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【映画#62】「男と女」『あの空の下で』より

こんにちは、三太です。

新年度になりました。
子どもたちが本格的に学校に来るのは来週からなのですが、もうすでに色々と準備が目まぐるしく若干疲れてきた感じがします。
これはまずい・・・。
心身ともにいい状態で来週を迎えたいと思っている今日この頃です。
ただ、新たな出会いもあり、そういう意味でいうと気持ちはリフレッシュしています。

では、今日は『あの空の下で』に出てきた映画、「男と女」を見ていきます。
『あの空の下で』に出てくる14作の映画のうちの3作目です。

基本情報

監督:クロード・ルルーシュ
出演者:デュロック(ジャン=ルイ・トランティニャン)
    アンヌ(アヌーク・エーメ)
    ピエール(ピエール・バルー)
音楽:フランシス・レイ
上映時間:1時間43分
公開:1966年

あらすじ

海の近くの堤防で、母親が女の子に赤ずきんの話をするシーンから物語は始まります。
この母親の名はアンヌ


                                               アンヌ

アンヌは自分の娘を寄宿舎に預けています。
アンヌはそこである男性と出会います。
男性の名はデュロック。


                                              デュロック

デュロックもアンヌと同様、自分の息子を寄宿舎に預けていたのでした。
この二人がタイトルにある「男と女」です。

ある晩、子どもを預けて帰ろうとしたアンヌが汽車に乗り損ねてしまい、デュロックに車で家まで送ってもらいます。
この出来事をきっかけに、二人はお互いの仕事のことを聞いたり、パートナーを亡くしているという同様の境遇を聞いたりすることによって、急速に距離を縮めていきます。
そして、二人の恋の炎は熱く燃え上がり、ついに結ばれることになるのですが・・・。
そう簡単には振り切れない過去を持つ人間の物語です。

設定

・パートナーを失ったもの同士の恋愛
・寄宿舎に預けた子ども
・ル・マン耐久24時間レース、モンテカルロ・ラリー

感想

美しいアンヌ、レーサーとして活躍するデュロック。
彼らを通して、人間の心情の機微が描かれていると感じました。
自分から愛していると言ったのに・・・過酷なレースが終わった後のパーティーをキャンセルしてまで遠い距離を車で自分のところまで来てくれたのに・・・それでも離れないあの人との「二人の影」。
そう簡単に気持ちって切り替えられないですよね。
というところからのもうひと展開がこの映画の醍醐味です。
そして、相手を思う心情が見えるような演出も良いです。

またこの映画は要所要所で音楽が効果的に歌詞とともに、ストーリーと組み合わされ、音楽と深く結びついた映画となっていました。
そして、カラーのシーンとモノクロのシーンが使い分けられているのですが、その使い分けの基準については(これだとは言い切れないのですが、)鮮明な思い出や自分にとって生き生きとしたことがカラーで表されているのかと思いました。

どこまでも二人の影よ花曇り

その他

・カラーとモノクロの使い分け

ウィキペディアより
→カンヌ国際映画祭でグランプリ(当時)を受賞し、クロード・ルルーシュの名を世界に知らしめた。
→本作は、クロード・ルルーシュの出世作とも言うべき作品
→ピエール・バルーは私生活では、『男と女』で共演したアヌーク・エーメと1966年に結婚したが、3年後に離婚。

『あの空の下で』内の「男と女」登場シーン

短篇のタイトルの一つとして出てきます。
 
吉田修一が書いた「男と女」は慎吾という語り手が仕事中、道に迷って偶然辿りついた広場を契機に、大学時代に付き合っていた彼女、ゆりことの思い出を振り返る物語です。
もともとゆりこはサークルの先輩の彼女で、慎吾は一方的に想いを寄せていました。
ただ、その先輩とゆりこの関係が冷え切っていたということもあり、慎吾はゆりこと付き合うことになります。
大学の最後の1年間はずっと一緒に生活するほどでした。
しかし、働き始めるとお互い距離ができ、ちゃんとした関係は解消するのですが、慎吾は時々ゆりこに会いたくなり連絡をして会いにいきます。
ただ、そんな関係も長くは続きませんでした。
という感じの話です。
映画との共通点としては「自分が想いを持つ相手は、別の誰かを想っている」ということが挙げられると思います。

吉田修一作品とのつながり

・大事な人の不在(実の親の不在をもう少し抽象化して)

以上で、「男と女」については終わります。

それでは、読んでいただき、ありがとうございました。

画像の出典:映画ドットコム「男と女」 

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