おばあちゃんに会いに行った
僕は、高校受験が終わり何となく気持ちが落ち着いていた。
前から思っていたことを実行しようか迷いがあったけど
理由ができた。
おばあちゃんとは今まで気まずさのあまり僕から会いに行くことができなかったけど・・
おばあちゃんもそうなのか会いに来てくれることはなかった。
当然といえば当然で僕の言動が原因でおばあちゃんは出て行ってしまったからだ。
「いなくなればいい」
おばあちゃんはショックだったに違いない。
僕は、いつも上手くいかないことを誰かのせいにしてた。
きっと、1番優しい何でも受け止めてくれたおばあちゃんに僕は甘えという攻撃をしてしまった。
そして、家族の誰かが「謝りにいったら」の言葉を言ってほしいと、また甘えたことをずっと考えていた。
きっかけを誰かに与えてほしかったから。
でも、誰も言ってはくれなかった。
その機会は自分で作れってことなのかもしれない。
僕は怖い・・・
おばあちゃんは僕を笑って迎えてくれるの?
おばあちゃんはお父さんの妹の家で暮らしている。
前の晩に僕は何て言おうか考えていた。
「高校受かったよ」
「ずっと、謝りたかった・・ごめん」
次の日、僕は一人でおばあちゃんいる親戚の家に向かった。
心臓が飛び出そうだ。
叔母さんが出迎えてくれた。
何となく、叔母さんとも疎遠になっていたからお互いぎこちなかった。
「あぁ~久しぶりねぇ」
僕は挨拶もそこそこにおばあちゃんの姿を探した。
いた!!
おばあちゃんは僕に気が付いた。
「元気か?」
たった一言僕に言った。
懐かしさと少し小さくなったおばあちゃんを目の前に僕は
「うん」
涙があふれそうで、もう返事だけで精一杯だった。
おばあちゃんは全てを悟ったように頷いたように見えた。
だけど、そのまま後ろを向いて行ってしまった。
もっと、もっと話をしたかった。
謝りたかったけど・・でもそれは叶わなかった。
帰り道、本当は「会いたかった」って言ってくれると甘えたことを考えていた僕は自分を責めていた。
つづく
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