【映画#80(72・73の間)】「ラストエンペラー」『横道世之介』より
こんにちは、三太です。
この連休にバスケットボール部の大会がありました。
結果は負けてしまいました。
色々もっとこうだったらな・・・と思わなくもないですが、3年生がベストを尽くして、最後やりきった感じでいてくれたのでよかったです。
何より3年生がいない練習をこれからしていくのが寂しいです(まあこれは毎年感じます・・・)
今回出た課題をしっかりと克服できるよう、また1・2年生とともに頑張っていきたいと思っている今日この頃です。
では、今日は『横道世之介』に出てきた映画、「ラストエンペラー」を見ていきます。
『横道世之介』に出てくる4作の映画のうちの3作目です。
ようやく借りられたので、少し遅くなりましたが見ました。
基本情報
監督:ベルナルド・ベルトルッチ
出演者:愛新覚羅溥儀(ジョン・ローン)
婉容(ジョアン・チェン)
レジナルド・ジョンストン (ピーター・オトゥール)
甘粕正彦(坂本龍一)
上映時間:3時間39分
公開:1987年
坂本龍一さんが出演しておられたことにけっこう驚きました。
あらすじ
時代に翻弄された男、最後の皇帝、愛新覚羅溥儀。
映画内で現在と過去を行き来しながら、溥儀の即位から亡くなるまでを描く一代記です。
映画内の現在は1950年の満州、中ソ国境から始まります。
溥儀は戦犯として連れてこられた駅の構内で自殺しようとしていたところを助けられ、そのまま戦犯管理センターに収容されます。
その溥儀が自ら回想したり、尋問を受けたりしながら、過去が描写されます。
過去は1908年の北京からの始まりです。
溥儀は2歳で皇帝として即位します。
まだ乳飲み子でした。
その後、どんどん溥儀は成長し、前時代的な因習との格闘などをします。
そして溥儀が時代のうねりに巻き込まれていく様も描かれます。
そこには日本の存在も大きく関わっていました。
溥儀を中心として、乳母のアーモ、家庭教師のレジナルド・ジョンストン、日本側のスパイ、甘粕など個性的な登場人物が魅力的な作品でもあります。
設定
・中国大陸
・主に満州
・一代記
感想
とりあえず、スケールがひたすら大きかったです。
紫禁城は大きいし、そこに携わる人の数も日本とは桁が違うという感じです。
音楽とともに壮大な雰囲気がよく伝わってくる映画でした。
溥儀をはじめ、日本側のスパイの甘粕など、時代が違えばもっと幸せに生きられた人は多かったように思えました。
基本的には幸せになった人は少ないです。
他にも皇后は子どもを授かりますが、(しかも溥儀との子ではない)おそらく医者に殺され、そして自分はアヘン中毒となります。
溥儀の第二王妃は離婚して家を出て行きます。(前時代的な考えでは第二王妃という立場を受け入れられましたが、西欧の考え方が入ってきたことによって、耐えられなくなりました)
溥儀が収容された戦犯管理センターの所長は毛沢東の時代となると、紅衛兵に犯罪者扱いされています。
個人個人のそのような状況からも時代の大きなうねりが感じられました。
別にそこまで悪いことではないのですが、中国なのに皆、英語を使うのには若干の違和感はありました。
また歴史を知っていたらもっと面白いんだろうなとも思いました。
炎天に見る皇帝の一代記
その他
・ウィキペディアより
→第60回アカデミー賞:作品賞、監督賞、撮影賞、脚色賞、編集賞、録音賞、衣裳デザイン賞、美術賞、作曲賞。
→ピーター・オトゥールは「アラビアのロレンス」のトーマス・エドワード・ロレンス役。
『横道世之介』内の「ラストエンペラー」登場シーン
この引用は「二月」の一節です。
世之介と加藤という登場人物の会話です。
ちなみにここで言われている「そんなの」とは『紫禁城の黄昏』という本のことです。
「ラストエンペラー」にも出てくるレジナルド・ジョンストンが書いた本です。
以前「ナイルの宝石」を見たときに、どちらかというとシンプルでわかりやすい映画だったので、「ラストエンペラー」は考えさせられるものかなと書いていました。
確かに、溥儀の一代記を通して、数奇な運命について色々と考えました。
しっかり会話や地の文とかみ合っているのかなと思います。
あとは公開が1987年なので、世之介の過ごす時間とも合っており、吉田修一さんの映画への知識の深さも垣間見えます。
もしかして、大学時代にリアルタイムで見られていたのかもしれません。
吉田修一作品とのつながり
・ある人物の一代記を描くのは『国宝』とつながります。
以上で、「ラストエンペラー」については終わります。
中国の歴史に改めて興味を持てました。
以前読んだ小川哲『地図と拳』とも関わりがあるように思いました。
それでは、読んでいただき、ありがとうございました。
画像の出典:映画ドットコム「ラストエンペラー」
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