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【映画#124】「イージー・ライダー」『おかえり横道世之介』より

こんにちは、三太です。

暑い日が続きますね。
7月ラストの投稿となりました。
4月から週1投稿としていましたが、8月は少し余裕がありそうなのでいったん週2投稿に戻したいと思います。

では、今日は『おかえり横道世之介』に出てきた「イージー・ライダー」を見ていきます。
『おかえり横道世之介』に出てきた映画9作のうちの7作目です。


基本情報

監督:デニス・ホッパー
出演者:キャプテンアメリカ〈ワイアット〉(ピーター・フォンダ)
    ビリー(デニス・ホッパー) 
    ジョージ・ハンセン(ジャック・ニコルソン)
上映時間:1時間35分
公開:1969年

あらすじ

クスリを密売しお金を稼ぐキャプテンアメリカ(ワイアット)とビリー

       右がキャプテンアメリカ、左がビリー

二人は手にしたお金を元手に、謝肉祭を目指し、愛車のバイクでアメリカを駆け抜けます。
途中、二人にはいい出会いもありますが、基本的にはその身なりを理由に色んなところで反発を食らいます。
そんな二人の旅の終わりは唐突で、そして強烈です。

音楽とアメリカの壮大な景観が素晴らしい、ロードムービー

設定

・ロードムービー
・自由とアメリカ
・狂気と頽廃

感想

音楽と壮大な景色が素晴らしいので、はじめはただ単に旅をしたくなる映画だなと思っていました。
けれども最後まで見てみてそれだけでなく、深いメッセージもある映画だなとも感じました。

クスリをしたり、酒をたらふく飲んだり、女を買ったり、愛車でアメリカを駆け抜けるキャプテンアメリカとビリーの二人はいわゆる「自由」を体現する存在です。
その二人の最後の結末は、アメリカという国に、もうその「自由」はなくなったということを象徴しているのかなと思います。
アメリカが嫌な国になってきたというセリフを登場人物が言うくだりはその少し前に出てきます。

ただ、それにしても終盤の雰囲気の変わりようは、そこまでの展開と比べて異様です。
結末だけでなく、その前に出会った娼婦たちとの墓地らしきところでのやり取りも狂気と頽廃という言葉が浮かぶような映像です。
キャプテンアメリカとビリーについての人物像の掘り下げはほとんど見られないですが、二人のこれまでの人生を、そしてあり得たこれからの人生をもっと知りたくなりました。

炎天に自由の欠けた星条旗

その他

・ウィキペディアより
→反体制的な若者2人がコカイン密売で儲けた大金をタンクに隠し、真のアメリカを求めてオートバイで放浪の旅に出る二人のヒッピーを描いたもの。特にステッペンウルフによる主題歌「ワイルドでいこう!(BORN TO BE WILD)」が高い知名度を誇る。

1969年カンヌ国際映画祭新人監督賞を受賞し、第42回アカデミー賞で助演男優賞と脚本賞にノミネートされるなど高い評価を得た。1998年にはアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録された。オリジナルマスターがしばらく行方不明となり存続が危ぶまれたが、その後発見され、DVD化された。

→デニス・ホッパーはデヴィッド・リンチの「ブルー・ベルベット」にフランク・ブース役で出演している。

『おかえり横道世之介』内の「イージー・ライダー」登場シーン

「無理だよ、無理無理。アメリカで運転なんて無理無理」
もちろん世之介は全力で拒んだのだが、コモロンも引かない。
「大丈夫だって。アメリカは日本と比べて道が倍くらい広いから、絶対にぶつからないって」
「いやいや、車の大きさだって倍じゃん」
と押し問答の末、その夜、コモロンに無理やり観せられたのが、『イージー・ライダー』と『テルマ&ルイーズ』と『キャノンボール』だった。

『おかえり横道世之介』(pp.193-194)

「イージー・ライダー」が出てくるのはコモロンに誘われて世之介がアメリカに行くシーンです。
コモロンは車の免許を持っておらず、世之介に運転を任せるため旅行のお金を出します。
そして、運転させることを説得するため「イージー・ライダー」はじめ3本の映画を見せます。
ちなみに、このあと世之介ははじめの2本では心が動かされなかったが、ラストの「キャノンボール」でいけそうな気がしたと話します。
何か違いがあるんですかね・・・!?

吉田修一作品とのつながり

・ラストの破局に至る感じが『悪人』のようです。

以上で、「イージー・ライダー」については終わります。
シンプルに旅をしたくなる、そして深いメッセージ性も兼ね備えた映画でした。

それでは、読んでいただき、ありがとうございました。

出典:「映画ドットコム」

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