というのが大きな理由です。
その時に見た表紙の言葉「特別支援教育は全人類に有効です。」という言葉に惹かれました。
その真髄を味わっていこうと思います。


要約

本書は、著者が特別支援学校の勤務で得た知見をもとに語った教育書です。
特別支援教育のポイントをもとに、子どもを育てるときに大事な視点が語られます。
またこのような場面ではどうしたらいいかという問いに対して、具体例をまじえて著者が答えるという章もあり、目の前に子ども(児童生徒)を思い浮かべながら読むことのできる本です。

感想

本書を読んで、まず一番重要だと感じたのは「目の前にいる子どもをしっかり見て知ること」です。
もうこれに尽きるかなと思いました。
特に「発達が気になる子」ということでいうと、例えば、「何ができて何ができないのか」などを見ていくことになります。
その上で著者は、苦手なことと向き合うときには「できたほうがいい」と「できなくてもなんとかなる」を同時に持つことも重要だということを言っています。(p.43)
この考え方も大事にしたいです。
 
また「特別支援教育は全人類に有効です。」というキャッチコピーは本当にそうだなと思いました。
「視覚支援」「課題の分解」「スモールステップ」「見えないところを考える」「失敗できない環境を整える」などの特別支援教育の考え方は色んなものに生かせます。
実際この本を読んでいて、自分が真っ先に思い浮かべたのは、部活動でのバスケットボールの指導でした。
「やって見せる」(あるいはお手本の動画を見せる)や「メニュー作り」、「ルールの設定」など色んなことがつながるなと思いました。
 
そして、この本はただ勉強になるというだけではなく、ユーモアがあり、比喩も秀逸です。
例えば、こんな感じです。

(ひとりでいても大丈夫という文脈の中で)安心してください。この原稿だってそうです。
街ゆく幸せそうなカップルを横目に「自分の役割」を果たすため、ひとり喫茶店でキーボードをパチパチやって書き終えました。
12月24日 雪降る街の喫茶店でー

『発達が気になる子の育て方』(p.214)

(人との適切な距離感を述べる文脈の中で)とりあえず「初対面」でも「顔見知り」でも、膝に座ろうとしたり手をつなごうとするのは基本的にアウトです。
とくにここジャパンでは、密な身体的接触が許されるのは家族(と恋人)くらいです。あとはワールドカップでゴールを決めるしかありません。

同上(p.232)

そのため非常に読みやすい本でもありました。
 
今回は平熱『発達が気になる子の育て方』の紹介でした。
特別支援教育の手法を日々の教育活動に生かしていこうと思いました。
 
それでは、読んでいただき、ありがとうございました。

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