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年の瀬の痛い事件と不思議な老人…

あれは良く晴れた寒い年の暮れ。。。
私は病院へ向かっていた。
青い空を見上げて深呼吸…

「ん~♪ 気持ちいい。。青い空はいいわ~」
スマホでいつものように写真を撮る。
ふと…渡る横断歩道を見ると信号は青…渡ろう!
次の瞬間目の前の景色が一変した。

あーーーーっ。。。。。

歩道の路肩に躓き、大転倒したのだ。
背負っていた重いリュックは後頭部まで来て
顔は地面に強打。。。。。

恥ずかしいのと痛いのとで
何事もなかったかのように…
そして平気を装い…歩き始めた。
病院までの道のりは遠く感じて…

顔や膝等ズキズキ痛い。
パンツの中では膝から流れ出る生温い感覚。
顔に手を当てると流血・・・
ハンカチで拭きつつ病院に入る。

当然受付では
「大丈夫ですか?」となる。
そこで正直に言って処置してもえば良かったものの
「大丈夫です!」と口から滑らかに言葉が出た。

すぐさまトイレに駆け込み、血を洗い流した。
止血には時間がかかりそう。。
診察の時間もあり、途中で切り上げて待合室へ。

ドクターからは何もなく病院は終わった。
触れてくれるな。。と思っていたので良かった。

ーーーーーーーーー

家に帰ろう。。。
とにかく痛い。まともに歩けない。
膝は生温い物がズボンに張り付く感じ。痛い。
そんな思いでバスを待つ列に並んだ。

並んでいると別の行先のバスが停車した。
運転士さんは車椅子の乗客対応。
冬の寒い日、車内から防寒着を羽織って機敏に対応する姿。
何か手伝える事を。。。と思ったが
歩く事もままならない、この状態。
足は動かなかった。見てるだけになんとなく罪悪感。

ほどなくして、バスが来た。
膝も曲がらず顔も流血の痕。
必死で乗り込み入口の横、一段上がった場所に座った。

痛みは鈍く響く。
膝はパンツに張り付いて若干冷たかったのを覚えている。
流れる景色を眺めても惨め。。。いい歳をして泣きそうだった。

バスは進み、あるバス停に停車した。
なかなか発車しない。。と同時に視線を感じたので顔を向けると…
老人が乗車口で私をジーっと見ていた。

慌てて座席を更に大きく開けて老人を着座させた。
あの時、他にも席は空いていたけど、ここを選んだのは
いつもここに座っているのかな。と
曲がらない膝をかばいながら思っていた。

そして次に
「この老人は何処で降りるんだろう。
ボタン押してあげなきゃ届かないよね。」と
注意深くずーっと気にかけていたが、あるバス停で老人が動いた。
降りるのかと思ったが席を移動しただけ。
そのすぐ後のバス停で老人は降車釦を押して降りていった。。。。。

少し理解に苦しむ出来事。。。
最初からそこに座ればよっかたっじゃん。と。。

そして、私も通常通り降車。
ただ足をひきづりながら。。。。
この時の膝のアザは、1年経った今、要約薄くなってきました。


********
そして…この時の運転士さんは最近でも良く乗せてもらう人。
乗せてもらう度に思い出す出来事です。
又、注意しろよ。と自分へ警告にもなっています。

忙しい年の瀬…
怪我や事故等は避けたいですよね。
皆様も、どうぞおきをつけて。