終末系のJK日常かと思ってたらSF超大作だったデッドデッドデーモンズデデデデストラクション
あらすじ
突然現れた全長5000mの未確認飛行物体。東京じゃどこに行っても見えるそれが、いつ人類を滅ぼすかわからない中みんな暮らしてるけど、変わるようで変わらない日々だった。あの日までは。
主人公たち女子高生の卒業までのたわいのない日々が綴られる。
あいさつ
…俺は見終わった後面食らって唖然とした。なにこれ。あらすじと一言お送りした。映画好きのImoだ。前回まで丁寧な文体だったが、めんどくさいのと無駄に文字数が増えるのと固い印象があるので砕けた文体でやってみることにする。とりあえず興奮で早く語りたいので、早速前半のネタバレなしのプレゼンテーションに入って、それから後半にネタバレ含め語っていこう。
今回もよろしく。
プレゼン
一言言おう。アニメと女の子とSFが好きなやつはとりあえず見に来い。悪い目には合わないはず。ただ、浅野いにおの漫画は私は通ってないが、彼の作風は人を選ぶイメージを持っていて、そこんとこどうなんだろう。ただ、俺はすごい好きだ。正直彼の他の作品も読んでみたい。CMなんかの事前情報だけ見た時、「亜人」とか「寄生獣」みたいな話なのかと思っていた。エイリアンが人間の、それも友達に化けて潜んでいて、もしこの人が化け物だったら…みたいな。結果から言うとこの予想は大きく外れた。
この映画は前後編で分かれてるようだが、前編の良いところの8割は日常の中で感じるキャラクターの魅力や会話劇の楽しさだと思う。個人的におんたんとおんたんのお兄ちゃんを推す。おんたんに関してはあのちゃんのハマり具合が大きい。もう彼女以外の人選はあり得ないほどだ。声優初挑戦らしいが、それを感じさせないほどにあの特徴的な声がキャラクターに馴染んでいる。俳優のキムタクが何を演じてもキムタクになってしまうけども、そもそもキムタクというキャラクターに魅力があるのと同じで、あのちゃんも全部あのちゃんになるのが予想できるが、役さえちゃんと適していれば、彼女独自のキャラが凄まじい馴染み方をするわけだ。あのちゃんの個性が目立ちすぎるが、幾田りらも全く演技が浮いてないように感じた。二人とも豪華声優陣の中で演じているのに埋もれていない。
というかこの映画声優豪華すぎないか?主人公のお父さんはツダケンだし、俺のもう片方の推しのお兄ちゃんは諏訪部順一だし。ハンサムデブから宿儺の声が聞こえてきた時は思わず笑ってしまった。
キャラクターと演技がしっかり馴染んでいると話にすごく入り込めるんだよなぁ。なんかこうフィクションとはいえ世界の中にちゃんとキャラクターが生きてるのを感じるというか。
そんなクオリティで宇宙人の謎を含みながら五人の女子高生が高校生活を送るんだけど、これが単調な日常ってわけでもないから退屈しなかった。彼氏ができただの好きな人がいるだのの話題がありつつ、主人公の親に対する鬱憤だったり、明るい方にも暗い方にもイベントがある。オーガニックに毒されてそうな母親とかすごいリアリティがあって嫌な気持ちになった。
門出ちゃんたちの日常がメインではあるが、この映画は群像劇的な側面も持っている。やけにいろんな場所の人たちの物語が動くし、恐らく後編でみんな集合するんだろうなと思っているが、どうなのだろう。少し困るのがキャラクターが多すぎて覚えきれないのだが、きちんと個性が出ているので顔で覚えることはできるから、物語の把握に支障はない。
人が増えて風呂敷がどんどん広がっていき、前章は卒業式で終わりを迎えるのだが、ここでとんでもないどんでん返しがある。安っぽい宣伝のようになってしまうが、まさに最後の最後で全てが変わる、というのが相応しい。そしてこの驚きは、主人公たちの日常を楽しんでいればいるほど大きいのだ。
要するにどれだけ門出ちゃんとおんたんというキャラクターたちが刺さるか、浅野いにおの描く人の会話のノリをどれだけ受け入れられるかが大事になってくる。ほんとに映画の大部分を、ちょっとミステリアスな日常が占めているので、物語自体を期待すると、最後のどんでん返しまで少し退屈するかもしれない。
早い話、CMを試しに見てみて、キャラクターに惹かれたなら見ることをオススメしておく。そうじゃなくても、最初に言った通りアニメが好きだったり、かわいい女の子が好きだったり、SFが好きだったりするなら楽しめると思う。
アニメ映画は一時期、君の名はの劣化でしかないボーイミーツガールを量産する悪夢を見せてきたが、この映画は間違いなく見応えのある作品なので強くおすすめしておこう。
プレゼン以上!
