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のらぼこちゃん

のらぼこちゃん、いつも おっきな声で呼ぶ。それは ありきたりな「ごはんくれー」かもしれないし 「こんにちはー」かもしれない。
とにかくおっきな声で呼ぶ のらぼこちゃん

下の牙が長め、鳴き声も長め

これでも 女の子
人間で言ったら100歳くらい。おばあちゃんか。
そう22歳。そろそろ 尻尾が分かれてくるんじゃないかという頃
さび猫で模様がいまいち可愛くない。でもとっても優しいおとなしい子
訳あって外飼猫。

最近は、なぜか 時々畳のお部屋にやってきて寝てた

あれはまだ自分が学生の頃、近所に野良猫のチャトラがいた
メス。窓の外に来てはじーっと見てるものだから、当時、母親が餌を時々やっていたようだ。そうこうしているうちに、なんとなく毎日来るようになった。決して慣れはしなかったけど、最初よりもずいぶん近づいてくるようになった。
今思えば、子供がいたからご飯を食べる必要がある。お腹が空いていたんだろう。
ある時、1匹の子猫を連れてきた。親と一緒にきたけれど、最初はしゃーしゃー威嚇して、暗がりの中、悪魔のような模様に見えたことも手伝って凶暴に見えた。これが のらぼこちゃんとの出会い。

ひなたぼっこが大好き

このままでは、また不幸な野良猫になってしまうと思い、捕獲して増えないように手術して家で面倒を見てやろうと思った。毎日親子で餌を食べにきては、でもシャーシャー言うわけで。でも、もしかしたら「ありがとう!」って言っていたのかもしれない。餌付けを始めて1ヶ月ほど経った頃、子猫に触ることができた。もう1週間くらいしたら捕獲できた。その翌日くらいに動物病院に連れて行き、施術し晴れて我が家の猫仲間入りをした。ただ、当時家の中には5匹のヒマラヤンがいて、家の中で買うわけにはいかなかったことと、まだ母親猫と一緒にいたので、そのままの状態でもいいかなと思ったことが理由だ。そして、そのまま外飼いの猫になって20年以上が経過した。野良猫の子供だから「のらぼこ」ちゃんだ。

ふかふかのお布団がお気に入り
おとなしくって

女の子だが、男らしいフェイスカラー
女の子だが、野太く低い声
でも無駄な喧嘩をしたことも、誰かをいじめたこともない
本当におとなしい優しい子
でも、毎日朝の四時くらいに大きな声で「ごはんくださーい」と叫ぶ
いや?もしかしたら「おはようございまーす」かもしれない

毎日もりもりご飯をたべ、今日も元気に食べた。まだまだあと3年は余裕で生きてくれるんじゃないか、こうなったらギネスに挑戦くらいの気持ちで、毎日お話ししていた。今夜は美味しそうなペーストタイプのご飯をあげようと思って冷蔵庫に用意してた。


今日、お空にのぼっていった。とてもかわいそうな申し訳ない理由で。
交通事故。。。
仕事中にショッキングな連絡、急遽時間休をとり病院に駆け込んだ。土曜日だからかかりつけの病院は空いておらず、これまた急遽探したお医者様だったが、快く緊急診察をしてくれて。酸素吸入も心臓マッサージもしてもらったけど、のらぼこちゃんは、外傷もなく、まるで寝ているかのようだった。本当は寝てるんじゃないのかな?ねえ、ぼこちゃん?
のらぼこちゃんは帰ってきてくれなかった。。。

今夜もうあの柔らかい毛にさわれないとは夢にも思っていなかった。明日の朝もその次の朝も、もう「おはようございまーす」とは言ってくれない。

くやしいな。。。こんな別れ方。避けられた事故だったと思う。自分が近くにさえいたら。。。。後悔しか押し寄せない。どんなに悲しくても涙を流してものらぼこちゃんは帰ってこない。でもまだ、腕に抱っこした時の重みと温かさがあるような気がして。。。せめて夢に出てきて欲しいな。




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