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【映画#43】「7月24日通りのクリスマス」

こんにちは、三太です。

先日、授業で語彙クイズというものをしました。
生徒は一人一人語彙ノートというものを書いて、知らなかった語彙を記録しています。
それを使って、グループになりクイズを作成し出題するという趣向です。
タブレットを巧みに使い、クイズを盛り上げてくれました。
もちろん自然と語彙の発見にもなります。

では、今日は映画「7月24日通りのクリスマス」を見ていきます。
吉田修一『7月24日通り』を原作としています。

ちなみに、『7月24日通り』に出てくる2作、「秋菊の物語」「てなもんや商社」はまだ見られていません。
吉田修一さんがオススメする映画は玄人向けなのか、簡単に借りられないです。

基本情報

監督:村上正典
出演者:奥田聡史(大沢たかお)
    本田サユリ(中谷美紀)
    森山芳夫(佐藤隆太)
    安藤亜希子(川原亜矢子)
    真木勇太(劇団ひとり)
上映時間:1時間48分
公開:2006年

あらすじ

舞台となるのは長崎の町。
この長崎の町をポルトガルのリスボンに見立てて生活している、少し夢見がちな女性、サユリが主人公。
サユリは大学時代の演劇部の先輩、聡史に憧れていました。
その聡史が演劇部のOB会で久しぶりに長崎を訪れます。
サユリは色んな人に手助けしてもらい聡史にアタックします。
なんとかデートの約束を取り付けますが、聡史には亜希子という元カノが近づいてきます。
サユリはその気配を察知し、自分にはやはり不釣り合いだったかとショックを受けます。
そして、サユリにもサユリのことを思う人が現れます。
そんな中、サユリの弟、耕治が結婚式を挙げます。
そこでサユリにもう一度決意を抱かせる出来事が起こります。
クリスマスに向け、サユリの恋はどうなるのでしょうか。

設定

・クリスマスの恋愛
・いくつもの三角関係
・長崎が舞台

感想

劇団ひとりが演じる真木やポルトガル人らしき親子(?)の登場など、随所にコメディタッチが見られますが、しっかりとフィナーレに向けて恋にフォーカスしていきました。
夢見がちな女性の恋愛のお話でした。
この「夢見がちな」というのが地味に重要で、だからこそサユリは長崎の町をリスボンに見立てていますし、聡史の今ではなく憧れだった過去の幻影を追いかけてしまいます。
もちろんサユリは自分の夢見がちな部分に気づき、しっかりと現実の一歩を踏み出します
そういう意味で恋をする女性への応援歌となるような作品でもあると思いました。
聡史は舞台の照明のデザイナーという役柄です。
決して俳優側ではないところがみそなのかなと思いました。
王子様なら舞台に立つのではないかなと。
きっと聡史には聡史なりの悩みがあり、それがサユリを思いやれる行動につながっているのだと思います。
小説では決して出すことはできませんが、リスボンのきれいな街並みを見ることができるのはやはり映像の強みだと感じました。
最後に出てくるグレースハンセンの名言「人生が終わってしまうことを恐れてはいけない。人生がいつまでも始まらないことが怖いのです」がこの映画の本質を突いていると思いました。

リスボンの通りで君とクリスマス

その他

・『7月24日通り』が原作
・原作との違い
→原作でクリスマスは関係ないが、映画はクリスマスに向けてフィナーレを迎える
→サユリに気がある芳夫というキャラの設定
→真木がいることによってコメディタッチに
・サユリに母がいない設定は何を表すのでしょう

以上で、「7月24日通りのクリスマス」については終わります。
ここでいったん『7月24日通り』に関する作品群の紹介も終わりになりますので、次回から新たな作品に入っていきます。

それでは、読んでいただき、ありがとうございました。

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