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春のような温かさがいつもある学校に… 優しい物腰は、あなたの一部であって決して全てではない 〜心の宝物117

🌷優雅に、柔らかく、細やかに
コロナ機の学校
ある日の掃除の時間、6年生の彼の姿に目が留まりました。
ほうきで階段を掃く姿の美しさに目を奪われました。

丁寧に、柔らかく、一段一段を掃き清めています。柄を握った手から、ほうきの先端まで、彼の細やかな気遣いや思いが行き届いていることが伝わります。ゆっくりと、しかし、流れるような動きには、所作と呼ぶ方が似つかわしいほどの優雅さがありました。

他者と争わず、穏やかで控えめ。しかし、決して消極的ではなく、すべきことから目をそらさず、静かになすべきことをなす。教室でのたたずまいそのままの、穏やかな彼がそこにいました。

🌷優しい物腰は、あなたの一部であって決して全てではない
別の日、同じ6年生の児童が、彼に対する感謝の気持ちを伝えにきてくれました。
その前日は、うだるような暑さでした。グラウンドに設置した熱中症計は、学校に居残りさせないぎりぎりの数値でした。
十分に水分を補給させ、水筒を満たし、途中での適切な休憩を指導した上で、学年ごとに集団で下校しました。

ことを告げてくれた彼は、その途中で気分が悪くなってきましたが、我慢して歩き続けます。いっしょに歩いていた先の彼が、異変に気付きました。
そうして、しぶる彼を、途中のショッピングセンターへ誘い、お店の方に、片隅で休憩させてほしいとお願いします。
涼しい場所で、水分を補給した彼は幸いすぐに元気を取り戻し、徒歩で帰宅することができました。その間も、先の彼は傍らで気遣い続け、お家まで行動を共にします。

「日頃、おとなしくて優しい○○君が、強い口調で僕をショッピングセンターまで連れて行ってくれました。店の人にも、大人のようなはっきりした言葉でお願いし、休ませてくれました。その姿がとても頼もしくて優しかったので、校長先生に伝えに来ました」

日頃の柔らかで優しい物腰は、あなたの一部であって決して全てではないことを、あなた自身が、証明しましたね。人の生涯で、こんな風に誰かに言ってもらえることが、どれほどあるでしょう。その人の胸いっぱいに響くほど、怯むことなく、誰かに寄り添い続けることが、いったいどれほどあるでしょう。
あなたを誇りに思う。あなたのように生きたいと私も心から願う。

かけがえのないあなたへ。
素敵なきらめきをありがとう。
出会ってくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
どうか、ありのままで。
どうか、幸せで。

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