客席が全員「おのれ、八汐!」て思ってそう_2024年5月『團菊祭五月大歌舞伎』 夜の部
伽羅先代萩今回は「御殿」と「床下」の場。
■御殿
誰がすごいって、
千松役の尾上丑之助(9歳)と、鶴千代役の中村種太郎(8歳)。
かつて、これほど存在感を放って物語を引っ張った千松と鶴千代がいただろうか。
母・政岡(父・尾上菊之助)の窮地、いいやお家の窮地を救うのは、幼い千松だ。
今回の千松は間違いなく、この舞台をも救っていた。
飯炊きの場面で政岡に、歌って鶴千代のご機嫌を取りなさいと言われて、千松は歌い始めるが、途中で空腹の辛さも強がりも限界に達して、ついに泣き出