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春のような温かさがいつもある学校に… 君のように行動できる人がどれほどいるだろう 〜心の宝物175

🌷朝の教室で


コロナ機の学校
朝の会が始まる少し前、入り口での健康チェックも終わり、4年生の教室では、ほとんどの児童が荷物の整理や、宿題等の提出を終え、席に着いていました。

隙間の時間です。
ぎりぎりまで、というよりも、チャイムが鳴って、着席するように、当番の児童や担任の先生が大きな声を出すまで、下手をすると、そうされても、席を離れて、よそ事やおしゃべりに興じる姿がありがちな時間帯ですが、そうでない自分を選びとっている一人一人の力に、学級としての育ちに感心しながら子供たちの様子を眺めていました。

そのとき、ふわりと彼が席を立ちました。そうして前に出ると、教卓等に提出されているノートやプリントを整え始めました。

元来そういうところに敏感な私が、全く気にならなかったので、提出されたものが整っていなかったわけではありません。寧ろ、今自ら席に着いて開始を待っているように、一人一人が心を配って提出したり、途中整えたりした気配は十分に伝わる状況でした。

🌷「まだ時間があったから」という理由で君のように行動できる人がどれほどいるだろう


彼は、ノートやプリントの一つ一つの山を、より丁寧に整えていきました。机の上に、とんとんとたたいて角を揃える。ノートは、互い違いにしてバランスを取る。ごく短い時間で手際よく整理し、まずまず整っていた提出物の山は、輝きを放つように一層美しくなりました。
「ありがとうね」
ベテランの担任の先生はそんな彼を見逃さず、心からうれしそうに声をかけました。彼は照れ臭そうに、にこっとして、席に戻っていきました。

どうしてそうしようと思ったのか、後で彼に尋ねてみました。
「自然に目に入りました。まだ少し時間があったので、どうせならきれいにしようと思って」
明るいお調子者で、ときにたしなめられるような一面もある彼が、至極真面目に答える表情はとても愛しく、頼もしく見えました。

「どうせなら」で行動したんだね。私たちはその言葉を、何をしてもだめだ、何も変わらないというように、物事をあきらめるときにつかう。しかし、君の言葉からは、自分の力でよりよい結果を創ろうと決意が伝わる。

ひょっとすると、言葉の使い方としては、「せっかくだから」の方が似つかわしいかもしれないね。しかし、君の言葉は、そんな小理屈を超える強さで、私の心に届いたよ。
同じ状況で、君のように行動できる人がどれほどいるだろう。

「まあいいや」でなく「どうせだったら」
私も、ことあるごとに、そう呟いて、自分の言葉や行動を決めていくことを、君に約束するよ。

そんな思いで、お伝えしました。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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