ネタバレあり感想
↓ネタバレ注意⚠️
ネタバレありあらすじ。
大事な友達を一人失い、四人はついに卒業を迎える。一人飛行物体と交信を図るおんたんの前に、謎のイケメンが現れると、彼女の過去が視聴者に暴かれた。
それは昔の夏期講習のころの話。おんたんと門出ちゃんの出会い、そして不思議な宇宙人の話。そう、なんと現代を騒がしてる宇宙人の仲間とすでに交流していた…!悪ガキから助けたことで宇宙人と仲良くなった二人は、宇宙人のもたらす不思議な道具で人助けを始め、地球人の善良さをアピールした。しかしやがて門出ちゃんの善意は暴走する。彼女はデスノートに匹敵するほどの悪の大量粛正を始めたのだ…!おんたんによって止められたが、自責の念に駆られた門出ちゃんはマンションから身を投げる。落ちる彼女におんたんが必死に手を伸ばすところで回想は終わる…。
こんな大事なことをまったく覚えてなさそうな様子のおんたんは変わらず門出ちゃんと遊びにいく。その一方で人類の宇宙人に対する攻撃はますます激しくなる。北陸からきた女装男子と女子大生、宇宙人への復讐に燃える死んだクラスメートの元彼を含めた謎の三人衆、謎が深まり役者が揃ったところで、前章は終わりを迎えるのだった…。
感想
なんだろう、終末感のただようほのぼのとした日常ものを楽しんでいたらいきなりシリアスにひっくり返された感じだ。教師との絡みで可愛いとこも見せていた門出ちゃんが急に夜神月になったもんだから途中から口が開いてしまった。普通に怖い。
特に門出ちゃんの癖について明かされた時がかなり衝撃的だった。もう一度見直してメガネを直す癖を数えてみたい。クラスメートの仲の良さも、門出ちゃんの恐ろしさによって成立していた偽物だったのだろうかと戦慄していた。
とはいえ、クラスメートも門出ちゃんの悪事を覚えていないのだろう。出来事だけ明かされたが現在との繋がりは謎のままだ。予想できるのは門出ちゃんが身投げしてしまったあの状況をおんたんが超常的な何かで覆したということ、そして記憶か、現実か、何かしらの改変を行ったということだ。後編ではそこんところが明らかになるのを期待したい。
門出ちゃんとおんたん以外にも個人的に同行が気になるキャラがいる。キホちゃんの彼氏だった小比類巻くんだ。彼もまた印象に残りやすいキャラで、内山昂輝の声がいい。声だけで普通に主役はれる存在感だろ。ヒロアカの死柄木のイメージが強かったので、マッシュの陰キャみたいな見た目なのにカッコよく見える。ネットにかぶれすぎてるし、明らかにすぐ死ぬ噛ませだと思ってたんだが、後編で仲間と共にひと暴れしそうな雰囲気を醸し出していた。ゾンビものみたいでベタだけどガスマスクとか有り合わせのもので武装した子どもの反撃ってなんかワクワクするよね。
超常的な存在に対する、単なる一般市民でしかない主人公たちの足掻きというのは「20世紀少年」を思い出させる。あの映画も三部作で構成されたSF超大作だったが、デデデデもこれからどう楽しませてくれるのだろうか。人類滅亡は決まっているがどう落とし所をつけるのか、おんたんは何をしでかしたのか、門出ちゃんは真実を知った時どうなるのか。まだ前半なので今回はこの辺にしておこう。後編を見終わった時にはもっと色々語りたく思う。
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