【映画#95】「怒り」
こんにちは、三太です。
この連休中にバスケ部の新人大会がありました。
勝てるかもしれない、少なくとも競れるだろうと思っていたチームに大敗を喫しました。
選手の足りないものもありましたが、それ以上に自分自身の足りないものの方がもっと見えました。
選手に教えてもいない、あるいは普段していないことを出来ていなくて感情的になっている自分がいました。
また一から出直します。
では、今日は映画「怒り」を見ていきます。
吉田修一の同名小説を原作としています。
基本情報
監督:李相日
出演者:槙洋平(渡辺謙)
愛子(宮﨑あおい)
田代(松山ケンイチ)
藤田優馬(妻夫木聡)
大西直人(綾野剛)
田中(森山未來)
泉(広瀬すず)
辰哉(佐久本宝)
音楽:坂本龍一
上映時間:2時間22分
公開:2016年
あらすじ
八王子郊外で起きた夫婦殺害事件。
容疑者とされる山神一也が逃走して一年。
日本の3つの場所に現れた謎の男。
千葉の漁村に住む、洋平・愛子父娘のもとに現れた田代。
東京に住むゲイの藤田優馬がサウナで出会った直人。
沖縄の離島に移住した泉とその友達、辰哉が無人島で出会った田中。
山神を追う警察。
そして、三人の男たちはそれぞれ山神ではないかと周りから疑われていきます。
事件そのものというよりも、人を信じることを主題に取り上げた作品。
設定
・人の多面性
・事件の核心は謎のまま
・ずらし
感想
映画を見おわって、いつも「この映画のポイントはここだったな」と考えます。
ただ、この映画はそんなこちらの単純な解釈を拒むように、登場人物たちの心情を複雑に描き込んでいるなと感じました。
それだけ何度も味わえる作品だとも言えそうです。
この映画では、犯人よりも、謎の男に翻弄される市井の人達の心情がメインで描かれます。
ここは原作とも同じなのですが、そのずらす感じは吉田修一『さよなら渓谷』の解説で映画監督の柳町光男さんが指摘していたように、映画「サイコ」のようで、映画的な演出にも思えました。
この映画のエンディングは原作とはまた少し違う展開をします。
この展開も私はありだなと思いました。
演技としては、どの俳優も素晴らしいと思うのですが、私はやはり妻夫木聡さんの演技が一番好きです。
登場人物の心がその演技から伝わってくる気がします。
演出では、途中まで犯人の姿が三人ともに見えて(松山ケンイチさん、綾野剛さん、森山未來さん)その点がとても上手かったです。
演技にて味わう心とろろ汁
その他
・オープニングの上からの町の映像は映画「隣の女」のオープニングと重なるなと感じました。
・ウィキペディアより
→李が吉田修一の作品を映画化するのは、興行収入19億円超のヒット作となった『悪人』に続き2度目。
小説『怒り』との相違点
①愛子がぽっちゃりしていない(それでも映画ドットコムのインタビュー記事によると、宮崎あおいさんは役作りのため、7㎏増量したそう)
②優馬の兄と兄嫁が出てこない
③田中が民宿で大暴れする
④警察の北見と美佳のやりとりはない(美佳は出てこない)
⑤泉の母のエピソードが出てこない
→映画ではより主題を鮮明にさせるために取捨選択が行われたのだと思います。
以上で、「怒り」については終わります。
小説『怒り』が見事に映像となっていました。
豪華俳優陣が揃いぶみなのも見物です。
それでは、読んでいただき、ありがとうございました。
出典:映画ドットコム「怒り」
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