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【映画#20】「ブルーベルベット」 『パレード』より

こんにちは、三太です。
ついに映画紹介が20作目に到達しました!
今年に入ってからnoteを初めて、本格的に映画を見始めたので、けっこう見てきたなぁという感慨があります。
これからも楽しく続けていきたいです。

では、今日は『パレード』に出てきた映画、「ブルーベルベット」を見ていきます。
『パレード』内に出てくる映画26作中の11作目です。

基本情報

監督:デイヴィッド・リンチ
出演者:ジェフリー(カイル・マクラクラン)
    ドロシー(イザベラ・ロッセリーニ)
    サンディ(ローラ・ダーン)
上映時間:2時間
公開:1986年

あらすじ

ジェフリーという青年が主人公。
父が倒れたため、大学から地元に帰ってきます。
父の見舞いの最中に、野原で人間の耳を見つけたところから話は展開していきます。
その耳のことをウィリアム刑事のところに相談に行ったところ、その娘のサンディが色々と事件に関することを教えてくれます。
サンディの助言をきっかけに、ジェフリーの謎を解きたいという欲望に火が付きます。
その事件にどんどんと深入りしていき、ドロシーという女優が鍵となることを突きとめます。
けれども、ドロシーは監禁状態なのでした。
ジェフリーはさらに危険なことに巻き込まれていきます。
「ブルーベルベット」というのはドロシーがパブで歌う歌の歌詞に出てきます。

設定

事件が起こる
倒錯的行為
三角関係

感想

あらすじを書いてみると、なんとなくわかったような気になるのですが、実は謎解きあり、恋愛あり、三角関係あり、LGBTあり、暴力ありと色んな要素が入った作品となっています。
また、勧善懲悪で捉えきれないところもこの作品にはあります。
サンディとドロシーに対するジェフリーの関係では、「いやいや、ちょっとジェフリー、都合よすぎじゃない!?」という感じがしたのですが、この映画を見られた方はどうでしょうか?
ただ、ジェフリーが対峙する相手の狂気は半端ではなく、その狂気に対峙するためには、清濁併せ呑むような対応が必要だったのかもしれません。
ちなみに、サンディ役のローラ・ダーンはどこかで見たことがあるなと思っていたら、以前紹介した「ワイルド・アット・ハート」のルーラ役をしていたのでした。

そこでもう一つ気づいたのが、どちらの映画も監督がデイヴィッド・リンチで、言われてみれば映画の雰囲気が似ているなとも感じました。(色んなテーマが詰め込まれている感じ)
むしろこちらの映画の方が「ワイルド・アット・ハート」よりも先でした。

ジェフリーの都合が良くて油照り

その他

この映画にもLGBTが描かれていました。
ウィキペディアより
→監督のデイヴィッド・リンチは本作で知り合ったイザベラ・ロッセリーニとの交際が2度目の離婚のきっかけとなった。

『パレード』内の「ブルーベルベット」登場シーン

そして、そのビデオテープには、私が知っている限りの映画に出てくるレイプシーンが録画されている。ちょうど『ニュー・シネマ・パラダイス』という映画のラストで主人公が観る、キスシーンばかりを繋ぎ合わせたフィルムのように、何十という映画のレイプシーンばかりが、このSONYの120分テープにはまとめられている。『告発の行方』ではジョディ・フォスターがピンボールマシンの上で犯される。『時計じかけのオレンジ』では「雨に唄えば」のリズムに乗って女が犯される。『ブルックリン最終出口』『ブルーベルベット』『テルマ&ルイーズ』どの女も「お願い、やめてえ」と泣き喚く。『わらの犬』『処刑教室』男が復讐劇のヒーローを演じるためにも女は犯される。グリナウェイの『ベイビー・オブ・マコン』ベルイマンの『処女の泉』。吐き気がするほど、次々と女たちが犯されていく。他のシーンは一切ない。ただ、レイプシーンだけが延々と続く。

『パレード』(p.153)

前回紹介した「ブルックリン最終出口」の引用の続きになります。
倒錯的行為としてそのようなシーンがありました。

吉田修一作品とのつながり

具体的な指摘は難しいのですが、様々な要素が詰め込まれている感じは、『平成猿蟹合戦図』を彷彿とさせました。
 
 
以上で、「ブルーベルベット」については終わります。

それでは、読んでいただき、ありがとうございました。

画像の出典:映画ドットコム「ブルーベルベット」

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