経験って楽しいことばっかりじゃない
どんな出来事も時間が経過すれば忘れていく・・・
彼女との交換日記は、まだ僕の手元に置いたままだ。
あんなに返そうかと迷っていたのに・・・
何度も読み返して今さら書けなかった思いを書いて渡そうかと悩んでいたけど、結局時間が経てば、もうそんな思いも消えていった。
「好きな人ができるまで待つ」
そう言ってくれた彼女は、あっさり彼氏を作ってしまって楽しそうだ。
そんなもんだな・・・
僕は何を期待してたんだろう。
僕は好きではなくなったのに、相手はずっと好きでいて欲しい?
そんな都合のいい世界は存在しない。
でも、何か淋しさがこみ上げてきていた。
女も勝手だけど男も勝手極まりない。
そういえば・・・
あんなに可愛がっていたジローもあっさり別の犬と仲良くなって僕と天秤にかけ黒い犬のほうへ行ってしまった。
今思えば、あれはメスだったのか?
いや、オスだったのかな・・・
僕は何故かジローがオスだったから黒い犬をメスと思っていたけど。
友達を選んだのかもな・・・
僕もそうなのか?
「おい、タローお前はどうなんだ?」
相変わらず大人しく人懐っこいタローの心は僕にはわからないけど、ずっと僕の側にいてくれることを願っていることは確かだ。
「しかし、女心は秋の空って上手いこと言うなぁ~」
いやいや、何で彼女のことばっかり考えてる?
女々しい。
僕が振ったんだ!!
時間が解決してくれるのかな。
僕が振ったのになぜか心が晴れない寂しさを・・
つづく
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